うまくいかないのなら回り道でもいい

新しいことを始める時は今までと違う環境に身を置くことになります。しかし、元の生活でも問題がないということを身体が知ってしまっているから、惰性で元の生活に戻りやすいです。

例えば運動を習慣化したいという時に、自分の決めた目標に対して抵抗なく始められる人もいるかもしれませんが、私は時間を確保して着替えて走りに行くのは面倒だと簡単に考えてしまうタイプです。そしてそのまま手つかずに…。

そんなことが繰り返されるうちに、「結果が一切なしになってしまうよりは、多少違う内容でもそのゴールに少しでも関係していることが続いている方がいいのでは」と考えるようになりました。

この一見意味がなさそうな習慣が元のゴールにつながった体験として、論文の執筆があります。論文の執筆では、研究の成果を英語で文章や図表にまとめて雑誌に投稿します。

日本語で文章をまとめるだけではなく、それを英語で書くということについて、英語が苦手な自分には大きな抵抗がありました。「論文を書く」というタスクを設定していましたが、毎日毎日先送りしていました。

まずいと思い、「執筆用のファイルを開いてみる」といったタスクを細切れにする方法を試しましたが効果はありませんでした。その先のことを考えると気が進まないのです。

そこで、「論文を書くことに直結はしていないけど、少しは関係があり、続けられそうなこと」として、同じ分野の論文の模写をすることにしました。これをやって自分の論文が書き上がることはありませんが、よく使われる単語や言い回しの勉強になるし、その分野の復習にもなります。

ノートにペンで書いていたため、5分で1段落程度の進みでしたが、その後やれそうだったら論文執筆をするという流れにしました。

模写だったら心理的抵抗がなくできるので、日々とりかかることができました。そして模写のみで終わる日もありましたが、次の論文執筆タスクに取りかかれる日が出てきたのです。

自分が生み出した文ではありませんが英文を書いていたからか、同じように自分のやったことを書けばいいと素直に思えるようになってきたのです。こうして論文の執筆が前に進み出しました。

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このようなことがあってから、何か達成したいこと、習慣化したいことがある時に、はじめは質や量よりも、継続できることが大事なのかなと思うようになりました。

その目標がらみのことについて、もともと親しみがない、続け慣れていないと、やめてしまう方が簡単です。そのような難しい状況なので、ゴールへの最短距離ではないけどそちらの方向を見ながら何かしら動いている方が、次の別の一手を打ちやすいです。

ゴールまで最短の完璧な計画を数回だけやってやめてしまったら、再び動き出す時の心理的抵抗が強くなります。最短ルートではないけど何かが続けられていること自体が、「もしかしたら自分でもできるかもしれない」と思わせてくれるのです。

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