読書のメリットと読書スタイルの模索 ー 自己育成計画 第2回

皆さんこんにちは!BECKです。
前回から始まりました「自分育成計画」シリーズ、

必要な知識とスキルを洗い出し、戦略的に実行する ー 自分育成計画 第1回

前回は必要な知識とスキルを戦略的に身に付けるために以下の3点を実行しようという内容でした。

  1. 自分に必要なスキルと知識を洗い出し
  2. それをいつまでに、どの程度のレベルで身に付けるかを考え
  3. どの様にすれば1と2を実現出来るかを考え、計画する
今回は具体的な学習方法として「読書」を取りあげたいと思います。

社会人の為の読書術

伝統的学習法「読書」のメリット

Books
Books / Moyan_Brenn

興味を持った事柄について詳しく知りたいとき、何か新しいことを始めようとするとき、あるスキルを身に付けたいと思ったとき、多くの人が書籍から知識を得ようとします。最近はネット上に様々な情報が公開されていて、そこから多くの情報を得ることもできますが、それでも書籍からの知識獲得は有効な選択肢でありつづけています。

よく言われる読書のメリットは次の3つです。

  • 書籍では膨大な情報が体系的に学ぶことができる
  • 書籍には著者が何年も掛けて身に付けた知識が1冊に詰まっている
  • 書籍ができあがるまでに多くの人が関わることで高品質が保たれる

私もこれまで書籍を何冊か書いていますが、これらのメリットは十分に的を射たものであると思います。

まずは出版社の企画会議を通すための企画書や目次案を作る段階で、伝えたい事の体系化は複数の人間の手によって為されていきます。一般的に企画に必要と言われるターゲットやコンセプト、ベネフィットといった事柄についても最初の段階で概ね合意が形成されることになります。一般的なビジネス書であれば10万字前後の文字数のキャパシティがあり、例えば2000文字であれば50セクション程度を組み合わせて情報を伝えることができます。50セクションもあれば、よほどテーマ設定が壮大で無い限りはそのテーマについて体系的な説明を行う事が可能です。

勿論、著者の知名度やキャッチーなタイトルだけで売ろうとする書籍があることも事実ですが、多くの場合専門知識や専門技能を持つ著者が自分自身の経験を元にベストな構成を考え、文章を書いています。ただし、よく見かける「読書は効率良く著者の追体験ができる」と言う記述は鵜呑みにしない方が良いでしょう。読書は知識の獲得手段であって、経験ではありません。本にある知識を身に付け、それを用いて行動を起こすことでしか追体験によるスキルの獲得は成し得ません。

また、一冊の本を完成させるまでには実に多くの人の手が掛けられています。例えば、執筆を進める際には、設定されたページ数(文字数)よりも多くの量を書いて、その中から取捨選択や無駄を削るなどの作業を行いながら編集と共に原稿をブラッシュアップしていきます。デザイナーさんが読みやすいレイアウトを構成して、著者の書いた分かりやすいとは言えない殴り書きの図もイラストレータさんがいいかんじに仕上げてくれます。著者一人で成し遂げる事が困難である、読みやすさ・見やすさ・わかりやすさをチームとして創り上げていくものなのです。

勿論、製作サイドの努力を読者が組む必要はありませんし、お金を取る以上結果が全てであるべきです。要するにこれは確率の問題で、こういった工程を経てつくられた書籍というメディアであれば、品質が保たれた膨大な情報を体系立てて効率良く学ぶことができる可能性が高い、ということを意味しています。

読書にはその他、教養が付くとか、話の引き出しができるとか、語彙力が増すといったメリットもあるのですが、今回はそもそもが「必要な知識・スキルを身に付けるため」という前提の元で書き進めているので詳しくは割愛させて頂きます。

読書スタイルもしくは学習スタイルを模索する

Reading on a Ferry
Reading on a Ferry / Alexandre Dulaunoy

速読と精読であったり、読書メモの取り方であったり、読書のやり方というのは千差万別です。同一テーマについて複数の本を読んだ方が複眼的に物事を捉えられて良いという場合も有れば、一冊の本に書かれていることを徹底的にマスターする方が良いという場合もあるでしょう。人それぞれ置かれている立場も違えば知識を必要としている目的もことなりますので、どの読書スタイルが一番良いかは一概には言えないところがあります。

