観点とモードを使い分け、即座に異質を創り出せ!ーアシタノ・コラボ術!vol.3

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こんにちは、ベック(@beck1240)です。 アシタノ・コラボ術第3回は、「観点とモードを使い分け、即座に異質を創り出せ!」です。

前回の「自らの質を究める。他人の質を見極める。ーアシタノ・コラボ術!vol.2」では究めるべき4つの質と、それを組み合わせてどうチームを組閣すべきかについてとりあげました。

究めるべき4つの質

  • 専門知識
  • 業務経験
  • スキル
  • 興味関心 

チーム組閣のポイント

  • 質の4分類で他者の質を測ってみる
    →本人の評価、あなたの評価、他のメンバーの評価を総合するとよい
    →エニアグラムや ストレングスファインダーを使うのも良い
  • 「苦手分野の補完」ではなく「得意分野の相乗効果」を考える
  • ただ優秀なメンバーを集めるのでは無く「完璧な補完関係」を満たすメンバーを揃える
  • 少数精鋭が望ましいが、能力がある人に全部任せるとボトルネックが発生する
    「比較優位」の考え方で最善の組み合わせを考える
  • メンバー間のパワーバランス(声の大きさ)の差をマネジメントで補えるメンバーにする
  • 感情的な対立は全てを超越するので、敬意を払えない者同士は組み合わせない

前回の内容は、時間が掛かったり、自分の力でどうしようもない部分が多かったのですが、今回はもう少し短期的に成果を出しやすい「観点とモード」について取りあげたいと思います。

シリーズ「アシタノ・コラボ術!」

  • 異質を創り出せばコラボレーションは生み出せる!
  • 自らの質を究める。他人の質を見極める
  • 観点とモードを使い分け、即座に異質を創り出せ!←イマココ
  • 会議のタイプが異なれば、目的も必要なテクニックも変わる
  • 残念なブレインストーミングを脱出する5つのヒント
  • ディスカッションを最大化する3つのテクニック
  • 意志決定系会議はプレゼンテーションが命
  • その情報共有、本当に会議でやる必要ありますか?
  • アイデア発想のコラボレーションケーススタディ
  • 空中戦の救世主!あなたも今日からビジュアライザー!
  • コラボレーションに効くクラウドサービス

モードと観点を使い分ける

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モードと観点

まず、「モード」という言葉の定義ですが、これは自分の中で予め用意しておく「仮想人格」です。例えば、夢見がちな自分、現実的な自分、すぐに腹を立てる自分、人に優しい自分・・などなど。

この「モード」を切り替えることで、思考や行動を意識的に切り替えることが出来るようになります。 

次に、「観点」の使い分けですが、これは考えたり、判断するときにどういう風にその物事を見るかということです「モード」に比べると「観点」は非常に具体的で、多くの場合「観点」を書き出した「観点表」を使用します。レビューやブレストなんかで、観点を用意すると非常にスムーズに事が運びます。

「観点」を予め書き出しておくことで、複数人で観点を手分けしたり、或いは確認作業時の網羅度チェックなどの数値化が可能となります。 

モードを使い分ける

モードの具体例として最も適当な人物がウォルト・ディズニーです。

ウォルト・ディズニーは夢想家/批評家/現実家の3つの人格を使い分けてバランス良く事業を行っていたと言われており

  • 夢想家モードで「アニメ」や「ディズニーランド」といった夢の世界のアイデアを描き出し
  • 現実家モードでそれがビジネスとして成立するように実現するプランを練り
  • 批評家モードでアイデアを徹底的に鍛え上げ、更にビジネスプランを良い物へと進化させた

モードを切り替えながら次々と「夢の世界」を「現実」の物へと変えていったのです。

モードの使い分けを行う為には、まず自分の中で明確に「仮想人格(モード)」を定義する必要があります。

まずはディズニーの様に「夢想家」「批評家」「現実家」の3つから入ると良いと思いますが、慣れてきたら色々とモードを増やしてみると良いでしょう。理的な自分、感性を重視する自分、何でも楽しめる自分、どんなことでも検証を加えないと気が済まない自分・・等々。

