人前で話すときのヒント2「伝えることは、ただ一つ」

聞き手の集中力は、はかない。

ぼくは、そういう考えのもと、授業の内容をどう魅力あるものにするか、日々頭を悩ませています。

できるだけ集中力を持続させたいし、持続させることができれば、伝えたいことが伝わりやすくなるのではないか。

そんなふうに考えているからです。

多くのことを伝えきれるものなのか?

話が必要以上に長くなってしまうと、聞き手の集中力は著しく低下していきます。

要領の得ない話を聞かされているときもおなじように、集中力は無くなっていってしまうでしょう。

できるだけ手短に、かつ、わかりやすく話すことが求められる。

となると、多くのことを詰め込むことはできません。多くを詰め込みすぎると、どうしても話すのが長くなっちゃうから。

多くのことを伝えたいものですが、こちらの願いとは裏腹に、そんなに多くは伝わらないものです。

5つの伝えたいことがあったとしても、結果的にどれも効果的に聞き手に届かなかった、なんてことになりかねません。

それを防ぐためにも、伝えることは「ただひとつ」にしぼったほうがいい。

そう。今回は、伝える内容はぎゅーっと凝縮して、たったひとつにしぼってみよう!っていう提案です。

聞き手に変化を起こすために、最も伝わってほしいこと

講義やプレゼンなどの目的は何か。

それは、聞き手の中に変化を起こすことでしょう。

自分が伝える内容を理解してもらう。

自分の主張に納得してもらい、賛同を得る。

新たなスキルを身につけてもらう。

今挙げたどれもが、聞き手の中に変化を起こすことです。

変化を起こすというのは、想像以上に難しいもの。それを可能にするために、伝える内容はひとつにしぼり、「これを持って帰ってもらう」というのをひとつ定め、そこに力を集中していく。

それぐらいしなければ、伝えたいものは十分に伝わらず、聞き手の中に変化を起こすこともできません。

まずは、伝えたいことをひとつにしぼり、そこに力を注ぐこと。その、たったひとつの伝えたいことが伝わるように全体の構成を考え、提示すべきものを明らかにし、流れを練り、本番に臨む。

はじめの一歩として、「伝えることをひとつにしぼる」ってのは、重要なんじゃないかと感じます。

「ひとつにしぼる」が力を生み、話し手に余裕をもたせる

魅力的に話したい。聞くものを惹きつけたい。

人前に立ち、何かを伝える以上、そういう意識は大抵のひとが持つものと思います。

魅力的な語り口や、惹きつける話を展開しようと思うと、話し手には多少の余裕がなければただでさえ難しいものが、さらに難しくなってしまうでしょう。

ひとつにしぼることで、もちろん伝わりやすくなりますし、話し手の余裕にもつながります。

限られた時間内で、あれもこれも話さないと!っていう焦りから解放されるためです。

ちょっとした余裕が、まわりを見えるようにし、適切なタイミングで間をとったりすることができるようになるかもしれません。

ひとつにしぼっているがゆえに、「今日はこれだけを伝えればいいんだ」という心持ちでのぞむことができます。

ちょっとした余裕を生むってことにも、ひとつにしぼるのは良い方に働いてくれます。

いろんなシーンで「ひとつにしぼる」

「伝えることをひとつにしぼる」ってのは、あらゆる部分で有効な手立てだと思っています。

  • 伝える内容を、ひとつにしぼる。
  • 指示は、一回につきひとつのことを。
  • 新しいことを、何か一つ試してみる。

一回一回「ひとつのことを」と意識することが、伝えたいことを伝わりやすくし、無駄を省き、わかりやすさにつながる。

指示をひとつにしぼり、何をすれば良いのかを、これ以上ないほどに明確に提示する。

新しい試みをひとつ選び、内容に組み込むことで、その試みに意識を集中させることができ、実践しやすくなる。

そういうことの積み重ねが、話し手のスキルを徐々に上げていってくれるのだと思います。

おわりに

いろいろ伝えたいことがある中で、ひとつにしぼる。

伝えることをしぼるためには、聞き手に「何を持って帰って欲しいか?」に目を向け、考えることになります。

つまりは、聞き手のことを考えるということ。

何かを伝える時に、相手のことを十分に考えないままで、伝えたい何かはうまく伝わってはくれないでしょう。

聞き手に何を持って帰ってほしいのか。

ひとつにしぼる際にぜひとも考えてほしい問いかけです。

では、お読みいただきありがとうございました。

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