秋の夜長におすすめしたい「知的生活」のための5冊

こんにちは。「知的生活ネットワーク」Lyustyleです。

今回は、子育てレシピを一休みし、9月の共通テーマの「秋の夜長におすすめしたい5冊」にのっかってみようと思います。月を越してしまいましたが,そこはご容赦を。

この企画は、アシタノレシピの執筆者がそれぞれの視点で自分に影響を与えた5冊を選ぶものです。私の場合は、「知的生活ネットワーク」をやっていますから,もちろん「知的生活」の視点から私自身が大きな影響を与えてもらった5冊を紹介します。

知的生活をおくるためにおすすめしたい5冊

「知的生活の方法」 渡部昇一

まさに「知的生活」入門の書です。

私は、この本を26歳の時に読み、その後の自分の人生の歩み方が決まりました。

勉強や仕事など、「何かのため」ではない、純粋な知的関心によって書を読む時間を、どんなに忙しい時であっても持ち続けたい。

一生かけて自分にとっての「良書」を少しずつ集め、書斎に自分のライブラリーをつくりたい。

不断に適度に、たんたんと積み重ねた知的な作業により、いつか何らかの知的生産を行いたい。

そのような人生上の指針を得た本です。

仕事の上での成功をきちんと達成しつつある自分があり,一日の終わりに仕事とは関係なく内省的に静かに書を読むという自分もちゃんといる。

そのような生活を続けていきたいものだと思うきかっけをいただいた,私にとってのバイブルです。

もう何度読み返したかわかりません。

「知的生活」 ハマトン

渡部昇一氏の「知的生活の方法」のもとになった本です。

かなり分厚い本で,講談社学術文庫版で560ページもあります。

しかし,内容は「働きすぎの若い作家へ」とか,「時間が足りないと嘆いている暇な人へ」「処女作を執筆中の若い作家へ」「商売繁盛している精力的な綿紡績業者へ」など,71ものケースについて,手紙を出すという形式で書かれているので,どこから読み始めても,どの部分を読んでもいいようになっています。

それぞれは大した分量ではないので,英国の紳士が知的生活というものをどのように考えていたのか,ということを知るには最適な本だと思います。

読み始めてもう何年もたっていますが,私もあちらを読んだりこちらを読んだりしていて,全部読んだのかどうか自分でもわからないくらいです。

でも,ページを開くたびに新たな発見があり,読んでいてとても楽しい本です。

「自助論」 サミュエル・スマイルズ

これは明治時代にベストセラーになった中村正直の「西国立志伝」のもとになった本です。

当時100万部以上売り上げ,福沢諭吉の「学問ノススメ」と並ぶ大ベストセラーになりました。

明治から昭和を作った日本の恩人達が、若い頃むさぼり読んで奮い立った本です。

何百人もの成功にまつわる話がこれでもかとばかり次から次へと出てきますので,ものすごい分量の本ですが,知的生き方文庫から出ている竹内均訳の「自助論」はかなり分量を削ってあり,とても読みやすいのでおすすめです。

ハマトンの「知的生活」と同じく,どこから読んでも心を震わせることができます。

「若い大工が,ある日,街の治安判事補の椅子の修理を頼まれたとき,ことさら熱心に丁寧に修理をしているので周りの人が理由を尋ねたところ,将来自分が座る時のために座り心地よくしているんです,と答え,その大工は実際に治安判事補になってその椅子に座りました」というような話がごろごろしているんです。

「よおおおおし!!!俺もおおおおおおお!」という気持ちに,明治初期の若い書生たちは自分を奮い立たせたのでしょう。

そしてその通りになりました。

自分のブログからの引用で恐縮ですが,自助論について次のように書いています。

これから打って出ようとする若い人には是非読んでほしい本です。

打って出ようとする気力も気概もなければ、そういう人にこそ読んでほしいです。

「 働いたら負けかな」などという人は、是非

私がよって立つ10冊の本 | 知的生活ネットワーク
西国立志編といえば、歴史を習った人は「 ああ!」と膝を打つのではないかと思います。 明治から昭和を作った日本の恩人達が、若い頃むさぼり読んで奮い立った本です。 これから打って出ようとする若い人には是非 …

