課題を解決するための本との出会い方

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こんにちは、ベック(beck1240)です。

新しい年度がはじまって1ヶ月ほど経ちました。皆さんも仕事に、プライベートに、様々な変化があったことと思います。

私も社会人になって10年を越えましたが、新入社員のころだけでなく、新しい業務内容、新しいプロジェクト、新しい職場、そして新しい言語での仕事など・・大小様々な変化を経験してきました。

こういった変化に対して、当初は「不安」を感じるものですが、1ヶ月も経ってくると段々と「課題」が浮き彫りになり、そちらへと意識が向かいだす頃かと思います。

「よし、GW中に本を沢山読むぞ!」

なんてことは、私も数え切れないぐらい心に誓ってきたわけですが、今にして思えばこの頃に「課題」に対するヒントを探すために「読書」という方法を選択してきたのだろうと思います。

今回は「課題を解決するための本との出会い方」ということで、自分が必要としている本との出会い方をいくつか紹介したいと思います。

■人は何故本を読むのか?

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■本を読む人は全人口の55%と推計

文化庁の『平成 25 年度「国語に関する世論調査」』によると、平成25年度の調査では、月に1冊以上の本を読む人は、全人口の55%程度の推計となっています。

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(平成 25 年度「国語に関する世論調査」より抜粋)

これを多いとみるか、少ないとみるかは色々な解釈がありますが、「もっと本を読みたい」と思っている人が全体の66%以上を占めることを考えると、読書に対してポジティブに捉えている人が多いのだろうなと思います。

更に読書目的が「新しい知識や情報の獲得」が6割越え、感性や語彙、創造力の獲得がそれぞれ3割越えで、その後に読書そのものを楽しむという回答が続きます。

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(平成 25 年度「国語に関する世論調査」より抜粋)

これでもって、読書の目的を「情報収集・能力開発」と「娯楽」で括ってしまうのは少し乱暴な気がしますが、大凡そういう傾向があることは見て取れると思います。

■課題を解決するための読書

ちょっと立ち止まって考えてみたいのですが、何故僕らは「新しい知識」や「新しい情報」をほしがるのでしょうか?何故「語彙力」や「想像力」の獲得を望むのでしょうか?

知的好奇心という側面は否定しきれませんが、多くの場合は「必要と感じているから」、則ち「課題意識を持っているから」です。

何を当たり前の事を、と思われるかも知れませんが、存外にこのことが見落とされがちです。いわゆる意識高い系(と言う言葉は僕は嫌いですが)な感じの世界では、本を読んでいる自分に満足したり、冊数をこなすことが目的化されてしまったりするわけです。

まぁ、それすらも「読書を楽しんでいる」という点に於いては、決して否定されるべきことではないと思います。ただ、目的なき読書の結果、「本なんて幾ら読んでも無駄」なんて結論に至るのは、あまりにも悲しいですよね。

■課題解決の為には本の高尚さは関係ない

年間の新刊発売点数が8万を越える現代では「自分が本当に必要としている本」と出会うのは簡単なことではありません。

難解な本もあれば、読みやすい本もあります。書かれている内容が高度で先進的なものもあれば、どこかで聞いたことがある焼き直し感満載の本もあります。

あなたが抱えている「課題」、そのジャンルに関する「前提知識」、スキルとしての「本を読む力」次第で選ぶべき本は変わりますので、一概に他の人が薦めている本や売れ筋の本があなたにフィットするとは限りません。

「この本はxxの焼き直しなので読む価値が無い」という書評、レビューの類はよく目にします。しかし、あなたとレビューワーの置かれている状況が余程近似していないかぎり、「読む価値が無い」のはそのレビューワーにとってであって、あなたにとっては価値があるかも知れない。

同様に「中身の薄っぺらい」や「底の浅い焼き直し本」みたいな評価に関しても、そもそも焼き直し元の本を読んだことがあるレビューワーにとって「焼き直し本」なだけですし、焼き直し元があなたにとって難しすぎる場合、内容が平易に書かれている焼き直し本は優れた入門書となる場合もあります。

あなたが手に取るべき本は、誰かが「良い本」と評価を下した本ではなく、あなたがその本を読んで理解して、実際に課題を解決するアクションを起こせる本なのです。

■課題を解決してくれる本を見つけるヒント

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■本と出会うためにまずは「ググってみる」

コレは別に本を探すときに限らない話ですが、入り口を見つける最良の手段の一つは「検索を掛けてみる」ことです。

実際の所、大概の悩みは既に誰か他の人が同じような事で悩んでいたりするので、そういった人達がどういうアプローチを取ったかは大いに参考にすべきです。

また、本の方から「こんな課題をかいけつできますぜ」といったメッセージを発している場合もあります。ランディングページが用意されている本もあれば、Amazonの書籍情報が引っかかる場合もあるでしょう。

