崖っぷちを切り抜けるために僕がやったこと ー 後悔や不安、恐怖を克服する(共存する)ライフハック

こんにちは、BECKです。

アシタノレシピへの投稿は随分久しぶりになります。

「後悔や不安、恐怖を克服する(共存する)ライフハック」は2月の共通テーマなんですが、つい最近まで肉体的にも精神的にもギリッギリの崖っぷち状態だったので、今頃の更新になってしまいました。

ということで、えらく旬な話題です。

■何があったのか?

私とFacebookやTwitterでつながっていない人からすれば、冒頭の書き出しは意味不明だと思います。つながっている皆さんも、詳しいことはわからないけど「BECKヤバそう」みたいな印象を持たれていた事と思います。

2017年に入ってから3月中旬まで、仕事がかなりタイトな状況でした。が、しかし、毎日終電、徹夜・休出もあたりまえみたいな状況は、私のいるIT業界は珍しいことではありません。

詳しいことは書けないのですが、簡単に言えば「むちゃくちゃ想い入れの強い仕事で大きな失敗をした(負けてはいけない勝負に負けた)」わけでして、それはもう僕の中では驚天動地な出来事であったわけです。

勿論、負けないためにあらゆる手を尽くしてきました。私の過去12年間の社会人経験の中でも、これほどの情報戦を繰り広げ、これ程多くの手を繰り出したのは初めてです。

勝敗は兵家の常、という言葉があるぐらい、敗れるということそれ自体はビジネスの世界でも決して珍しいことではないわけですが、今回は兎に角想い入れが強すぎました

最前線で神経をすり減らしながら、何とかしようと我武者羅にもがき苦しむ内に、夜眠れなくなったり、夢でまで仕事のことで思い悩んで、通勤途上の電車で頭痛と吐き気にひたすら耐えたり、不安だったり悔しかったりで涙する場面も何度かありました。

今回は業務量もさることながら、精神面でもかなり追い込まれる形になり、期せず「不安や恐怖との向き合い方」を模索することになりました。ここで得た知見をシェアできればと想います。

■後悔や不安、恐怖と共存するライフハック

■オーディオブックや音楽から元気を貰う

オーディオブックや音楽などから力を貰うというのは、精神的に追い詰められる、まで行かない状態でもよく用いる手段です。

例えば、Apple Musicで「ストレス」と検索を掛けると色々とストレス解消系のヒーリングミュージックが引っかかります。これらを「ストレス解消」というプレイリストにまとめてヘビーローテーションしてみたり・・

自分が元気が出る曲ばかりを集めた「Power Songs!」を聴いたりすることもしばしばです。

今回一番良く聴いたオーディオブックが「道をひらく」。

ベタですが、今回たまたま自分がこういう状況になったのと同じタイミングでオーディオブック版がリリースされたので「これは運命か!?」と思い、手に取った次第です。

思い悩んだり、壁にぶち当たったりすることが、むしろ当たり前の事なんだなと気づかされ、だからこそ謙虚に真摯に取り組む姿勢が大切なんだよなぁと思い至らされます。

劇的な打開策が書かれているわけではないのですが、今の自分の状況を客観的に捉え、中長期のスパンで物事を考え、もっと根本的に自分はどうあるべきかを考えさせられます。

それから「成功者3000人の言葉」というオーディオブックも、この時期に何度も聴いていました。

特に”人間は愚かで弱い生き物である”という言葉がすごく印象的で、それまで「強くあらねばならない」と自分に言い聞かせていた私にとっては、一種のパラダイムシフトでもありました。

愚かで弱いという前提にたつからこそ、努力もするし、誘惑に負けないように自分を律する事も出来るんですよね。

聴くだけで心と体が安らぐ周波数「528Hz」CDブック」なんてのも試してみましたが、通勤電車の中でぼーっとこれを聴きながら考えを巡らせている内に、確かに不安や、それからくる頭痛などがましになっていたので、効果があるのかもしれません。

■自分は未熟で、弱い存在であることを前提にする

ライフハック、と言うにはやや「心構え」的なお話になってしまいますが、今回、自分にとって最も重要だと感じたことが「自分は未熟で、弱い存在であることを前提にする」という考え方を持つことです。