“夢を見ることができるなら、それは実現できるんだ。いつだって忘れないでほしい。何もかも全て一匹のねずみから始まったということを”–ウォルト・ディズニー

観点を使い分ける

 観点を使い分けるメリットは先に述べたとおり

  • 観点の分担ができる
  • 観点の網羅度が数値化できる

の2点ですが、漠然としていてイメージがつきづらいと思いますので、一例を挙げてみましょう

例えば、作成した文章を複数人でチェックする際に

  • ある人は「誤字脱字」を探す
  • ある人は「論理的矛盾点」を探す
  • ある人は「日本語の確からしさ」を確認する

この様に分担を分ければ、一度のウォークスルー(全体通し)で3つの異なる観点からチェックを行う事ができます。それぞれの人がどの様なチェックを行うかというと、

  • 「誤字脱字」
    → 文章の一字一句を追いかけながらしらみつぶしに誤りを探す
  • 「論理的矛盾点」
    → 文章の塊ごとにとらえて文意として解釈したり、要素分解してロジックがおかしくないかを確認する
  • 「日本語の確からしさ」
    → 日本語の用法が正しいかを辞書などと照らしながら確認。具体的な誤用の例がないと誤り検知が難しいので、誤用例集の様なナレッジをプロジェクトで用意することが望ましい。

ざっとこんな感じでしょうか。観点が変われば、資料への当たり方も変わります。

おまけ:モードとペルソナの違い

アシタノWSの実況ツイートで「モード」と「ペルソナ」についての言及があったので、補足しておきます。

Twitter 検索 ashitanows

「モード」は本記事でも述べた通り、色んな性格を持つ「内なる仮想人格」です。基本的には思考パターン、行動パターンなどのプリセットの様なモノだと考えて頂ければと思います。

「モード」の例は、今回出てきたような夢想家、批評家、現実家、楽天家、論理的、直感的・・などなど。「モード」を切り替えることで、ある出来事に対して、どの様に反応するかを明示的に切り替えることができます。

ペルソナ」は心理学用語で「自己の外的側面」という意味があり、語源が「仮面」であることから分かるように「外なる社会に相対する人格」、或いは自分が社会に対して責任を負っている「役割」と置き換えても良いでしょう。

「ペルソナ」を切り替えることはありますが、それは基本的にその時の状況、或いはその時考えたい事、管理したい事に対して切り替えます。子供が目の前にいれば、親としてのペルソナに切り替わるなどは分かりやすいですが、考え事や何かの管理に際してペルソナを切り替えるというのは分かりづらいかもしれません。

例えば、タスク管理を行っていて、会社のタスクを整理しようとするときに、家の冷蔵庫のことは普通考えません。これは自分の中で「会社員」としてのペルソナが表に出てきており、「家庭人」としてのペルソナは奥に引っ込められているからです。

逆に、家にいないときに家の事を考えたいと思うなら、意識的に自分の中で「家庭人」のペルソナへ切り替えることで、例え会社であっても家の事を考えられるようになります。「ペルソナ」を意識的に切り替えられるようにおくことは、非常にメリットが大きいので是非意識してみて下さい。

まとめ

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前回の「自らの質を究める。他人の質を見極める。」で紹介した究めるべき4つの質と、チーム組閣のポイントをいざ実践するとなると、時間も労力もそれなりに必要となります。

しかし、「モード」や「観点」であれば、やろうと思えばすぐにでも始めることができます。勿論、沢山のモードをを使い分けるとか、感情的になっている時に別のモードに切り替えるとか、簡単にはいかない部分も多々ありますが、そこは訓練次第で伸ばしていくことが可能です。

モードと観点をざっくり定義すると以下の通りとなります。

  • 「モード」は自分の中で予め用意された、異なる性格を持つ「仮想人格」
  • 「観点」は考えたり、判断するときの具体的な「物の見方」

モードと観点のメリットは以下の通りです。

  • 「モード」を切り替えることで、思考や行動を意識的に切り替えられる
  • 「観点」を予め書き出しておくことで、複数人で観点を手分けしたり、或いは確認作業時の網羅度チェックなどの数値化ができる

繰り返しになりますが、モードと観点は、簡単な定義からでもすぐに始めらることができ、即座にチーム内に異質を生み出すことができます。是非、トライしてみて下さい!

それでは、次回「会議のタイプが異なれば、目的も必要なテクニックも変わる」でお会いしましょう。

参考図書

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