クラウド時代のセルフマネジメントにおける手帳の役割に関して【私の仕事道具と仕事術】

クラウドが「当たり前」に使われるようになって久しいです。

電車の中でスマホをいじっている人を見ない日はありません。

私が処女作の「Evernote情報整理術」を上梓した2010年頃は、クラウドという言葉がどこかバズワードチックで「とりあえずクラウドって付けとけ」みたいな雰囲気がありました。

スマホがすっかり定着して、皆が当たり前にGoogleカレンダーやGmail、Evernoteを使っている様子を見るにつけて、今更「クラウドサービス」みたいな表現をするのもちょっと恥ずかしく思う程です。

或いは、スマホによるクラウドサービスのアプリ化が、スタンドアロンとクラウドサービスの垣根を取り払うことに一役買ったのかもしれません。最早、計算やデータの保持が端末とクラウドのどちらで行われているかなど、ユーザに取ってはどちらでも良いのかもしれません。

・・・さて、冒頭から昔話に興じてしまいましたが、今日の本題はアシタノレシピ月イチテーマの「私の仕事道具と仕事術」です。

「私の仕事道具と仕事術」をざっと紹介しようと思ったのですが、ちょっと分量が多くなりそうだったので、まずは「セルフマネジメント(自己管理)」を主題にお届けしたいと思います。次回、「メモ/ノート/アウトプット」を取りあげます。

■スマホ/クラウド全盛の時代だからこそ「手帳」の良さを語りたい

■手帳の理想型「ほぼ日手帳カズン」

僕が最初に紹介したい仕事道具はほぼ日手帳カズンです。

アシタノレシピでも度々書いてきましたが、

遡れば2010年から「ほぼ日手帳カズン」を愛用し続けています。

ウィークリーバーチカルと1日1ページのデイリーリフィルが1冊にまとまった、A5サイズの方眼ベースの手帳・・という、僕が理想と考える全ての要素を備えた最強の手帳です。

■手帳の使い方とメリット

以前はフランクリン式ということで、ほぼ手帳だけで完結する様な使い方をしていましたが、最近はクラウドサービスや「たすくま」というiPhoneアプリとの使い分けでその用途が変わってきています。

以前自分のブログにまとめた記事「2017年の手帳はほぼ日カズン続行するも、手帳の位置づけが少し変わりつつある 」から今の手帳の使い方部分を抜粋すると

  • 手帳には予定やタスクだけじゃなく、目標や思考、感情、メモなど雑多かつ重要な情報が書き込まれる
  • 不安になった時、手帳に不安を書き出して、そこから次のアクションを導きだすことで、不安の解消とタスクの洗い出しを同時に行う事ができる
  • パラパラめくれば、前後数日間に何をしたのか、何があったのか、やり漏らしていることはないかなどを、予定・タスク・メモ(口頭で言われたこと、電話したこと、自分が考えた事、etc)などを一度に把握しながら思い出せる
  • 会社のPCからGoogleカレンダーが使えないし、仕事の予定をそのままGoogleカレンダーに書き写すとマズイので、手帳にプライベートと仕事の予定をメモ的に書いておき、必要最低限の仕事の予定だけをGoogleカレンダーに書き写す
  • 目標をぱっと見返してからの週間目標策定や、自分の1週間の時間の使い方のシミュレーションなどは、見開きのウィークリーバーチカルがやりやすい

2017年の手帳はほぼ日カズン続行するも、手帳の位置づけが少し変わりつつある より引用

と言った感じです。全体的な流れはまた後述しますが、要約すると以下の用途として手帳を使用しています。

  • 思考、感情、メモなど雑多な情報の受け止め場所
  • 不安になった時に書き出す場所
  • 俯瞰性の高いライフログ
  • クラウドツールが使えない会社との橋渡し
  • 目標⇒1週間の計画を行う場所

仕事上で不安を抱えていたり、やることが多すぎたり、複雑な要素が絡まって先に進めなくなったりしたときなんかに、手帳と向き合って頭を整理するという”儀式”を行う事で、混乱から脱っすることができる点は、手帳が手放せない最大の理由であると思います。

また、会社ではクラウドツールが使えない上に、会社の予定をグループウェアで管理していますので、双方の予定がバッティングしないことを確認する必要があります。そのため、自分のプライベートの予定はGoogleカレンダーから、仕事の予定はグループウェアから手帳のマンスリーリフィルへ書き写し、双方の予定がバッティングしないことを確認しています。

加えて、1日分の予定とやることをデイリーリフィルに書き出している他、その日の思考、感情、メモを常時ここに書き込むようにしています。デイリーリフィルは計画、遂行、振り返りの場であると共に、強力なライフログの蓄積場所となるのです。

ペーパーアイテムをそのまま貼り付けておける点も手帳の良さといえます。

■スマホ/クラウドを第2の脳にする

■「Googleカレンダー」と「Toodledo」、「たすくま」

次に紹介したいのが「Googleカレンダー」Toodledoそしてたすくまです。

基本的に「Googleカレンダー」には全ての予定を、「Toodledo」には全てのタスクを書き出しています。

「たすくま」はDaily Task Listであり、その日の予定とタスクの全てが書き出され、時間の見積もり(可視化)と実行の記録を残しています。

Googleカレンダー

個人的な予定は全てGoogleカレンダーで管理しています。

会社のグループウェアで管理している予定を手帳に書き出して、後からGoogleカレンダーに自分だけが理解できる程度にぼかした情報のみを追記しています。

目的としては大きく、次の予定をAppleWatchで確認したいのと、リマインダーを飛ばしたい、そして「たすくま」に自動取り込みを行いたいの3点なので、予定の詳細情報は不要で場所ぐらいが分かれば十分です。