「遅読のすすめ」 山村修

速読術が大流行だった時期があります。

速読こそ善というような風潮の中で、「一月に何十冊読んだ」「一年に何百冊読んだ」というような記事がブログにも多く出ていました。

そんな私もたくさん本を読むために必死になっていました。

でも,私には本を読んでいると何だか知らないが焦っているときがあります。呼吸が乱れ,心臓がどきどきすることがあるのです。

そしてそのような状態に陥った時点から,読んだものがくっきりとした形となって頭にはいってこなくなります。そういう時には,本をいったん置くことにしています。

とても速読どころではありません。

そういう状態ではない時,つまり快適に読書をしているとき,私の目の働き,理解の働きがきっとそろっているのであり,呼吸も心拍もうまくはたらきあっているのだと思います。。

の本には以上のことがよく説明してあるのです。

これも私のブログの記事からの引用で恐縮ですが・・・・。

【感想】「遅読のすすめ」 山村修 | 知的生活ネットワーク
普通なら1ページ1秒ほどで速読できる自己啓発本を読んでいるとき,急に頭に入ってこなくなったら,じっくりと腰を据えて遅読すればいい。きっとそこには,知識のあらたな地平が広がっているのかもしれない。 …
遅読でいいんだ。

速読ができるときは速読したらいいんだ。

そういうことを考えされてくれる本でした。

「聖書」

私はキリスト教信者ではありません。また聖書も始めから終わりまで読んだことはありません。

それなのになぜ人におすすめするのかでしょうか。

それは、ヘルマン・ヘッセの書いた「ヘッセの読書術」の中に、次のような文章があるからです。

「聖書しか持たず、その内容をよく知っている多くの農婦が、いわゆる贅沢に慣れた金持ちが自分の高価な蔵書で一度でも得ることができるよりも、はるかに多くの意味を聖書から読み取り、多くの知識となぐさめと喜びを汲み取ったものであった。48」

私はこの文章に打たれました。

「読書百遍意自ずから通ず」という言葉がありますが、私は長いこと,自分にとって何度も何度も繰り返し読む本、すなわち茂木健一郎さんの言葉を借りれば「カノン」と呼べるような本を一冊持っていれば、それは百冊の本を読むのと同じくらいの知的価値があるのではないかと思っていました。

そういう私の心を一発で射貫いたのがヘッセのこの文章だったのです。

どんな本でも、自分が何度も読み返したい本を選べばいいと思います。

でも,せっかくなら2000年にわたって何億という人に読み継がれてきた「一書」、聖書を,「わたしのカノン」にしてみるのもいいな、そしてそこからたくさんの知識となぐさめと喜びをくみ取れたらいいなと思いました。

そこで、あなたもいっしょにどうですか?というつもりでおすすめしました。

reading

まとめ

以上です。

結構時間をかけて絞り込みました。おすすめしたい知的生活に関する本はたくさんあります。

「続 知的生活の方法」

「発想法」

「二宮翁夜話」

「寺田寅彦」など・・・

ブログの方でも書いてみたくなりました。

お知らせ

さて,「知的生活」を希求する中で,「知的生産」にも長いこと興味を持っていました。

若いころ,「知的生活の方法」を読んで,いつの日か自分も本を・・・と思い続けてきましたが,先日,KDPより出版することができましたのでご紹介します。

90年代初頭,日本人学校に派遣されていた時の海外生活の経験にからませて,メモ・手帳に関することや,当時のIT事情等について書きました。

志してほぼ4年かかりました。

今後も知的生活を楽しみながら,執筆していくことにしています。

苦しいけれども楽しいものです。

それではまた2週間後にお会いしましょう。

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