お久しぶりです。ハックの哲学のイド♂(@idomars)でございます!
11月の下記ぞえさんの記事に対して
書き出すの最高!私の場合、解決案まで出しちゃいますね。そしてそれらは自然とタスク管理システムに落とし込まれるので、万事解決、一件落着!/作業への集中を妨げる頭の中にある「もやもや」を外に出す https://t.co/9MMUw7laar
— イド♂@スイスで妻と娘と三人暮らし (@idomars) 2016年11月17日
とツイートしたところ、
その詳しいフローをアシタノに書いてくれるんですね、分かります。
いざ師走! - 週刊アシタノ vol.26
とBECKさんにリクエスト頂いたので、今回は私のもやもやへの対処法をご紹介します。
3種類のもやもや
敵を倒すにはまず敵を知る必要があります。そこでここでは、もやもやの種類について考えてみます。
私はもやもやを、以下の3つに分類しました。
- 内的もやもや
- 外的もやもや
- 内外的もやもや
それでは一つずつ見ていきましょう。
1. 内的もやもや 自分の考え方の問題
1つ目は内的もやもやです。傲慢・憤怒・嫉妬・怠惰・強欲・暴食・色欲などがこれに当たります。
下図の様に、ぞえさんのマンガを見返してみると、内的もやもやがよくわかります。
この時のぞえさんはなかなか危険な状態だったのでしょうね。。しかし、誰もぞえさんを責めることなどできません。人は皆、罪ととなり合わせで生きているのですから。。
さて、七つの大罪でを例に挙げて説明しましたが、七つの大罪に限らず、自分の考え方によって生じるもやもやが内的もやもやとなります。
2. 外的もやもや 問題が外にある
2つ目は、外的な要因が原因のもやもやです。感情としては「不安」がこのもやもやによく当てはまります。
たとえば、外出先で「あれ?家のカギ閉めてきたっけ?」と思ったり、海外旅行に行くけどまだ自分の子どもが小さいから「なんか不安だなぁ」と思ったりすることです。
これらの不安は、それぞれ、「家のカギ」、「自分の子ども」と、もやもやの発生原因が自分ではなく外にあるので、外的もやもやとなります。
ちなみに外的もやもやでも、「やれることはすべてやったが、悪い結果を予想して不安になる」、俗に言う杞憂は、内的もやもやです。
3. 内外的もやもや 1と2の複合
内的もやもやと外的もやもやの両方の性質を持ったものが、内外的もやもやです。
たとえば、「課長がまた仕事を振ってきたよ。私が毎日残業してるのを知っているはずなのに、更に仕事を振るとか考えられないんですけど!?」が、これに当たります。
「課長への怒り」と 「新しい仕事」という、内的もやもやと外的もやもやの複合となっています。
私のもやもや対処方法
敵が明らかになったので、ここからは私のもやもやへの対処法を紹介していきます。
もやもや一種に対して一つの対処法となります。
- 内的もやもやは紙に書き出す
- 外的もやもやは行動を起こす
- 内外的もやもやは紙に書き出して、行動を起こす
それでは一つずつ見ていきましょう。
1. 内的もやもやは紙に書き出す
内的もやもやは、紙に書き出してみるだけで解決します。
ぞえさんの解説のなぞりになりますが、もやもやを頭の中に残しておくと、そのもやもやは自分と同一化してしまっているので、客観的な分析ができません。もやもやを自分から引き剥がして、紙に書き出すことで初めて、もやもやが主体ではなく客体となり、客観的な分析ができるようになるのです。
「すべての事象はタスクである」とするタスク管理道が感情のゆらぎに強いのは、感情含めたすべての事象をタスクという客体として捉え、対象化しているからに他なりません。
▼タスク管理道参考記事
タスク管理は、もはやライフハックではない
閑話休題。
オススメの書き出し方は、0秒思考です。まさに今回取り上げた「もやもや」の、具体的な紙への書き出し方が書かれています。デジタル一辺倒だった私が、「『紙に書き出す』ってスゴい!」と、アナログ好きになるぐらい、効果的な方法が書かれています。
2. 外的もやもやは行動を起こす
外的もやもやは、行動を起こすことで解決します。もやもやの発生原因が自分の外にあり、それに働きかける必要があるからです。
そのために必要なプロセスは以下の5つです。
a. 外的もやもやの発生原因を考える
b. 対策を考える
c. アクションを考える
d. ネクストアクションを明確にする
e. ネクストアクションを実行する
