24時間の行動を分単位で計画する事は可能か?

我想抓住時間...
我想抓住時間… / *嘟嘟嘟*

私の愛しいアップルパイへ

最近ふと気になったのですが、なんというか、いつも私があなたに一方的に話をしている様な気がするのです。

いつも私の話を聞いているばかりじゃ退屈でしょう。さぁ、どうかたまにはあなたの話を私にお聞かせ下さい。

(話を聞く)

なるほど、よく分かりました。それでは次は私が話す番ですね。

これからお話させて頂きたいのは、1日の計画のたて方についてです。「今日何をして過ごそうか?」という疑問は誰もが持つ悩みでしょう。特にあなたの様な“夢見るリアリスト”なら尚更です。

そこで、私が1日の計画をどの様にたてているのか、そこに至った経緯から核となる考え方まで、2回に渡って紹介していきます。

計画を緻密にする4つの変遷

これは自慢ですが、私は普通の方よりずっと少ない時間で、実に緻密で綿密で精密な1日の行動計画をたてています。

予定と実績

予定と実績

もちろん初めからそうだった訳ではありません。むしろこの様な状態になれたのはつい最近の事です。きっかけは、「今日何をして過ごそうか?」という疑問に対するちょっとした”視点の転換”を学んだからでした。

まずは全体の大きな流れを見て頂きましょう。私は今まで大きく4つのSTEPを踏んできました。それぞれのSTEPの概要は以前の連載の中で説明していますので、以下の記事をご参照下さい。

タスク管理を高度化する4つのSTEP

これから、私がいかにして”ドーナツの穴”から抜け出したのか。私がいかにして「今日何をして過ごそうか?」という疑問を解決したのか。そして、私がいかにして”夢見るリアリスト”であり続けられるのか、順を追って説明していきます。

発端となった問題

全ての発端となったのは、願望と行動のギャップでした。将来に対する漠然とした不安に足をとられ、霧か霞に包まれた様な感覚の中、足取りは徐々に重くなっていきました。そしていつしか足の動きは完全に停止します。

燃える様な願望とそれに連動しない行動。これにどれほど悩まされた事でしょうか。いや、生まれてからずっと悩み続けて来た様な気もします。きっとあなたも同じ悩みを抱えているでしょう?

その後、この悩みはついにアレを生みだします。そうです、エネルギーです。自分自身に対する圧倒的な”怒り”のエネルギーです。

この圧倒的な”怒り”のエネルギーの矛先は、当然自分自身の行動に向けられました。そして自然の流れとして、徹底的な行動管理の必要性に行き当ります。

それは一般的には”タスク管理”と呼ばれる分野と近いです。実際、私も”タスク管理”と表現する事がよくあります。しかし、私自身は”タスク管理”という用語には少し違和感を感じています。

なぜなら、私が管理したいのは一般的な意味での”タスク”だけでは無いからです。私が管理したいのは私自身の行動の全てです。あの燃えるような願望に沿って全ての行動をコントロールできる手法を心から欲したのです。“1日24時間全ての行動を”です。

「そんな事は馬鹿げてる、かたっ苦しい!」とお思いでしょうか?確かにこれは極端な例かも知れません。しかしベクトルは誰しもが持つ疑問と同じです。「今日何をして過ごそうか?」という疑問です。

最初に取り組んだこと

私が最初に取り組んだのはデヴィッド・アレン氏の提唱するGTDという手法でした。GTDは大変興味深い考えでしたし、今でもベースにはGTDの考え方が深く根付いています。

GTDによって、頭の中を全て書き出し、その中から行動をリスト化し、定期的にリストをメンテナンスする習慣を身につけました。これが上記に紹介した4つのSTEPの2つ目にあたります。

しかし、GTDだけではまだまだ不十分でした。私が知りたいのは、今どんなタスクがあるかでは無く「今日何をして過ごそうか?」なのですから。

あの燃える様な願望を前にしても決して怖気づく事の無い、綿密で緻密で精密な1日の計画です。私が心から欲したのは”働きながら夢を見る方法”だったのかも知れません。

段階的計画の頓挫

それから3つ目のSTEPに入ります。次に取り組んだのは、起きたらすぐに1日の行動計画を立てる事にする事でした。

理論は単純です。GTDを身に付けた私には純度の高いタスクリストがあります。ここにやらねばならぬ全ての行動が示されているのですから、この中からやるべき事を選出し、時間を割り当てていけば良いのです。

さらにGTDによって確立された週次レビューという習慣もあります。ですから、毎週土曜日に翌週取り組むべき行動を選出し、期限を決めます。さらに毎日朝、その中から当日取り組む行動だけを選出し、具体的な時間を割り当てていくのです。

その行動に取り組むべき時が近づくにつれ、”週 ⇒ 日 ⇒ 時”と段階的に計画をつめて行く事から、段階的計画と名づけました。

段階的計画法

段階的計画法

最初は順調に見えましたが、しかし結局この方法は途中で頓挫します。1日は長い、あまりに長いのです。無数にあるタスクの中から今日やる事を選択し、1日を計画するなど、人間の想像力では到底無理です。

様々な種類や特性を持ったタスクの1つ1つについて思いをめぐらし、1日の時間軸に落としていくには時間がかかり過ぎます。

もしこの方法で問題解決を図ろうとするならば、1日を複数の時間帯で分割し、複数のタイミングで計画をたてる事になるでしょう。

一日複数に分割

一日複数に分割

あなたの言いたい事はよくわかります。この方法はどうも気が乗らないでしょう。そうです、これでは計画にかける時間がさらに肥大化します。そしてもっと深刻なのは思考の質の低下です。

1日が進むにつれ、思考の質は確実に低下します。この方法では1日の終わりに近づけば近づくほど、計画の質が下がるか、もっと酷いときには計画すること自体を諦めてしまうでしょう。

そして私は途方に暮れます。24時間の全ての行動を計画する事など不可能なのか?と。

貴下の従順なる下僕 松崎より

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