家計簿より先に資産リスト作りをおすすめする理由

こんにちは!

ブログ「今、夢に生きる」のはぎたかし(@takashi_h7)です。

私の連載では、金融業界で仕事をしている30代一児のパパとして、「等身大のお金の話」をテーマにお送りしています。

前回のタイトルは「お金の不安を感じたら、まず『持っているもの』を確認しよう」。

お金の話は不安が先行しがちなので、まず「足りない」よりも先に「すでに持っているもの」を確認してみること。

具体的には、預貯金をはじめたとした金融資産の一覧を作ってみること、年金や健康保険に代表される社会保障について知識を持っておくことをおすすめしました。

今回は、その中でも「資産リスト作り」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

なぜ家計簿より資産一覧なのか?

通常、お金の話をするとき、真っ先に出てくるのは家計簿でしょう。

雑誌の節約特集なんかでも「家計診断」と題して、支出の見直し例がよく載っています。

一方、預貯金をはじめとした資産リストを作ってみようって話はあまり見かけません。

けれど、私は家計簿よりも資産リストのほうがずっと大事だと思っています。

その理由をまとめましょう。

家計簿はフロー、資産リストはストック

本題に入る前に、フローとストックという概念をお話しておく必要があります。

経済学では、フローは一定期間の増減、ストックはある一時点で切り取ったときの「持っている量」を指します。

簡単に言ってしまえば、ストックが「その時点で持っている財産」であり、フローが「日々のお金の出入り」です。

例えば、私が5/4にお財布を見たら中身は3,000円。

となると5/4時点で現金のストック3,000円。

そこから買い物をしたとします。

  • お菓子を買って(200円)
  • ボールペンを買って(100円)
  • Suicaをチャージ(1,000円)

そうすると1,300円お金が減る。

-1,300円、これがフロー。

次の日、お財布の中身(5/5時点でのストック)は1,700円となります。

もうお気づきですよね。

家計簿というのは、この「フロー」の部分を記録したものなんです。

そして、フロー(日々のお金の出入り)が積み重なって、結果的にストック(預貯金をはじめとした資産)が増えたり減ったりします。

フローの結果は必ずストックに現れる

ここで大事なのは、「フローの結果が必ずストックに現れる」ということ。

家計簿ってきっちり付けようと思ったら結構大変です(実際、私も細かくつけていません)

ただ、毎日の支出を細かく追いかけなくても、預貯金(ストック)が増えているのか減っているのかさえしっかり把握していれば、「このままで大丈夫」なのか「改善が必要」なのか分かります。

家計簿を細かく付けなくても、ストックが順調に積み上がっているのなら何も問題ありません。当面の心配はしなくていいので、将来の大きな支出に備えて少しずつ準備をしていけばいいでしょう。

逆に、「家計簿をつけているのに、預貯金は全然増えていない」となれば、報われない感じがしますよね。

「一生懸命勉強しているのに点数が伸びない」みたいな。

勉強なら、まず成績簿を見て、全科目のバランスを見ながら対策を考えます。

お金も一緒。まず成績簿を見ればいいんです。

ストック(資産リスト)こそが成績簿なので、それを数ヶ月見れば、家計簿を見直す必要があるか、どれくらいの見直しが必要か自然と分かってきます。

何より、この方法のいいところはほとんど挫折しないこと。資産リストは月に一度チェックすれば十分。家計簿を毎日作るのに比べたら断然ラクです。

それに、毎日支出とにらめっこするより、ストレスも少ない。

さらには、家計簿だと目の前の金額ばかりが気になって、「木を見て森を見ず」になってしまうことがあるんですが、それも防げます。

資産リストの作り方

網羅するなら銀行、証券、保険

というわけで、まずは資産リストを作ってみてください。

作り方は、私がまとめた記事があるのでご参考にどうぞ。

【参考】
【実例&テンプレートつき】金融資産を一覧にしてみよう!

私の場合には、毎月の月末の数字を、翌月の頭にExcelに記録しています。例えば、この記事を書いている5月頭のタイミングで、4月の月末の数字を記録したところです。

記録しているのは、次の3つ。

  • 銀行(口座の残高)
  • 証券(株・債権・投資信託の評価額など)
  • 保険(保険の解約返戻金など)

最初は銀行の残高だけでも十分

3つを記録するのが面倒であれば、まずは銀行の残高だけでも十分です。私も最初は銀行の残高だけから始めました。

【参考】
私を「お金が貯まる体質」に変えた月に一度だけの習慣

この記録を3ヶ月ほど続けてみてください。

記録が揃ったら、そのトータルが増えているのか減っているのか、どれくらい増減があるのか見てみましょう。

その結果、必要なら家計の見直しをスタートすればいいわけです。

資産リストを作ると、お金のアンテナが敏感になる

私はかなり面倒くさがりなので、最初、さっぱり家計簿を続けられなかったんです(今でも大雑把ですが)

そんな私を変えてくれたのは、この月に一度だけの資産チェックでした。

毎日の家計簿は面倒くさすぎて全然ダメだったんですが、月に一度のチェックなら続けることができました。

何ヶ月かやっているうちに、資産が増えているエクセルのシートを見るのが楽しくなってきて、もっと増やせないかなーと思うようになって。

そうしたら、ゲーム感覚でフローの見直し(家計の見直し)ができるようになりました。

月一で資産チェックを始めるだけで、お金に対するアンテナがずっと敏感になります。

お金といい関係を作るスタート点として、すごくおすすめの習慣です。

まとめ

  • フローの結果がストックに現れる
  • 家計簿は、フローを見える化したもの
  • 資産リストは、ストックを見える化したもの
  • 資産リストを作って数カ月分の増減を見れば、家計の改善が必要か、どのくらいの見直しが必要かはっきり分かる
  • 資産リストを作ることで、お金に対するアンテナが敏感になる

はぎの一言後記

ちょっと余談になりますが、会社でも仕組みは同じなんです。

会社の決算書類には、必ず損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)がありますよね。

初めてこの表を見たときには、意味不明すぎて「何が違うの…?」状態でしたが、何のことはない。

フローを分かるようにしているのが損益計算書、ストックを分かるようにしているのが貸借対照表です。

今回、お話した家計の話で置き換えれば、以下のようになります。

  • 損益計算書→一年間のお金の出入り(フロー)を示す→家計簿のイメージ
  • 貸借対照表→期末の時点で会社が持っている全財産(ストック)を示す→資産リストのイメージ

なので家計簿だけを見るのは、損益計算書だけを作って貸借対照表がない会社のようなもの。

やっぱりお金の流れを把握しようと思ったら、フローとストックの両方の視点が必要なんですよね。

というわけで、今回の「資産リスト作りのススメ」は以上です。

また二週間後にお会いしましょう!

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