ビジネスメールの第一歩!教員に送るメールを見直してみよう

ぱうぜセンセのコメントボックス
「はぁ~、やっぱこうなるのか・・・」
ぱうぜセンセの研究室に入ろうとドアの前に立ち止まったら、中からものすごく大きなため息が聞こえてきた。
「ぱうぜセンセ、入っても良いですか~?なんかお疲れモードっすね」
「ああ、進吾くんか、どうぞ。ちょうどよかった、ちょっと聞いて欲しいんだよね」
今回はぱうぜセンセからオレへの質問か。なんだかなあ。まあ、センセの悩みを聞くのも悪くない。
「で、どうしたんですか?」

パソコンメールのマナーなんて、大学入るまで身につかないもんなんだねえ・・・

んまー、オレらまだ学生だから、大人のマナーなんてまだまだっすよ・・・。って、センセ、もしかしてオレのメールもまずかったかもしれないんだけど。心配になってきた。


(前回のお話はこちら)「定期試験後にもう一回?」アウトプットとインプットを行き来しよう

ぱうゼミ最初の課題:センセにメールを出そう

「あれっ、センセって情報処理担当じゃないっすよね。メールの出し方とか、指導するんですか?」

「うん、1年生ゼミの担当になったから・・・とりあえず、『何かあったらメールを出してね』という練習のために、メールを出すことを課題にしたんだ」

ぱうぜセンセらしいなあ。たしかに、ぱうぜセンセにメール出すと結構早く返してくれるから、ありがたいんだよなあ。

「まあ、1年生だし、このコーナーでいきなり取り上げると彼らも戸惑うだろうから・・・うん、進吾くんから最初にメールもらった頃のことを思い出してみようか」

なんかメタ発言きた・・・と思ったら、やっぱオレの話になっちゃった。・・・ううん、まあいいや、センセが言うことだからためになるだろう、たぶん。

「ええと、初めてメールさせていただいたのって、明日香さんが落ち込んだときの」

「1週間くらい後の話だね。明日香さんがあの後どうなったのか気になって、進吾くんに頼んで1週間後にメールしてもらったんだった」

乗りかかった船で、アフターケアを頼まれたんだった。

「そのときの進吾君のメールがここにあるんだ。悪いんだけど、もう一度読み上げても良いかな?」

しょうがないっすね・・・。どんなんだったっけ・・・。

件名:元気になりました

本文:

先週お世話になった進吾です。あのあと泣き止んだのか、すっかり元気になりました(^~^)ノ
そういえばあのとき質問しそびれたんですが、今度また先生の暇なときに教えてください。

あー、そういえば、スマホでさくっと返しちゃったんだよな。

相手の都合を考えよう

「どうも、この手のミスコミュニケーションはよくあることらしくて、慶應義塾大学経済学部の松岡和美先生のウェブサイトに、ものすごく丁寧な実例つき説明がある」
メールの書き方
「送り先の事情をよく考えて、メールを見た人がどう対応していいかを明確にする」ということが一番大切 …
大学の先生は多数の学生を相手にして、忙しいのです

メールを書くときにはここに注意 (2013年6月13日改訂)
良い例とやめて欲しい例がきちんと説明されています

「大学の先生の都合が書いてあるっておもしろいですね」

「きちんとメールを書きなさい、って言われても、どういう状態で受け取るかがわからないと、どういうメールがいいのかもわからないもんね」

そう言われてみれば、ささっと作ったさっきのメールは・・・

「以下、進吾くんのメールにダメだしをしていくよ。まず件名。これだけだと、このメールを開封していいのかどうかわからない」

「え、『元気になりました』って、まさにそういう内容なんですけど」

「件名からだいたい誰からどういう文脈で届いたモノなのかがわからないと、怖くて開けないでしょ。特に今回は君、大学のメールからじゃないアドレスで送ってきたから、迷惑メールかもしれないし」

