ディベートからレポートに生かしてみよう

ぱうぜセンセのコメントボックス
【前回のおさらい】ディベートで議論の立て方とツッコミの型を学んだ一同。でも、フローシートに書こうとしたところで時間切れ。翌週に改めて集まることになった。
「さて、フローシート、書いてみたかな?」
「いちおうできました。でも、これ…」

「ディベートでやったことってレポートとかにも使えるんですか?」

まあ慌てずに。まずは前回の復習も兼ねて、フローシートをみてみよう。


(前回までのお話はこちら)

その1:発想のために「ディベートモード」のスイッチを入れてみよう
その2:ディベートの手順をおさらい!フローシートも書いてみよう
その3:ディベートの型で議論の立て方とツッコミどころを探してみよう

フローシートをみてみよう

「たくさん議論したんですけど、こないだ出てきた部分に限ってまとめてみました」

どれどれ…

フローシート(ぱうコメ)2

ん、これだと、はじめて見る人にはよくわからないかもしれないな。

「あ、公平を期すために、ジャッジをかすみさんにお願いしました」

「ハイ、フローシートについては前にぱうぜセンセに聞いたことがあったので、私が書きました。説明してもいいですか?」

それじゃ、お願いしちゃおうかな。

「ジャッジは最後に判断しなければいけないので、以下、わたしなりに理解した流れを説明しますね」

ジャッジからみた流れ

フローシートを横に見ていけば、どういう議論が生き残っているのかわかります
「まずは、賛成側立論ですが、重大性をグローバル化としていました」

ふんふん。

「しかし、反対側からは英語ではなくてもいいのでは、という反論が。それに対しては賛成側は英語が必須なのは現状明らかだと言いましたが、反対側は中国語かもよ、と食い下がりまして」

ああ、フローシートにもその流れが見えてくるね。

「見直せばいいっていうんですけど、そうなるとグローバル化自体は確かに重要なままなのかな、と思いました」

ええと、全部聞いてるとちょっと時間が無いから、反対側立論についても聞かせてくださいな。

「はい、財政悪化というロジックだったんですが、賛成側は、すべてが国負担ではない、といいました。しかし、そうすると保護者の負担なの?ということになりまして、そうなるとお金が掛かりすぎるから少子化が進行するんじゃ、という反対側が頑張りましたね。賛成側は経済成長でウンヌンといいましたけど、これはあまり信用がおけないなあと思いました」

こうやって、ひとつひとつの点について、どっちのいうことに説得力があるかを考えていくんだね。

「今回は、3歳からはじめることの意味がうまく説得できていないこと、財政悪化が深刻そうで避けられなさそうなので、反対側の勝ちとしました」

かすみさん、おつかれさまでした。

ディベートをしてみると見えてくるもの

「やってみて、どうだった?」

「うーん、思いつきで反論はしてみるけど、こうやってみると反駁側の説得力がないっすね。エビデンスがあるよというのを示す☆印が、反駁になるほど少なくなってきちゃった」

証拠がどうしても薄くなってきちゃうんだ。ちゃんと準備して、主張を支える根拠をつける習慣が付くね。

「でも、なんとかひねり出して反論しようとするから、【母国語習得】、【移住】、【保護者負担】とか、当初あまり考えていなかったところまで議論が進みましたね」

「これ、プランを『5歳から』にしていたら、証拠との関連性もあったから、賛成側がもうちょっと善戦したんじゃないかなあ」

そうだね。議論の進み方にもよるけど、思ってもみなかった論点の発見や、より説得的な提示の仕方、そしてプランの改善策などが見つかるね。

レポートへの生かし方

「もしこれでレポートを書くとしたら、かすみ先輩ならどうしますか?」

さくらさんがうずうずしながら聞いてきた。

「ええと…ジャッジの立場から、双方を紹介してまとめるっていう感じですかね」

それも一つのやり方だね。

「でもなあ、悔しいなあ・・・どうしたら勝てたんだろ・・・」

賛成側だった映二くん、まだ気持ちが収まっていないようだ。

「仮に賛成側でレポートを書くならどうする?」

「確かに文哉先輩たちの反論はすごかったんで、その反論を取り入れた形で提言をより細かく丁寧にしていけばいいのかな、と」

「たとえば?」

「費用負担についてもっと明確にするとか、外国語は英語に限らないことにするとか、国語の重要性も考えたカリキュラムにするとか」

「今日出てこなかったメリットやデメリットもあるかもしれませんね」

「そうだね。仮にこの論題に賛成だというのは変わらないとしても、議論の提示の仕方や、提言内容を変えることでもっと説得的になるかもしれないね」

「ディベートをやったおかげで、考えなきゃいけないポイントが沢山見えてきて、それらに答える形でレポートを書けば良いんですね」

「うん、レポートの場合は、どちらか一方に賛成/反対、という立場にならなくてもいい。でも、一旦そういう人達になったつもりで考えてみて、もう一度整理すると、より深まったレポートになると思うよ」

発想するだけじゃだめで、レポートの形に整理することが必要になりますね」

こればっかりはやってみないとわからないから、一度やってみてね。

◇ぱうぜセンセのメモ◇

ディベートが終わりじゃなくて、その先にもつながることを説明できたかなあ。慣れてくると、人の話を聞いてても勝手にフローシートのような考え方をし始めるようになるんだけど、それはちょっとやりすぎかなあ。法学系だと似たような話として「ブロックダイアグラム」っていう考え方があるんだけど、さすがにそれはロースクールに行ってからでいいかな。

編集後記

ようやくディベート回に一区切りつきました。実際にディベートのフローシートを書いてみてからレポートを書いた学生がいまして、感想を聞いてみると、非常に新鮮だった模様です。試してみるという方がいましたら、フローシートはメリットもデメリットも複数書けるようにするのが普通ですから、もっと長くしたまで伸ばしてやってみることを勧めます。

ぜひ皆さん、「バーチャルコメントボックス」に質問をお寄せください。Twitterで @kfpause宛てにツイートしていただいても結構ですし、 #ashitano をつけて投稿していただければ適宜拾いますので、どしどしお寄せください。

ぱうぜ
2013年春から大学教員になった駆け出しの研究者。専門は行政法。
個人ブログとして対話をテーマとした「カフェパウゼをあなたと」を運営中。
コーヒー片手に語らいを!わたしと、みんなと、そしてあなた自身の過去・未来と。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で