こんにちは、ゆうびんや@日記の人です。
日記を網羅する意気込みでやっている連載企画「めざせ日記大全」
今回は感謝日記についてご紹介したいと思います。
▼ここまでの記事
新年「めざせ日記大全」始めます!
目標達成に役立つ4行日記のポイント、改善点、そして6行日記へ
人生のハイライトを作成する1行日記のポイントとその注意点
「天才」に向かって走り出すための日記、5行日記
感謝日記とは
感謝日記はとてもシンプルな日記で、今日あった感謝したいことを3つほど書く日記です(もちろん書けるときは3つ以上書きましょう)。
たとえば
- おもしろい本が読めた
- パートナーが家事をやってくれた
- 楽しく一日を過ごせた
といった具合です。
感謝したいことを書き、感謝の気持ちを感じながら日記を終える。そして、できればなぜよいことが起こったのか考えてみる。
手順はそれだけの、ある意味単純な日記です。
そんな感謝日記ですが、いろんな分野の本で触れられる日記でもあります。
たとえば幸せに関する本、あるいはレジリエンスの本、心理学やマインドフルネスなどの本でもよく目にする日記です。
こうした多くの文脈で、感謝日記がなぜ使われるのか?
それは感謝日記が、私たちの主観を調整するからです。
主観を調整するというのが大げさであれば、ものの見方を少し変えてくれるのが感謝日記といえます。
ひとは現実を、自分の見方に合わせて把握します。
たとえ事実はひとつだとしても、人それぞれに事実を解釈した「真実」があります。
その見方を変えるということは、自分にとっての「真実」を変えることでもあります。
そんな単純だけど奥が深い感謝日記の効果を見ていきましょう。
感謝日記で前向きに
まず感謝日記を書くことで、気分が前向きになります。
ありがとうと感謝するということは、だれかから、もしくは環境からなにかしらの「ギフト」をもらったということです。
感謝できるギフトをもらうのは当然うれしいことです。自然と前向きになります。
このように人に前をむかせることが、つらい状況でも負けずに対応していく力「レジリエンス」の分野で感謝日記が用いられる理由です。
つらい状況であっても、過去の出来事を前向きにとらえなおすことがレジリエンスにつながります。
そして、過去の出来事を「とらえなおす」ことが、これからご紹介する主観を調整する効果にも繋がります。
主観を揺さぶる
感謝日記は過去にあったことに対して感謝します。そのとき、いつもなら感謝していないことに対しても感謝できることに気づきます。
いつもなら当たりまえに流してしまっていることです。
- 家族がご飯を作ってくれること
- 自分の力を発揮できる仕事があること
- おもしろい本が読めること
- 歩けること
- 生きてること
こうしたいつもなら当たり前と思ってしまうことについて、感謝日記はもう一度スポットライトを当てて問いかけます。
「本当にあたりまえですか?」
それがあなたの主観が揺さぶられる瞬間です。あなたが当たり前だと納得していた「真実」にもう一度注意を向けられる瞬間です。
人は自分にとって納得がいく説明がある物事については自然と注意を向けなくなります。これをAREAモデルといいます。
“AREAモデルと呼ばれる、適応について直観的に理解するためのモデルがある。人生に起こる出来事は、まずはともかく注意を引きつける。あなたはそれに反応し、その出来事について説明できる場合は、注意を逸らせてその出来事に適応する(50)。このプロセスのほとんどは、意識的な努力を必要とせず自動的に起こっている。”
『幸せな選択、不幸な選択──行動科学で最高の人生をデザインする (早川書房)』(ポール ドーラン, 中西 真雄美 著) より、http://a.co/dm8xjXN
もうお分かりの通り、感謝日記は自分自身がいつの間にか納得していた物事に揺さぶりをかけることで注意を向けさせます。
そして、自分の物の見方を変えるきっかけをくれるのです。
主観を調整する
たとえ物の見方を変えられるとしても、自分の望まない方向に変わってしまっては意味がありません。
しかし、感謝日記は現状に感謝し、前向きになる効果がある日記です。
現状をまず認めるということは、自分の持っているものを確認するということです。自分の手札が分かれば、自分の進みたい方向へどうやって進むかを考えることができます。
また感謝日記が主観を揺さぶることで、あなたの思考の針は現状に認める方向に向かいます。
しかし、針はそこでは止まりません。
元の場所に戻ろうとします。
たとえば、映画や本、人からの話など、自分の物の見方を変えるような様々な情報があります。偉人伝を読んで、立派に生きようと思った経験がある方も多いでしょう。
しかし、偉人伝を読んで、立派に生きていこうと思っても、その思考は少しずつ薄まり、時間が経つにつれて思考の針は元の自分を指し示します。
しかし、毎日その伝記を読んでいたらどうでしょう?
あるいは、伝記を読んで、日々の行動に還元していたら?
読む前の自分とは少し違った自分になっているはずです。
元の自分を指し示していた針が、伝記を読んだ自分と、元の自分を指し示していた目盛りの間を指し示します。
そして、感謝日記も日々書き続けることで、主観を揺さぶり続ける日記です。
主観を揺さぶり続ければ、現状を認める自分と元の自分自身の間に針が動きます。
そしてさらに重要なことに、感謝日記を書き続けることで、針が動いていることに気づくことができるのです。
針が動いてることがわかれば、自分にとっての最適位置に思考の針を動かすことも可能となります。
また自分の思考の針、その動きを感じること、それは意図的に自分自身から少し距離を取ることでもあります。距離を取らないと針を見ることはできません。
これがマインドフルネスでも感謝日記が触れられる理由の一つです。
意図的に自分の思考、自分の行動に対する注意を向けることが、マインドフルネスの一つの要素です。
感謝日記はその助けになります。
感謝日記はあなたの主観を揺さぶり続けることで、ものの見方を変え、自身の物の見方の最適位置を自分自身で探す手助けをしてくれるそんな日記なのです。
おわりに
ここまで感謝日記の効果について触れました。
感謝日記には他にも様々な効果があります。しかし、その一番大きい効果は今回紹介した、自身の主観を揺さぶり、調整する効果だと考えています。
感謝日記は簡単にできる日記です。手帳やノートに少し書いてみるだけで、始めることができます。
ぜひ試してみてください。
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ぜひ一緒に日記を楽しみましょう。
ゆうびんやでした!
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