a. 外的もやもやの発生原因を考える
まず、外的もやもやの発生原因を考えます。
先で挙げた外的もやもや例の原因は以下の通りです。
「あれ?家のカギ閉めてきたっけ?」
→原因 : 家のカギを閉めたことを忘れたから
海外旅行に行くけどまだ自分の子どもが小さいから「なんか不安だなぁ」
→原因 : 1. 長時間飛行機に乗っていると子どもが大泣きする可能性があるから、 2. 飛行機の気圧変化で子どもの体調が悪くなる可能性があるから、3. 現地で子どもに気を取られている間に、盗難に遭う可能性があるから、etc…
ご覧の通り、前者はもやもやの原因が一つですが、後者は多数あります。
私は外的もやもやの原因分析を基本的に頭の中で行いますが、後者のように原因が複数あったり、すぐに原因が思い浮かばない場合は、内的もやもやと同じく紙に書き出して0秒思考を行います。
複雑なことを考えるときは、アナログの柔軟さが強い味方になってくれます。発散はアナログ、収束はデジタルという使い分け方がイイ感じです。
b. 対策を考える
次に、aで考えた発生原因に対しての対策を考えていきます。 たとえばこんな感じです。
「あれ?家のカギ閉めてきたっけ?」
→原因 : 家のカギを閉めたことを忘れたから
→対策 : 玄関のドアに大きく「カギを閉めて!」と書いた紙を貼る
海外旅行に行くけどまだ自分の子どもが小さいから「なんか不安だなぁ」
→原因1 : 長時間飛行機に乗っていると子どもが大泣きする可能性があるから
→対策1 : 飛行機で寝てくれるように、睡眠不足にさせる
→原因2 : 飛行機の気圧変化で子どもの体調が悪くなる可能性があるから
→対策2 : 体調が悪くなることを前提に、到着日には予定を何も入れない
→原因3 : 現地で子どもに気を取られている間に、盗難に遭う可能性があるから
→対策3 : 子どもに気を取られるのは仕方ないので、役割を分担する(妻=子ども担当、夫=荷物担当)
ここでは話をわかりやすくするために、一つの原因に対して一つの対策を挙げましたが、対策は複数でも構いません。むしろ複数の対策を考えた方が、不安=外的もやもやはさらに解消されるでしょう。
また、対策を「心がけ」にしないように注意しましょう。心がけしか思いつかない場合は、それを「行動」に変換できないか考えてみましょう。ここでの「行動」とは、一度実行すれば確実に効果が出る行動を指します。
行動は実行すれば必ずその効果が現れますが、心がけは名前の通り、常に心がけていなければ効果を得られません。エネルギー効率最悪です。さらに、人の思考は常にあっちに行ったりこっちに行ったりするので、常に何かを心がけていることなど不可能であるというのが私の考えです。
c.アクションを考える
さて対策は立てましたが、対策を実行するために何をするのか?=アクションを考える必要があります。たとえばこんな感じです。
「あれ?家のカギ閉めてきたっけ?」
→原因 : 家のカギを閉めたことを忘れたから
→対策 : 玄関のドアノブに大きく「カギを閉めて!」と書いた紙を貼る
→アクション : 大きく「カギを閉めて!」と書いた紙を作る
海外旅行に行くけどまだ自分の子どもが小さいから「なんか不安だなぁ」
→原因1 : 長時間飛行機に乗っていると子どもが大泣きする可能性があるから
→対策1 : 飛行機で寝てくれるように、睡眠不足にさせる
→アクション1 : 渡航の日は子どもに昼寝をさせない
→原因2 : 飛行機の気圧変化で子どもの体調が悪くなる可能性があるから
→対策2 : 体調が悪くなることを前提に、到着日には予定を何も入れない
→アクション2 : 旅行のスケジュールを組むときに、到着日に予定を入れないようにする
→原因3 : 現地で子どもに気を取られている間に、盗難に遭う可能性があるから
→対策3 : 子どもに気を取られるのは仕方ないので、役割を分担する(妻=子ども担当、夫=荷物担当)
→アクション3 : 一人で全員分の荷物を運べるカバンを探す。なかったら買う。
ここはタスク管理で言う、「タスクの分解」、「チャンクダウン」と同じです。対策をより具体的な行動へ分解していきます。
d. ネクストアクションを考える
更にアクションから、次に何をするのか?=ネクストアクションを考え出します。たとえばこんな感じです。
「あれ?家のカギ閉めてきたっけ?」
→原因 : 家のカギを閉めたことを忘れたから
