選択の質を上げ、人生の質を上げる「選択日記」

こんにちは、ゆうびんやです。

「めざせ、日記大全」、連載16回目の今回は「選択日記」をご紹介します。

選択日記とは

ニューヨークのコロンビア大学ビジネススクール教授、シーナ・アイエンガー氏が作った日記です。

シーナ教授は「選択」をテーマに20年以上研究しており、この選択日記は、その研究成果のひとつと言えるでしょう。

この選択日記は「経験に基づく直感(Informed Intuition)」を育むためのものです。

人は選択するとき、二つの基準を用います。

「理性」と「直感」です。

しかし、その道の第一人者や、熟練の仕事人、経験を積んだ専門家は、この二つの基準を組み合わせた基準を使います。

それが「経験に基づく直感」です。

長年の経験や専門知識の蓄積から、正確な判断が瞬時に行えるのです。

  • 消防士が火事現場に突入した時、理由が分からなくても、退却できた(その後、床が崩壊)
  • チェスや将棋の名人は直感的に詰みへの道筋が見える
  • 医者が一目見ただけで、病気が予測できる

こうした直感は長年の経験や専門知識の蓄積によるものとされています。

状況が手がかりを与える 。この手がかりをもとに 、専門家は記憶に蓄積されていた情報を呼び出す 。そして情報が答を与えてくれるのだ 。直感とは 、認識以上でもなければ以下でもない

ファスト&スロー(上) 29ページ

しかし、「経験に基づく直感」を育むためには、日々の「選択」をただ重ねるのではなく、書き留め、評価しなおすことが重要です。

もうお分かりの通り、選択日記により選択を振り返ることで、「経験に基づく直感」を育み、適切な選択をするための判断精度を上げることができるようになります。

日記の書き方

選択日記の項目は以下の5つです。

  1. 下した選択
  2. 選択に至るまでの思考プロセス
  3. 用いた情報
  4. 結果
  5. なぜ、うまくいったと思うか。なぜ、うまくいかなかったと思うのか。

しかし、一度にすべて埋めるわけではありません。3つのステップに分かれています。

また選択日記は毎日書く必要はなく、自分にとって振り返りたい選択や重要な選択があった場合に書けばOKです。

それでは、各ステップについて説明していきましょう。

ステップ1 選択直後に記入

選択直後に記入するのは「下した選択」「選択に至るまでの思考プロセス」「用いた情報」です。

たとえば「今日の昼ごはん」の選択について書くと以下のようになります。

1.下した選択

昼ごはんはそうめんにした

2.選択に至るまでの思考プロセス

昼ごはんはさっぱりしたものがいい→さらに言えば楽に作れるもの→そうめん

3.用いた情報

冷蔵庫の材料、おなかの減り具合

このように自分が下した選択はどのようなプロセスで、かつどのような情報を用いたかを記録します。

ステップ2

選択の結果が出たら、その結果を書きます。

4.結果

おいしかったけど、ちょっと食べすぎた。次からは量を減らそう。

上にあげた例にように、結果がすぐに出る場合もありますし、数週間ほどかかる場合もあるでしょう。

記録した選択ごとにちがったタイミングで結果がでます。

そのため日記を読み返し、記録した選択に結果が出ているかを見る必要があります。若干手間にはなりますが、逆に言えば選択日記は必ず自分の選択を読み返すことになります。

日記は読み返すことで効果が大きくなるので、自然と日記を読み返せる流れがあることは、とても大事です。

日記を読み返す効果については連用日記のところで詳しく書きました。

こんにちは、ゆうびんやです。「めざせ、日記大全」 今回ご紹介するのは連用日記です。 連用日記とは、毎年同じ日の記録を同じページに書き込めるようにしたもので、連用日記の中でもなどの何年分の日記が...

ステップ3

さらにこの選択日記は、自分が行った選択を結果がでた1か月後(もっと長くてもよい)にもう一度振り返ります。

例えば以下のような具合です。

5.なぜ、うまくいったと思うか。なぜ、うまくいかなかったと思うのか。

おなかがすいていると、いっぱい食べられると勘違いしてしまう。この後は適量を作れるようになった。

期間をあけて振り返る効果は2つあります。

  1. 客観的に振り返ることができる
  2. 長期的な視野での選択結果を振り返ることができる

これらの効果について簡単に説明します。

客観的に振り返ることができる

結果が出た直後はどうしても主観的になります。思い入れがあれば、うまくいかなかったことを客観的に分析することは難しくなります。

逆にうまくいったことの場合は、うまくいった理由を必要以上に自分に結び付けて考えるといったバイアスが働きやすくなります。

しかし、時間をあけることでそうした主観的な思い入れや、バイアスを少なくして選択結果を振り返ることができます。

長期的な視野での選択結果を振り返ることができる

結果がでた直後と時間が経ったあとでは結果に対する評価が異なることがあります。

たとえばそうめんをつくる選択をした例について考えると、結果が出た直後は、「作りすぎ」という、うまくいかなかった面がクローズアップされます。

しかし、1か月後に振り返ると、この失敗を生かして適量作れるようになったと見方を少し変えることができるのです。

結果に対する評価が短期と長期で変わることが、期間をあけて選択を振り返っていくことで理解できるようになります。

評価が短期と長期で変わると分かっていれば、選択した結果に対して一喜一憂しなくなります。

短期でいい結果がでても、長期ではわからないと気を引き締められるでしょう。

また、短期で悪い結果でも、長期的な視点で見れば結果を変えることができると、がんばることもできます。

このような視点を持つことができるようになれば、最初に決断する選択も、長期的な視野を持って決断することができるようになるはずです。

終わりに

私たちの人生は選択の連続です。

一日のうちだけでも、たくさんの選択をしています。

そのたくさんの選択の質をすこしでも上げることができれば、私たちの日々、ひいては人生に対する満足度も上げることができるはずです。

それではまた再来週お会いしましょう。

ゆうびんやでした!

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選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

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選択日記 The Choice Diary


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