平時であれば、自分が未熟であるという前提に立つことで、予め準備もしっかり行えるし、色々シミュレーションもするので想定外が減ります。リカバリープランだって用意するでしょう。

強くあらねばならないと自分に言い聞かせていた私は、精神的にもろくも崩れ去った後、不安で何も手に付かなくなる自分にショックを受け、更に動揺していくという負のスパイラルに陥りました

その状態から復帰するために一番最初にやったことは「そういう状態の自分を受け入れる」ということでした。一旦、それが自分の限界だと受け入れて、そっからまた強くなればいいと、自分に言い聞かせました。

まぁ、そう言い聞かせたからといって、即座に気分が切り替えられたわけではないんですが、もしも「弱音を吐いてはいけない。強くあらねばならない。」と意地を張っていたら、きっとポッキリ行ってたなと。

私の中で、強さの定義が「強靱である」ことから「しなやかである」に変わった瞬間なのかもしれません。

■失敗や挫折を糧に頑張るのは後にする

よく、失敗や挫折は成長の糧になる・・って言葉を聞きますが、失敗や挫折の最中に無理矢理そんなポジティブに考える必要はありません

失敗すりゃ凹むし、後悔の念がグルグル頭の中を巡る方が普通なんです。事が収束して、時間の経過と共に自分が「これもひとつの経験」と割り切れる様になれば、自然と成長の糧になります

まずは失敗や挫折と自然な態度で向き合う。逃げたければ逃げれば良いし、なんとかしたければなんとかすればいい。泣いてもいいし、酒を飲んで忘れてもいい。弱音を吐いても、愚痴をこぼしても、人前で大泣きしてもいい。

まずは体勢を立て直すこと。

ポジティブに考える事がその妨げになるなら、「失敗を糧に」はとりあえず棚上げしちゃいましょう。反省なんてのはいつでもできるから、事が起こっているときは今その瞬間にしかできないことをやりましょう。

■不安を書き出し、行動まで落とし込んでみる

これも常套手段ですが、私は不安になれば手帳を開き、不安と原因、不安を解消する為に何をすべきかを手帳に書きだします。

でも実は、手帳にはすごく当たり前のことを書いています。

「xxの状況がよく分からなくなってしまって不安」→「●●さんに電話する」「xxの状況を課題表に起こす」みたいな至極当たり前のことがツラツラと書き連ねられます。

だいたい、不安というのはメガトン級のものが一発カマされると言うよりは、沢山の小さな不安が積もり積もって、複雑に絡み合って、優先順位なんかも分からなくなって・・ということが殆どです。

なので、当たり前のことでも、自分が不安に思っていることと、それを解消するための行動を書き出して、それを一つずつ実行可能なタスクリストに落とし込んで行くというのは、頭の中の混乱を解消して、次の行動へと一歩踏み出す手助けになるわけです。

■周囲に頼る、弱音を吐けることも強さだと知る

これが一番難しくって、でも一番効果があったことです。

キャパシティオーバーの状態で走り続けて、毎日吐き気と頭痛に耐えながら仕事をして、パフォーマンスの低下が自覚されだした頃、私はやっと上司に対して「精神的に辛い。パフォーマンスが出せず周りに迷惑を掛けていることが辛い」という話を切り出しました。(状況は上司も良く把握していましたが、強い人を演じていた自分の精神状況はずっと隠していました。)

最初は、たんたんと今の状況を説明して、「念のために産業医面談を受ける」という話をしようと思っていたのですが、二言三言話す内に、涙が止まらなくなってしまいました。

そこまででもない、と思っていた自分自身が驚いた事を記憶しています。

幸運な事に、私は低下する自分のパフォーマンスを補ってくれた同僚に恵まれ、精神面での私の負荷を下げようと尽力してくれた上司に恵まれていました。

周囲に助けを求めることも、弱音を吐いたり醜態をさらすことも、ある意味で強さだと思います。自分の限界や弱さを公言することはとてつもない勇気が必要ですが、自分にとっても、チームにとってもそれがプラスになることもある、ということは知っておいて損はないと思います。