→対策 : 玄関のドアノブに大きく「カギを閉めて!」と書いた紙を貼る
→アクション : 大きく「カギを閉めて!」と書いた紙を作る
→ネクストアクション : Wordに大きく「カギを閉めて!」と書き、コンビニで印刷するためにUSBに保存する
海外旅行に行くけどまだ自分の子どもが小さいから「なんか不安だなぁ」
→原因1 : 長時間飛行機に乗っていると子どもが大泣きする可能性があるから
→対策1 : 飛行機で寝てくれるように、睡眠不足にさせる
→アクション1 : 渡航の日は子どもに昼寝をさせない
→ネクストアクション1 : 渡航の日の朝に、「飛行機で寝てくれるように、子どもに昼寝をさせない」というリマインダーをセットする
→原因2 : 飛行機の気圧変化で子どもの体調が悪くなる可能性があるから
→対策2 : 体調が悪くなることを前提に、到着日には予定を何も入れない
→アクション2 : 旅行のスケジュールを組むときに、到着日に予定を入れないようにする
→ネクストアクション2 : 旅行のスケジュールをまとめているEvernoteのノートに、「到着日には予定を何も入れない」と書き込む
→原因3 : 現地で子どもに気を取られている間に、盗難に遭う可能性があるから
→対策3 : 子どもに気を取られるのは仕方ないので、役割を分担する(妻=子ども担当、夫=荷物担当)
→アクション3 : 一人で全員分の荷物を運べるカバンを探す。なかったら買う。
→ネクストアクション3 : 次の日曜日に家にあるカバンの中に適切なカバンがあるか探す。
アクションを考えたところで止まってはいけません。自分ができると思うレベルまでのタスク分解の手を止めてはならないのです。
一つ前の工程「アクションを考える」で生まれたアクションは理想の対策からトップダウンで考え出されたものです。そのままでは現実との距離があるので、実行されない可能性が残ります。
理想からのトップダウンで生み出されたアクションを、自分の現状という現実からのボトムアップとすりあわせる工程がこの「ネクストアクションを考える」となります。
e. ネクストアクションを実行する
最後に明確にしたネクストアクションを実行します。外的もやもやは行動を起こさない限り、何度も復活するので、ここが最も重要になります。
ネクストアクションを決めたその場で実行するも良し、タスク管理システムを構築している人は、そのシステムの中に落とし込むのも良しです。
私の場合、外的もやもやが発生した時点で上記プロセスを実行して、ネクストアクションをTodoistに記録します。そして、毎朝10分、ネクストアクションを処理しています。
3. 内外的もやもやは紙に書き出して、行動を起こす
内外的もやもやに対しては、内的もやもやへの対処法である紙への書き出しと外的もやもやへの対処法である行動の実行、両方を行います。
これまで「もやもやを解決しよう!」と、自分からもやもやにアプローチをかけて来なかった人(いつまでももやもやを抱えたまま悩み続けていた人)は、そのもやもやが「内的もやもや」か「外的もやもや」か、はたまた「内外的もやもや」かの区別がすぐにつかないと思いますので、その様な人はとりあえず紙に書き出し、もやもやの種類を自覚してから次に進むことをオススメします。
おわりに
今回、外的もやもやについての対処法について詳しく書きましたが、外的もやもや含めたすべてのもやもやは、自分の頭の中の問題です。
自分の頭の持ち主は自分ですから、もやもやも自分でコントロールできて当たり前です。心配ありません。
自分のもやもや対処法を確立し、もやもやの少ない生活を送りましょう!
ちょうど、私の毎日のもやもやについての対処法を公開する「日々是助管理」というメルマガを始めましたので、ご興味ある方は下記リンクからどうぞ!
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イド♂です。スイス・ドイツを経てイタリアで妻と子どもと生活しています。社会人になってからほぼ1年に一回、転勤や部署異動をしている経験から、多視点からのタスク管理論が持ち味です。ひばち(@Evaccaneer )さんと二人で、タスク管理イベント「TaskFreaks!!」を主宰しています。
テーマ別で下記2つのブログを運営していますが、現在のメインは「TaskArts」。Twitterですべてのブログの更新情報を流しています。
座右の銘 : 「生きるとはタスク管理することである」