注意が必要なのは、所謂書評系のブログの場合は出版社や著者から献本を受けて記事を書いている場合もあれば、本を売るために煽ったり盛ったりすることもあったりします。(僕もちょくちょく御献本頂くので、そういう本は『献本頂いた』旨記載して書評にします)

また、書評なので客観的な本としての出来を評価する傾向にあったり、内容を分かりやすく紹介する、或いはレビューワーの知識と経験と結びつけて深い洞察を述べたりする場合が多いものです。課題意識がない状態で本を読んでも「引っかからない」のは当然なので、書評というのは一種の読み物であると考えましょう。

■ピンポイントで課題が分からない時はガイド本を買う

例えば旅行に行くとき、全く下調べを行わないことの方が珍しいと思います。真っ先に買うのは地図付のガイドブックといった所でしょうか。

海外のはじめて行く場所あれば、地図で行き先の位置関係を把握し、交通手段、現地でのチップの慣習、電源コネクタの形状、言葉、買い物の仕方、いざという時の連絡手段等々、入念に調べると思います。

どんな場合でも、初めてというのはそれなりに「不安」もあるわけで、準備をするにしても「何から手を着けて良いか分からない」「何が分からないか分からない」という状況にも陥りがちです。

課題解決の為の読書も、実の所「何が問題か分からない」という状況からスタートする場合は決して珍しくありません。例えば、「もっと戦略的に物事を運べるようになりたい」みたいなばくっとした悩みからスタートする場合などです。

課題がぼやっとしているときには、ガイド本や概論系の本で全体像を把握してから、課題を掘り下げていくというアプローチが有効です。

いくつか例を挙げると、経営戦略論であれば「経営戦略全史」みたいな本で全体を押さえてから、紹介されている”原著”にあたるのに適しています。

古典的名著で基礎を固めたい場合なんかは「座右の古典」が書評を読むだけで各書のポイントまでつかめてしまいます。

色んなジャンルを幅広く知りたい場合は「仕事・人生が変わるすごい!本370冊」あたりは読みやすくて良いかもしれません。

物事の見方やつなぎ合わせ方を知るという意味で「ぼくらの頭脳の鍛え方」も非常に面白いのですが、課題解決というよりは教養・素養を着けるための本が紹介されています。

■書店で何冊か立ち読みして、取り敢えず1冊打診買い

Amazonの書籍紹介を見て本の中身をうかがい知るのは中々難しいのが現実です。

一部の書籍は中身をチラ見できるのですが、本屋で並んでる本をいくつか手にとってパラパラ流し読みをするのと比べると、どうしても内容を把握する効率が悪くなってしまいます。

百聞は一見に如かず、と言う言葉もあるとおりで、気になる本の購入を迷うような場合や複数の内から一冊を選ぼうとしている場合など、Amazonの前でうんうん唸っているよりも、本屋に行って実際に中身を見て見る方が良いでしょう。

本屋に行って、類書を含めてパラパラ眺めながら、取り敢えず一冊を打診買いしてみる。掘り下げたいなら、打診買いした一冊で紹介されている参考書籍を買ってみたり、或いはもう少し色んな視点から理解したい場合は類書を買ってみると良いでしょう。

■類書をいくつかまとめ読みする

これは割とリッチな方法ではありますが、類書の中から一冊を選ぶのでは無く、得て類書を3,4冊まとめて読んでしまうと言う方法も有効です。

色んな人の視点や解釈を知ることができるので、単一の著者の偏った見方に引っ張られることを防げたり、情報の不足を補い合ったり、複数の本で何度も登場する事柄を「重要」と認識できたりもします。

■専門書は専門家に聞くのが一番

ここまでは一般的な知識やスキル・専門知識の両方で使える方法だったのですが、こと専門書に関しては、専門家に聞くのが最も効率的です。

会社の先輩や上司で「この人の専門知識は凄いな」と思う人がいれば、勇気を出して「お奨めの本ありませんか?」と聞いてみましょう。

現場たたき上げの経験偏重な人も珍しくはないのですが、多くの場合高度な専門知識を持っている人は、知識を得るために本や、或いはそれ以外の情報ソース、教材を持っています。そして、自ら「学びたい」という意欲を見せられて、イヤな顔をする人はまずいません。

■最後に

今回は「課題を解決するための本との出会い方」ということで、人が本を読む理由の考察と、本との出会い方のテクニックをいくつか紹介しました。

折角なのでGW中に、続編として「課題を解決するための本の読み方・付き合い方」を書いてみたいと思います。それではまた近日中に!

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