まだ読書スタイルが固まっていないという方は、以下の観点で自分にあった読書スタイルを模索してみると良いでしょう。

  • 速読を使えばより多くの本を読めるが、訓練が必要
  • 読書メモを取る方が理解度は高くなるが、本を読む時間が削られる
  • 複数回本を読み直す方が理解はより高くなるが、本を読む時間が削られる
  • ひとつのテーマについて複数の書籍を読む方が複眼的に物事が捉えられるが時間が掛かる

私も完全に速読をマスタしているわけではありませんが、意識すればそれなりの速度で読み進めることができます。その経験から言えば、元から自分にとって難しい(知らないことが多く書いてある)本はゆっくり読んでも速読でも一度読んだだけではあまり理解に差は出ません。読むスピードを気にするよりも、何度も読み返しながら時には手元のメモなどで頭の整理を行いながら読むなどの方法で理解度を上げると良いでしょう。

繰り返しになりますが、目的によって読書スタイルは変わってくるため、メモや再読なんて気にせずにガンガン新しい本を読むのも正解ですし、時間は掛かっても良いから読書メモを残し、再読を行う事で一冊の本から出来る限りのことを学ぶのも正解です。例えば、多くの文献にざっと目を通しておいて、使えそうな箇所に簡易的に付箋を貼っておき、論文や資料などアウトプットを出す際に文献を効率的に再読しながら必要と思われる箇所を論拠として引用・参照するのも1つの読書スタイルです。

論文や資料を作成する機会がない人でも、ブログ記事等のアウトプットを理解度を高めることができます。書評記事を書くのでも良いのですが、その本に書かれている内容をただ紹介するだけよりは、本の内容から要素を取りだして(参照・引用して)そこから新たなコンテンツを生み出す方がより身につきます。

他者の読書スタイルを学ぶ

読書のための読書、というのもどこか滑稽な感じがしますが、色々な読書スタイルを知っておくことは決して悪いことではありません。何事も最初は他人のやり方を真似ることからはじまり、次第に自分のやり方へと昇華させていくものです。参考までに代表的な書籍をいくつか挙げておきますので、気になるものがあればそこから自分なりの読書スタイルを構築していくと良いでしょう。

速読の教科書的な本です。私は速読のセミナーなどに参加したことはないのですが、この本に書かれている訓練法を実践することでそこそこのスピードで本を読めるようになりました。他の速読本には最終的には著者の主催する速読セミナーに参加して訓練しなきゃだめみたいなことが書かれているのですが、この本にはそういった記述がないのも好印象(^^;

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レバレッジ・リーディングは典型的な多読法ですが、レバレッジメモと呼ばれる本のエッセンスが詰まった読書メモを作成して、それを用いて効率良く再読の効果を得ることを狙っています。多読と読書メモ・再読の両方の効果を同時に得ようという実に野心的な読書スタイルです。レバレッジ・メモの作り方や運用の仕方などは結構参考になります。

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実際に100円ノートを使わなくてもいいと思いますが、「探す」「買う」「読む」「活用する」という読書の一連のサイクルを如何に管理していくかという点は参考になると思います。色々な読書法が紹介されていますが引用と所感を交互に書き連ねる「ねぎま式読書ノート」は私の周囲でも取り入れている人が多いテクニックです。

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昨年のベストセラー書で比較的中に書かれている情報も新しく、具体的な読書法が満載でかなりお得感が高い本です。表紙の著者の顔が怖いですが、実に実践的な本ですので安心して手にとってください。

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沢山の本を読んだことに満足した自分の考えの浅はかさを粉々に打ち砕いてくれた一冊です。150年前に書かれた本とは言え、ただむさぼる様に書物を読みちらかす多読を痛烈に批判し、巷に溢れかえる一年で寿命が切れるような悪書では無く、永遠に読み継がれるような良書を熟読しなさいという言葉には、今にも通じる真理があるように思います。

最後に

今回は読書のメリットと読書スタイルの模索について取りあげました。
またもや概念的なお話が中心になってしまいましたので、次回は具体的な読書のテクニックを紹介したいと思います。

次回は「速読と読書メモ」について取りあげたいと思います。

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