「習慣化」のための自己サポート集 2、まずは「持続可能」そうな、「毎日継続」を目標とした習慣を

これまで習慣化に成功したことがない。
今まで意識して何かを習慣化させたことがない。
あるいは、「習慣化できていたのに、いろいろと最近途絶えがちだなぁ」ってなっている。
そんな人は、まずは簡単なことから習慣化にとりくんでみるのがおすすめです。
キーワードは、「持続可能」と「毎日継続」です。

持続可能

「毎日体重を計る」でも、立派な習慣です。それを必要としているのであれば、はじめに習慣化にとりくんでみることを「毎日体重を測る」にするのもいいかもしれません。
ただ、多少は時間がかかる行動のほうが、より継続している実感がわくため、はじめに取り組むものとしてより適しているかもしれません。
例えば「10分間本を読む」とか、「5分間ストレッチする」とか。5分~10分くらいで取り組めるようなもの。
もしそれが継続できなければ、習慣化することができなければ、体重計るとか時間のかからないもので再チャレンジしてみればいいか、くらいの気持ちで。
自分が習慣化させたい、と思う中で、比較的簡単そうで、あまり時間をかけずに(10分〜20分ていど)取り組めるようなことを、はじめにもってくるのがおすすめです。

なぜ軽めの習慣にするのかというと、「持続可能」なものでないと、たいていはどこかで破綻してしまうから。
習慣化するとなると、自分が決めた行動に、ずーっと長い期間取り組んでいくことになります。
来る日も来る日も、雨の日も風の日も、気分の乗らない日もやる気満々な日も、あさってもしあさっても、半年後も一年後も取り組むことが、すなわち習慣です。
やりはじめの「よし、やるぞー!」ってな具合にモチベーションが高いうちは、きっと多少無理してでも続けていくことができます。が、「よし、やるぞー!」ってなれないときは必ずきます。その時に継続が途絶えてしまいがち。
「よし、やるぞー!」に頼らずとも、行動できそうなこと。習慣化の最初のステップは、それくらいがちょうどいいです。もっと難しそうな、ハードルが高く感じる習慣は、はじめの軽めの習慣が根付いてから。きっとそのころには、習慣化に対して今より自信をつけているから。
「ちょっと物足りないなぁ」と思うくらい。それで充分です。
どうしても物足りなければ、その日は余分に取り組めばいいわけで。「10分間本を読む」を習慣化することに設定していても、別に30分読んでもいいですものね。
でも、物足りないからといって、すぐに習慣化のハードルを上げてしまうことはおすすめできません。どれだけ上回ってもいいから、とにかく日々「10分間本を読む」としておく。30分間に引き上げたりしない。
必ず「よし、やるぞー!」ってなれないときがくるから。

また、比較的やさしめの習慣であっても、「継続できている」ってのは習慣化をし始めたときには自分に良い影響を与えてくれます。モチベーションが上がり、ちょっといつもよりも頑張ることができたり。
持続可能に思えるよう、習慣を設定し、がんばらずとも、いや、ちょっとがんばればとりあえず毎日継続できるように。
軽いギアからはじめて、習慣化の歯車を回しはじめやすくしておきます。

設定するのは「白黒の目標」を

習慣化させたいことを比較的容易なことにしておくのは、「できた」か「できなかった」かの白黒をはっきりさせるためでもあります。
「10分間読書」を習慣化させようと思ったなら、10分間読めた日はマル、読めなければバツ。それ以外を設定しない。10分に満たなければ、バツ。「5分読んだからサンカク」などにしない。そのときはバツ。10分に満たなければバツです。
グレーの評価を作るべきではありません。グレーをつくってしまえば、いとも簡単に「グレーでもいいじゃないか」と思える理由を作り出し、グレーでもマルということに正当化してしまいます。グレーでもいい理由をこしらえることに、人はものすごく長けているからです。
マルかバツか、白か黒か。基準を明確にし、2つに1つと定めてしまっておきます。グレーをつくらない。甘えが入ってこれないよう、自分に言い訳ができないように。
もちろん、マルかバツかの「記録」をつけることを忘れないようにしてください。「継続できている」って感じることができます。
例えば、実行できた日には、カレンダーにマルをつける。あるいは、連続記録をカウントしていく、などなど。カレンダーにズラッとマルが並んでいると、とってもいい気分になります。継続できたら、単純にうれしいもの。「自分、できてるやん!」って気持ちになります。
「できたか、否か」を記録していくことは、自分のモチベーションにもつながってくれるわけです。できている感覚は、習慣化への自信にもつながってくれます。
そして、よりうれしい感じにさせてくれるのが、「毎日継続」できているとき。

