ものづくりに学ぶタスク管理


お久しぶりです。TaskArtsのイド♂(@idomars)でございます。

わたしはものづくり、いわゆる製造業に携わっているのですが、ものづくりとタスク管理って似てるなぁと思ったので、今回はそんな話をしてみます。

二十世紀の三大管理技術

二十世紀の三大管理技術と呼ばれているものがあります。それは、IE(Industrial Engineering)、QC(Quality Control)、VE(Value Engineering)です。これらの管理技術は、今日の生産技術を支えてきたものです。

「誰のため?」「何のため?」から考えよう GE流・問題解決の技術「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ 横田尚哉 Kindle No. 1344/1858

IEは日本語で生産工学、QCは品質管理、VEは価値工学です。

引用元の本によると、生産工学は1900年頃に開発され、「動作」を管理対象とします。具体的には、製造現場の様々な動作を計測することにより、ムリ、ムダ、ムラを発見し、なくします。

品質管理は1920年代に開発され、「現象」を管理対象とします。具体的には、製品の統計分析により不良品をなくします。

価値工学は1947年に開発され、「機能」を管理対象とします。具体的には、製品の目的追求により、代替案を創造します。

三大管理技術のタスク管理との対応

これら三大管理技術をタスク管理に当てはめてみると、

タスクの作業時間を計測して、ムリ、ムダ、ムラを発見し、なくすタスク管理は生産工学に近いです。生産工学の対象は「動作」でしたが、生産工学に当たるタスク管理の対象は(タスクの)「実行」と言ったところでしょうか。

実行したタスクをレビューで振り返るのは、品質管理と言えます。タスクが実行できたとしても、その品質が伴わないのであれば、生産性を高く維持することはできないので、たゆまぬレビューが必要です。

そしてもう一歩踏み込み、タスク本来の目的を考え、タスク自体を別のタスクに変えてしまう行為は、価値工学に似ています。「何のため?」「誰のため?」を考えたタスク管理は、タスクそのものの価値を向上させるのです。

まとめ

ものづくりの三大管理技術は、生産工学→品質管理→価値工学の順に発展してきました。

タスク管理も実行すること→レビューすること→目的を考えることの順に発展していきます。

この順番で発展するからと言って、いきなり最終系である価値工学だけを導入しても失敗します。発展とは積み重ねであり、生産工学・品質管理があって初めて価値工学の真価を得られるからです。

まともな製造業で生産工学を導入していない工場がないように、タスク管理でも「実行」を対象としたタスク管理はすべてのベースとなり、まずはここから身に付ける必要があります。

テーラーが編み出した、製造業では100年前の技法である生産工学的考えが、現状では個人の仕事や生活にはほとんど導入されていません。まだそんな未開の状態にあるにも関わらず、生産性を議論している世間が、いささか滑稽に見えるのはわたしだけでしょうか?計測なくして、生産性の向上も何もあったもんじゃないでしょう。

閑話休題。

さて、そんな大事な「実行」をテーマとした北さん主催の東京ライフハック研究会が8/5(日)に開かれます。

「やりたくないことなら、やらなくていいんだよ」というありがたい教えが世の一部で出回っていますが、「技術により、やりたくないことだろうが何だろうが、やれるようになる」というのがタスク管理だとわたしは考えているので、このテーマは興味深いです。今年のライフハック研究会に参加して、清濁併せ飲める大人になりましょう。

ちなみにその2週間後の8/18(土)に、わたしが日本に一時帰国し、ひばち(@Evaccaneer)氏とTaskFreaks!!Drei!!という勉強会を行います。

こちらは自分のタスク管理の仕組みや現在の課題についてみんなで語り合うスタイルなので、特にコレと言ったテーマはございません。参加者からテーマが提示され、それについてみんなでわいわいガヤガヤ話す感じです。言い換えると、あなたが話したい、または他の人の話を聞きたいテーマを自分で選べます。

よろしかったらぜひ、8/18(土)にお目にかかりましょう。

Have a good task management!


▼三大管理技術の引用元です。価値に重点を置く手法は新鮮であり、自分のタスク管理を更に発展させたい方にオススメです。

photo credit: Automotive Rhythms 2019 BMW X4 Sports Activity Coupe: Elevated Athleticism via photopin (license)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で