Toodledo

Toodledoはマニャーナの法則で言う所の「TODOリスト」です。自分がやるべき事が全てここに書き出すようにしています。

たすくまを使うまでは、実行する時間帯(Context)や、見積もり時間を真面目に入力していたのですが、今はタスクの実行計画はたすくまの役割となっています。

Toodledoには、カレンダーへの書き出し機能がありますので、日付の設定だけをきちんとしておけば、ここで書き出されたタスクも全てたすくまに取り込まれることになります。

たすくま

たすくまには、その日1日の予定、タスクが全て書き出され、時間の見積もり(可視化)を行うと共に、実行の記録を残しています。

強力なリピートタスク機能(非定期リピートがテンプレートタスク扱いとなる)とカレンダー取り込み機能があるため、毎日繰り返す行動をリピートタスクとして登録して、常々Googleカレンダーの予定を最新化しておけば、毎朝自動でたすくま上にDaily Task Listが作成されます。

加えて、カレンダー書きだしによる、実績の見える化や、Evernoteへの強力なレポート機能も魅力です。

特に、メモや写真をタスクの実行ログに残すことが出来ることで、ライフロガーとしても非常に強力な点も魅力です。

■予定の同期問題

先に述べたとおり、会社ではこれらのツールにPCから直接アクセス出来ませんし、会社の予定はグループウェアを使用しています。

つまり、仕事とプライベートそれぞれに予定を管理する母艦が存在する形になります。

私の会社の予定は、会社のグループウェア上にて、他のメンバーに適切に共有される必要があります。反面、私のプライベートな予定は、仕事に影響を及ぼす(子供を迎えに行く、休暇を取る等)もの以外は、特に共有される必要はありません。

対して、私個人でのセルフマネジメントに視点を移したとき、私は仕事とプライベートの区別無く、自分の行動、特に時間の使い方を適切に管理したいと思っています。(要するに、たすくまに予定を自動で取り込みたい)

つまり、同期を行う方向としては、

グループウェア⇒手帳⇒Googleカレンダー

という片方向の同期のみで良いという形になります。プライベートと仕事の予定のバッティングは手帳で見るので、厳密にはGoogleカレンダー⇒手帳の流れは必要になりますが。

■私のセルフマネジメントの流れ

■予定管理とタスク管理の概論

基本的に私のセルフマネジメントは「7つの習慣」×「GTD」×「マニャーナの法則」なのですが、クラウド利用の制限などもあるので少し特殊なやり方を採っています。

予定の管理は先に述べたとおり、プライベートの予定をGoogleカレンダー、仕事の予定をグループウェアで管理しており、それを手帳で橋渡しし、仕事の予定は自分だけが理解できれば良いレベルでぼかしてGoogleカレンダーに登録するフローです。

タスク管理は基本的にGTDとマニャーナの影響を受けており、Toodledoにあらゆるタスクを片っ端からつっこんで(マニャーナでいうTODOリスト)、今日1日のタスクをDaily Task List(GTDで言えばNext Action List)として手帳とたすくまに書き出しています。

自分がやるべきタスクが全て書き出されている状態を作り出すことは、仕事上のストレスを軽減する上で非常に重要ですが、それ以上に「今やるべき事」以外は見えなくすることが重要です。オープンリストとクローズリストの概念は是非持つべきと思います。

■ワークフロー毎の実施内容

概念的な話はこの辺にして、具体的に実施するタイミング毎に何をやっているかをみていきましょう。

私の場合、大きな流れは7つの習慣とGTDをベースにしていますので、大きくは、

  • 目標策定
  • 週間計画
  • 日次計画(Daily Task List作成)
  • 遂行
  • 日次レビュー
  • 週次レビュー

という流れになります。

週間計画は、主に手帳上で実施します。1週間の目標の書き出しと、時間の使い方をシミュレーションします。

日次計画では、手帳にその日の予定とタスクを書き出すことと、たすくま上に自動で取り込まれた予定やタスク、リピートタスクの並び順や見積もり時間を入力します。

仕事の予定がGoogleカレンダーに予め書き出せている場合はたすくまに自動取り込みされますが、間に合っていない場合はこのタイミングでとりあえずたすくまに手動で仕事の予定を加えます。

予定やタスクの実行の予実管理はたすくま側で行います。手帳は先述の通り、感情や思考、メモなどのキャプチャであったり、俯瞰的に「何をやらないといけないか」を見つめるために使用しています。

日次レビューでは、手帳に振り返りを追記したり、たすくま上にチェックリストとして書き出している、各種ライフログツールへの記録などを行います。

GoogleカレンダーやToodledoに追記すべき予定やタスクが有る場合は、このタイミングでこれらの最新化を図ります。

週次レビューは、手帳とたすくまに記録された内容を確認するほか、Googleカレンダー、Toodledo、Evernoteなどのツールを棚卸しします。

■最後に

今回は月イチテーマ「私の仕事道具と仕事術」ということで、セルフマネジメントに用いている「ほぼ日手帳カズン」、「Googleカレンダー」、「Toodledo」、「たすくま」と、その使い方を紹介しました。

来週、月イチテーマ「私の仕事道具と仕事術」の第2弾として「メモ/ノート/アウトプット」について紹介したいと思います。

今回紹介したツール

Taskuma — TaskChute for iPhone — 記録からはじめるタスク管理
カテゴリ: 仕事効率化, ライフスタイル
販売元: Sayaka Tomi


お知らせ

来週、1/21に佐々木正悟さんと第2回のライフハック@横浜を行います。少人数制で、参加者の課題にライフハックをジャスティファイさせようという主旨の会なので、ご興味が有る方は是非ご参加下さい。

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