台風の進路予測の表現方法は、ビジネスの予測にも使える

秋になると毎年発生する台風。今回はこの台風の進路予測の表現方法から、ビジネスで人を動かすシグナルの使い方を紹介します。

ビッグデータというトレンドにもあるようにデータ分析処理能力の飛躍的な向上により、台風の進路の予測精度は高まってきています。そして台風の予想進路が「円」タイプで表現されるようになったのは1982年6月からです。昔は台風の進路を「扇型」の線で表現していました。

この台風の進路予測の表示について、現在のデータ分析精度の向上を考えれば、最も可能性が高い進路コースを1本だけ「線」で示すことも可能です。ではなぜ「円」タイプでの表現を継続するのでしょうか?

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(引用元:日本気象協会)

<1.「線」と「円」の表現の違い

もし台風の進路予測を1本の「線」だけで表示したら何が起きるかと言いますと、もちろんその進路予測の「線」と重なっているエリアの人々はしっかり警戒します。しかしその一方で「線」とは重なっていないエリアの住民は安心してしまいます。すなわち台風への準備を疎かにしてしまう懸念があります。

では台風の進路を「円」で表現するとどう変わるかと言いますと、円の面積を表示することで、ある程度広いエリアの住民に対して暴風などの危険を促すことができます。

<2.情報を受け取る相手の心理状態を想像する>

翻って現在のビジネスパーソンにとっても、この台風の進路予測の考え方はビジネスを上手く進める上で有効です。すなわち、自分が関わるビジネス予測を「線」タイプで表現するのが良いのか、「円」タイプで周囲の人々に知らせるのが良いのかを適切に選択するこで仕事の進め方は大きく変わってきます。

例えばビジネスの予測を表現する際に、将来のリスクが自分だけで十分に対応できる見込みであれば、「線」タイプで予測を表現する方が良いでしょう。将来の予測が正しくできていれば、周りからの横槍や報告業務の負荷を減らしつつ、自分の思い通りにビジネスを前に進めることができるからです。

一方で、将来のリスクが自分だけで対応できない可能性が高い場合、「円」タイプで表現した方が良い結果に繋がります。すなわち台風と同じで、ビジネスのリスクが顕在化する前に周囲に情報のインプットを促しておくことで、いざという時に適切な対策やバックアップを期待できるからです。

このように表現方法を使い分けるだけで、周囲の人々に行動を促すメッセージになります。

■オススメのトピック・書籍

ビッグデータ分析を取り扱う書籍ですが、データ分析のイメージが変わる一冊です。

「会社を変える分析の力」  河本 薫 (著)

データにより親近感が持てるようになることでしょう。

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