自分にとって「本当に重要な事」を成し遂げるために「時間のポートフォリオ」を組み直すーアシタノ・ハックス第4回

こんにちは、BECKです!

新年が明けてから1週間が立ちましたが皆さま如何お過ごしでしょうか?
今年もアシタノレシピを宜しくお願い致します。

前回は「予定(スケジュール)」と「作業(タスク)」と「時間」の関係を以下の様にまとめました。

  • 「予定」や「作業」の管理を行う事で間接的に「時間」の管理を行う
  • 「予定」はいつやるか、どれぐらい時間が掛かるかが明確で、コミットメントを伴う場合は動かすことが難しい
  • 「作業」はいつやるか、どれぐらい時間が掛かるかが不明確で、「先送り」という形で移動しやすい

今回は「時間のポートフォリオ」という概念を用いて、自分にとって「本当に重要な事」を成し遂げるための方策を考えていきたいと思います。

本当に大切な事が最優先とは限らない

あなたにとって本当に重要な事は?

Important Message
Important Message / darcyadelaide

「あなたにとって本当に重要な事は何ですか?」と聞かれれば皆さんはなんと答えるでしょうか?

  • 愛する家族との時間
  • 友人と楽しく過ごす時間
  • 夢をかなえるための活動
  • あなたがこれと決めた仕事   などなど

決してどれかが正解という訳ではありません。人それぞれに置かれている状況も価値観も異なりますので違っていて当然なのです。そして、どれか一つに絞らなくてはいけないというものでもありません。家族との時間も大切にしつつ、仕事に一生懸命取り組めればこれほど素晴らしいことはありません。

しかし、残念なことに私たちが持っている「時間」というリソースは有限であり、「やるべきこと」や「やりたいこと」が一杯で既に時間が足らなくなっている場合はその中から「本当に重要なこと」を選び取る必要がでてきます

補足しておくと、「やりたいこと」が多い人に取って選び取る作業というのは実に困難を極めます

仕事で毎日遅くまで働いているけど、家族との時間も大事にして、ランニングもして、BLOGも書いて、友達と毎週スノーボードに行って、本も一杯読んで、英語の勉強もやりたい・・・効率良く全てを実行する道もあるかもしれませんが、多すぎる「やりたいこと」は実行しきれないものなのです。

「本当に重要なこと」を見つけるヒントはアシタノ執筆陣のとっとさんやtanakampさんも今後記事にしていってくれると思いますので、そちらもチェックしてみて下さい。

今すぐもやもやを無くしたい!夢が叶えたいと思っている人に贈る「価値観」というモノサシ
自分の「スキ」ってなんだ?〜HIDE AND SEEK!Round2

「緊急」を「重要」と勘違いしないために

かの有名な書籍『7つの習慣』で「時間管理マトリクス」という考え方が紹介されています。自分のスケジュールやタスクを「緊急」と「重要」の2軸で評価し、「重要」でない第3、第4の領域を減らして、「緊急」ではないが「重要」な第2の領域にフォーカスしようという考え方です。

長い目でみればやった方がいいと分かっている健康増進の為の運動や、将来仕事に役立つであろう資格や語学の勉強をついつい先送りしてしまうことはよくあることです。それが今日が締切の資料を作成するためであったなら仕方がないのですが、何となくTVを見ていてとか、参加しても全く意味がない会議の為に帰りが遅くなって、といった理由で先送りされてしまっているとしたら、そこに改善するポイントがあるという事です。

但し、私自身はよくビジネス書で書かれている様に一概にTVを見なければいいとか、会議をなくせば良いというわけではないと考えています。TVを見ること、ゲームをすること、漫画を読むことがが自分にとって至福の時間だという人にとっては、これはむしろ守るべき時間なのです。

私も毎週ワンピースをTVで見ますしコミックスも購入して読んでいます。学生の頃から何度も読み返しているスラムダンクは僕の人生をより実りのある物にしてくれた思っています。ゲームに関しても本当は信長の野望や三国志の最新作をやりたいのですが、今あれをやってしまうと生活が破綻しそうなので、iPhoneのゲームアプリをちょっとした空き時間にやる程度に止めています。

つまり、それが「重要」かどうかは一般論ではなくあくまで自分の「価値観」に従うべきであるということです。勿論、社会生活を営む上でそれが破綻するような時間の使い方はすべきではありませんが、自分の裁量が利く範囲に関して言えば、100%自分判断で時間の使い方を決めるべきなのです。

時間のポートフォリオを組み直そう!

時間のポートフォリオとは?