あー、それはうっかりしてたなあ。実例のほうでは、どの授業のことなのかとか、名前も書いてある例があるなあ。

「次に本文。最初に、相手の名前を書こう。これで、仮に間違った相手に送ってしまっても、すぐにわかる」

あ、~~先生、って書くってことね。

「あと、明日香さんにも一緒にメールを送ったのだったら、彼女をCCに入れたのかどうかも書いておくと良い」

「CCって何すか?」

「To(宛先)はメールの宛先、CCは宛先じゃないけど届けたい人、BCCはお互いに送ったことが見えないように送る相手だね。今回、進吾君が『明日香さん、センセにはこういう内容で送っておいたから心配しないでね』というくらいの意味だったら、CCで送るのがいいだろう。明日香さんのアドレスは私も知ってるし、アドレスを交換した現場に君もいたから、問題無いしね」

あ、そっか、面識がない人達に一斉に送るときは、BCCにしないとまずいんだったな。お互いのアドレスがわかっちゃうからね。

「次に、内容。このメールには、『お願いなのに上から目線』だったりする部分や、『暇』ってことばがある。これらを受け取るとね、大抵の教員は『暇な時間なんか無いんだよぉ!』と泣きたくなること請け合いだ」

あー、そんなつもり無かったんだけど、そう受け取られかねないのか。

「最後に、締めの言葉と、もう一度名前を書いて欲しい。これを署名という。これがあると、ここでメール本文が終わったんだな、と分かるから」

「つい、LINEとかFacebookのメッセージのノリで送っちゃったんですよね」

「それは相手との文脈がすぐにわかるからいいけどね・・・パソコンのメールはビジネスでもよく使われる。今のうちに、慣れておくと良いよ」

「大学の先生へのメールで練習するんですか」

「松岡先生の示している型は、大抵のビジネスメールとして通用する型だから、まずはこの通りにやってみるといいよ」

こんなメールが来たら嬉しいなあ

「それじゃ、さっきのメール書き直してみようか」

件名:明日香さんの様子・行政法1の質問(可能進吾)

本文:
珈琲ぱうぜ先生(CC:日記明日香様)

先週の木曜日、行政法1の授業後に研究室にお伺いした可能進吾です。あのときはありがとうございました。
あのとき心配をおかけした日記明日香さんですが、すっかり元気になりました。よかったです。

また、行政法1の授業について質問があります。
お時間のあるときにまた研究室にお伺いしても良いでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。

可能進吾

学籍番号 ASI00X21 可能進吾 
メールアドレス:~~~~


「こんな感じでどうすか?」

「うん、いいんじゃないかな。まあ、一旦やりとりしてしまえば、親しみをこめて省略しても良い事柄も多いけど、最初のうちしばらくはきちんと送っておいた方が印象が良いよ」

「就活とかでもメール、使いますもんね」

「そういうこと。基礎ゼミナールの担任の先生って一番最初の『大人』相手のメールだから、練習してほしいな」

「またまずいとこあったら添削していただけますか?」

「うん、他の文章も見るから送ってね。とにかく進吾君は文章をたくさん書いて読み返すクセを付けようね」

◇ぱうぜセンセのメモ◇

1年生ってちょっと前までは高校生だったし、いまの高校生はパソコンよりもスマホのほうが身近だから、しょうがないところもあるんですよね。あ、でも、4年生になってもこういうメールが来ることもあるらしいから、松岡先生のサイトへのリンクは大学教員みんなに回覧しておきたいなあ。

編集後記

実際に学生から届くメールは、進吾くんの例より丁寧なものが多いです。学生の名誉のために書き添えておきます。学生の皆さん、新社会人の皆さん、もう一度メールのマナーを確認してみてください。

なお、今回、登場人物の苗字をいきなり考える羽目になって・・・これに一番時間が掛かりました(苦笑)。登場人物がフィクションであることを強調するモノにしました。

ついにあと数時間後ですね。
アシタノワークショップ第3回は「仕事がタノシクなるコラボレーション術!」
実際にやってみよう!
たのしみです。

ぜひ皆さん、「バーチャルコメントボックス」に質問をお寄せください。Twitterで @kfpause宛てにツイートしていただいても結構ですし、 #ashitano をつけて投稿していただければ適宜拾いますので、どしどしお寄せください。

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