毎日継続

いろんなことの習慣化に取り組んでいて気付いたのですが、「一週間に一回だけ」とか、「毎週月水金」とか、間隔をあけて習慣化させることは、毎日取り組むよりも実は難しいんです。
理由はおそらく、やる日とやらない日があるため。
やらない日があると、どうしても「明日やれば取り返せる」と思いがち。お得意の正当化ですね。一週間に一度のことだと、当初は月曜日にやろうと定めていても、火曜日になっちゃっても別に大差ないのであれば、「明日でもいいかな」という思いがいとも簡単に頭の中に入り込んできます。その考えをぬぐうのはなかなかに難しい。
「毎日継続」であれば、「やるか、やらないか」の二択です。白黒はっきりしています。「明日に延ばせばいいか」って考えが入り込む余地はありません。だって、一日でも逃してしまうと、「毎日継続」は途絶えてしまうわけですから。

加えて、「人は誰しも、なかなかに忙しい日々を過ごしている」もの。
例えば、習慣化したいことが、一週間に一回、20分ほどかかることであるとしましょう。となると、一週間に一度だけ、20分を確保しなければいけないことになります。こんな風に、一日だけ、時間を確保しなくちゃいけないって状況が、難易度が上がる原因となります。
週一回しかしなくていいのであれば、取り組もうと考えている曜日以外は、今まで通りの過ごし方でいいわけです。特別に、週に一度だけ変化を起こさなくちゃいけない。
対して、毎日確保するのであれば、否が応でもこれまでの過ごし方を見直さなければいけなくなります。何かしらの変化を起こさなくてはいけなくなる。でも、一週間に一度であれば、それ以外の日は別になんの変化も起こさなくていい。特定の日だけ、変えればいい。
他は今まで通りで、特定の曜日だけ変化を起こすのは、想像してみるとかなり難しく感じるのではないでしょうか。
週に一度の20分という時間であれ、時間が余分に必要な日と、必要ではない日があれば、忙しい私たちは、余分に必要ではない日を基準として過ごすことになります。
習慣にとりくむ日ではなく、とりくまない他の六日間が基準となれば、安易に「週に一日だけ少し無理すればいい」って方法に落ち着きます。「20分だけ寝るのが遅くなればいける」と。
それでは、いつか破綻しちゃう。「持続可能」って要件を満たすことができていないので。

というわけで、習慣化に取り組むのであれば。「毎日継続」を掲げたほうが長いこと続けていきやすいでしょう。
毎日継続としたほうが簡単で、なおかつカレンダーにずらっとマルを並べていくことができる。ズラッと並んだマルは、「できてるやん!」感を大きくしてくれて、眺めるだけでうれしくなれるから。
はじめは「持続可能」そうに、やさしめに感じていても、やっぱり毎日ちゃんと続けるのは難しいですもの。やさしく感じる習慣でも、毎日実行できれば、達成感は必ずあります。

既存の習慣と新習慣を抱き合わせる「アクション・トリガー」

「毎日継続」させることに決めたとき、習慣化にとても有効に働いてくれるのが、「アクション・トリガー」を定めること。
「アクション・トリガー(行動の引き金)」とは、「歯を磨いた後、体重を計る」や、「トイレに行った後、読書する」のように、あらかじめどのタイミングで取り組むのかを決め、計画を立てておくことのことを言います。
これがけっこう有効なんです。文字通り、行動の引き金になってくれます。
毎日の習慣は、誰にも必ず存在します。歯を磨くとか、朝ごはんを食べるとか。その中からひとつ選び、「毎日継続」させると決めた新習慣のアクション・トリガーに設定する。
「歯を磨いた後、体重を計ろう」とか、「トイレに行った後、読書しよう」という風に。
既存の毎日の習慣に、新習慣を抱き合わせることで、「毎日継続」の達成を引き寄せることができることと思います。

おわりに

習慣化をはじめるときのポイントとして、「持続可能」と「毎日継続」を挙げました。あわせて、「白黒の目標」や「アクション・トリガー」の考え方を利用すれば、きっと習慣化を後押ししてくれると思います。

「白黒の目標」や「アクション・トリガー」というのは、「スイッチ!」という本に書かれているもので、ぼくも実際に試してみてすごく効果が高いと感じたもの。
最近この本を再読したのですが、夢中になって読み切りました。で、習慣化に取り組むときに、ごく自然に頭に浮かぶ「アクション・トリガー」の考えは、「スイッチ!」から学んで実践したことだった、と思い出しました。
何年も前に出ている本ですが、とてもおもしろい。今のタイミングに読み返してよかったーと心から思います。
単純でわかりやすいけれどもとても効果的に、自分自身の行動やほかの人の行動を促すための方法が、「象と象使い」というわかりやすい比喩を用いて語られていきます。今後も何度か「習慣化」について書くときに、本書の内容を取り上げていく、かもしれません。

では、お読みいただきありがとうございました。

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