DESERT

さて、かなり前置きが長くなってしまいましたが本題の『「本当に重要な事」を実行するために「時間のポートフォリオ」を組み直す』に入って行きましょう。

ポートフォリオは元々芸術家や建築家が使っていた紙挟みのことを意味していたのですが、ある時から投資の世界ではリスクを分散しつつ収益を確保させる様な金融商品の組み合わせについてもポートフォリオと呼ぶようになりました。「時間のポートフォリオ」は後者の意味を踏襲し、自分が望みうる成果を得ることを目指した「時間の使い方の組み合わせ」を意味します。

「時間の使い方の組み合わせ」と書くと何だか簡単そうに見えますが、事はそう容易くはありません。ここまで繰り返し述べてきたとおり時間は目に見えず、直接管理もできない上、他人の都合に合わせる必要があったり、自分の見込み通りに進まないことも決して少なくないからです。

中長期の「時間」の可視化は難しい

Time Jumper
Time Jumper / h.koppdelaney

前回の記事にあった通り、「時間」を可視化するためには、予定と作業を一つのタイムラインに書き出す必要があるのですが、果たしてこの作業はどこまでの未来に適用できるでしょうか?

これは推測ですが、「予定」や「作業」が1ヶ月以上先まで”確定”している人はまずいないのではないかと思います。2週間程度先ぐらいであればほとんどぶれない形で確定している人もいるかもしれませんが、個人的な感触としては「時間の使い方」の見通しを立てるのは今(もしくは週頭)を起点に1週間という単位が良いと感じています。

システム開発の世界にいる方で優秀なプロマネの下についていれば数ヶ月先まで自分の”仕事上の”時間の使い方はある程度把握できるかも知れません。しかし、実際には日々の業務の中でトラブルが発生したり、割り込み作業が発生したり、逆にめちゃくちゃはかどったりといった要因で、必要となる時間にブレが発生することは多々あり得るのです。

「時間」は、未来になればなるほど見通しが立てづらく、かつブレやすいものなのです。

「時間のポートフォリオ」では週単位の時間の使い方を組み上げる

冒頭に述べた「本当に重要なやりたいこと」を実行するためには、それを実行する時間を確保する必要があります。もしも、今現在のあなたの時間のポートフォリオに「本当に重要なやりたいこと」を差し込む隙間がないのであれば、ポートフォリオを組み直す(つまり、今までやっていた何かを止める)必要があるのです。

例えば、新しく「xxなiPhoneアプリを作りたい」と思った時には、その時間を確保するために「TVを見る時間を削る」などの対応を取る必要があるわけです。前回も言ったことですが、この時間の不足を気合いや努力でどうにかしようと言うのは”根拠がない状態で本気や気合いで時間短縮が図れると考えるのは、殆ど見積もりの体を為していない絵空事”でしかありません。

しかしながら、多くの場合「本当に重要なやりたいこと」自体は単発の作業ではなく、もう少し粗い粒度(先の例でいえばiPhoneアプリを作りたいという粒度)になっているため、時間を見積もるにはいささか単位が大きすぎます。ざっくり100時間かかるという見積もりでは、日々の時間の使い方を見直すことなどできないのです。

こういった粗い単位のものは「目標」や「プロジェクト」として捉え、これを「作業」レベルに分解した上で、日々の時間の使い方を検討する必要があります。先述の通り、中長期で「時間」を見通すことは難しいため、「時間のポートフォリオ」についても、1週間の時間の使い方を組みあげたものであることが望ましいと言えます。

例えば、「マラソン大会に出る」という目標があれば、「月100km走る」→「週25km走る」→「平日3km、休日5km走る」とすれば、平日であれば15分〜20分、休日は30分程度の時間を押さえれば良いという見通しが立ちます。もしもこの時間が確保できないなら、日常的に行っている何かを20,30分程度やめる必要があるのです。

また、1週間毎に時間の見通しを立てるのであれば、「今週は忙しくて15kmしか走れなかったけど、再来週には落ち着くからその土日で10km走ろう」といった具合に軌道修正を掛けることもできるのです。(勿論、先送り先に時間的余裕があれば、ですが)

最後に

今回はもう少し時間管理に関して具体的なツールやテクニックを紹介しようと思っていたのですが、せっかくの年始ですので『「時間のポートフォリオ」という概念を用いて、自分にとって「本当に重要な事」を成し遂げる』というテーマでお送り致しました。

今回は

  • 「時間のポートフォリオ」は自分が望みうる成果を得ることを目指した「時間の使い方の組み合わせ」
  • 「時間のポートフォリオ」は週単位での時間の使い方を組み上げる
  • 「時間のポートフォリオ」に「本当に重要なやりたいこと」を差し込む隙間がないのであれば、今までやっていた何かを止める必要がある
といった内容でした。次回は手帳やToodledo、Googleカレンダーを使って実際に時間のポートフォリオを組みつつ、「手持ち時間」と「見積もり時間」の扱いについて紹介したいと思います。

参考図書
少しニュアンスはことなりますが、基本的な考え方は7つの習慣インスパイアです。

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