「全部1人で背負わなくて良いよ、その為に組織で仕事をしているんだから」と上司に言って貰ったときに、ふっと憑きものがおちたように思いました。

■自分がこれで失ったものを書き出す

書き出す系でもう一つ効果があったのが、自分が失ったものを書き出す作業。

会社員が仕事で多少の失敗をしたって、まぁ精々が評価が得られない程度のことなわけです。後は、組織の業績には悪影響を与えてしまったので、査定は下がるかも知れません。

確かに今までやってきたことが多少なりとも無駄になったわけですが、その活動の中で得た知識と経験、創り上げて来たアウトプットは自分や自分の組織に残っていて、それらを武器にこれからも戦い続けられる訳です。

むしろ今回、相当な極限状態を戦い抜き、失敗からも多くの教訓を学び取ったことで、この分野に於ける自分と組織の戦闘力は著しく向上したように思います。

家族も自分も健康で、プライベートは超がつくぐらい幸せなわけです。むしろ、仕事が凄く辛い中で、家族と過ごす何気ない日常のありがたさに気づけたりしてね。

別に仕事だって成果がでなかっただけで、成果を出す能力は健在なわけです。社内外に築きあげてきた人脈も、そこで自分が得てきた信頼も揺らいでいない訳です。(逆にお客さんに励まされたり。。)

失ったものを書き出そうとすると、得られなかったものこそあれ、失ったものがごく僅かであることに気づけると思います。

■自分を安心させるおまじないを持つ

頭痛と吐き気に耐えながら通勤する最中で、何度となくやっていたおまじないがあります。

右手を握ってグーの形にして、胸をちょっと強めにトントンと2回叩いて、「大丈夫、大丈夫」と自分に小さく語りかけ、ふーっと大きく息を吐き出すという、ごく簡単なおまじないです。

こんなおまじないに効果があるのかって思われるかもしれませんし、恐らく他の人がこれをやっても効果はでないんじゃないかと思います。でも、私はこれで不安をいくぶんか和らげることができます。

理由はよくわかりませんが、恐らくは、社会人になってから、仕事やプライベートで不安になった時にはいつもこのおまじないをやっていて、それでちゃんと不安を乗り越えてこれた事を思い出すからじゃないかと思います。

よく不安になるって人は、何か一つ、おまじないを作ってみることをおすすめします。

■風呂にはいって、寝る

私の場合、不安が大きくなってくると睡眠の質と量が著しく低下します。

今回も幾度となく仕事をしている夢をみてはうなされて、睡眠時間そのものも全体的に短くなっていたように思います。(それでも日中は緊張が高く、全く眠たくはなかったのですが)

こういうことはままあることなので、気持ちを切り替えたいときにはとりあえずお風呂に入るようにしています。「お風呂は命の洗濯」というエヴァの葛城ミサトの言葉に何度救われたかわかりません。

風呂にはいって、リフレッシュしたら、兎に角寝るに限ります。眠たくなくても、横になって目をつぶる。緊張が続くと眠気を感じなくなりますが、こういう状態の時は慢性的な睡眠不足に陥っているので、目をつぶっている内に自然と眠りに落ちることができます。

■インプットをやめて回復に専念する

最後に、本当にニッチもサッチもいかなくなったときに、僕がやった奥の手が「一切のインプットをやめる」という事でした。仕事は休めないので、仕事以外の時間は完全に「回復モード」に専念していました。

通勤途中はオーディオブックも読書もやめて、ひたすら「ヒーリングミュージック」みたいなのを聴いて、ただ目を閉じているか、頭の中にあるモヤモヤを書き出していました。

厳密に言えば、ずっと不安がつきまとっている最中に本を読んでいると、ポロポロと文字がこぼれ落ちる感覚に襲われたので、本を読むのをやめてしまったというのが発端でした。

ただでさえ色々考えすぎてしまっていて、頭の中がグチャグチャになっていたのに、そこに新しい情報を入れようとするのはどだい無理ということなのかもしれません。きっと、頭のデフラグが必要だったのだと思います。

■最後に

長文かつ散文的になってしまいましたが、つい最近まで自分が不安や恐怖とどうやって向き合っていたかをまとめてみました。何か一つでも、役に立ちそうな方法があったなら幸甚です。

もっと色々書きたい事も、思っていることもあるのですが、どうにも上手くまとめきれません。また考えが整理でき次第、アシタノレシピかHacks for Creative Life!のどちらかに投稿したいと思います。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で