目からウロコの子育てレシピ12 家庭での勉強の習慣をつけるには

こんにちは。Lyustyleです。

そろそろ本年度に行われた全国学力・学習状況調査の結果が公表される時期になりましたね。

毎年新聞やテレビなどで順位やそれに絡んだ様々なできごとが報道され、話題になります。そしてどこの県が一番だの、どこが最下位から脱しただの、ざっくりした情報の一人歩きが例年のように起こることでしょう。

現場はそういうことにあまり振り回されないように、たんたんと実態を分析して、ウィークポイントを克服するための授業改善に取り組むことになります。自分たちの県の順位がどうこうよりも、目の前の子どもたちの学力をしっかりつけることが現場の私たちの務めです。

さて,過去の調査における生活に関するアンケートとテストの結果とのクロス集計によれば、家庭学習の習慣がある子どもの方が成績がよいという傾向がでています。

家庭学習の習慣のある子どもの方が学力が高い

学校で習ったことの復習と、学校で習うことの予習を計画的に行う習慣がある方が学力が高いのです。

学校では、子どもに今日の授業で学んだことをしっかり定着させるためのさまざまな授業改善を行なっていますが、その中の一つに「今日のふりかえりをしっかりさせる」ということがあります。

子どもは今に生きている存在。

今は分かっていても、次の瞬間にはもう忘れてしまって別のことに興味を持ちます。そして分かったと思ったことすら忘れてしまいます。

ですから、授業の終わりには、今日のふりかえりの時間をつくって、「ああ、そうだったそうだった」と思わせる時間を大切にしているんです。これをするかしないかで、子どもの記憶への定着にかなりの差がでます。

私にも経験があります。あれほど盛り上がり、「分かった!」という言葉が連発し、「よし!」と思った授業でも、次の時間に思い出させてみると、「そんなの習ったっけ?」という顔をする子どもが何人もいて大いに反省したことがあるんです。逆に「今日はこんなことやったね」といって締めた授業の次の授業では多くの子どもたちが習ったことを覚えているんです。

それほどふりかえりというのは大事なことなのですが、これを家でもう一度やることが学力の定着と向上にとって大切なことなんです。

極言すれば、学校でいくら一生懸命頑張って授業改善をしても、家庭学習の習慣がなければ習ったことがぽろぽろとこぼれて行くことが多いのです。

ぜひ、家庭学習の習慣を身につけさせてあげたいものですね。

習慣をつけるには,まず宿題を確実に

最初は宿題から始めましょう。

教師は学習の定着を何とか図ろうとして家での復習を宿題として出します。

だから、まずは宿題を確実に、丁寧に行うことを身につけさせてください。

一番いいのは、保護者が横について見てあげることです。あれこれ注意するためではなく、できたことを見届けてやり、丁寧にやり遂げたことを認めてあげるためです。

しかし,共働きで、学校から帰る時間に両親ともに家にいないこともあるでしょう。

その場合,祖母や祖父などといった近親者でも効果が高いことが示されています。十分に成長したお兄さん、お姉さんでもいいでしょう。

近親者もいない場合。

それはそれで子どもに自主性を身につけさせるチャンスでもあります。帰ったらすぐに宿題を済ませることを約束とし、帰ったら一番にその成果を認めて褒めてあげてください。

自分を守ってくれる人から「見てもらえる」「認めてもらえる」ということが子どもの原動力です。

この時、できるだけ口うるさく言わないでください。「字がこんなに汚い!」「間違いばかりじゃないか。丁寧にやったのか」。気持ちは十分わかります。でもやめましょう。子どもはがっくりとやる気をなくしてしまいます。大切なことは、まずは習慣をつけさせることです。両親がいないなかでひとりでがんばったのです。まずはそれでいいのです。

「自学」を付け加える

宿題ができるようになったら、自分だけの勉強「自学」を付け加えるようにしていきましょう。読書でも好きな勉強の復習でもいいです。毎日決めた勉強時間、宿題プラスアルファをしていくようにすると、勉強が広がっていきます。

勉強時間の目安はいろいろといわれています。懇談会などで担任が示すことが多いので、それを基準にするといいでしょう。1年は何分、2年は何分などの目安を決めている学校もあります。そういうものがない時には、やはり担任への相談がいいでしょう。発達段階があるので、無理な時間設定は習慣づけにとってよくありません。体、心の成長の面からもやめておきたいものです。

benkyou

「音読」はぜひ!

ぜひつけ加えさせたいのは「音読」です。教科書の内容や覚えさせたい詩などを声に出して読ませます。1年生などでは学校から音読カードなどに保護者から印をつけてもらうような取り組みをしていることがあります。長じても大切なことですので1年生から音読をしっかりさせたいものです。

声に出す、ということは脳に直接よい影響を与えますし、子どもはどんどん覚えていきます。いつのまにか全文記憶してしまい、暗唱できるようになることもすくなくありません。

音読は、聞いてあげるということが絶対と言っていいほどの条件です。聞いて認めてもらえる相手がいるから子どもは上達します。忙しい仕事から帰ってきて大変ですが、着替えながらでも、お食事を作りながらでも、しっかり耳を向けて聞いてやり、終わったら一旦手を休めて子どもに向かい、「上手だったねえ!!」と一言言ってあげてください。子どもはそれだけでまたがんばります。

決して、「ああ、忙しいのにな。まだ終わらないのかな。」なんて思わないでください。そういうネガティブな気持ちは伝わってしまいます。子どもは読まなくなってしまいます。

音読の習慣は、子どもに「よい言葉」を増やすことにつながります。細やかな気持ちをざっくりしたことばでしかいえずにトラブルになることはよくあることです。「うざい’」「キモイ」「シネ」「ヤバい」「パネエ」。言葉が少ないと、心を言い表せる言葉が少なくなり、うまくコミュニケーションがとれなくなっていきます。音読は語彙を増やすきっかけになります。

音読では、国語だけでなく、理科や社会、算数などの教科書を読むことにも取り組まれるといいと思います。

予習の効果は高い

高学年になってきたら、「予習」を付け加えてください。明日習うところを一度読んだり、解いたりしておくのです。「わからなかったところ」が自分にわかっているだけで学習に臨む姿勢も理解力もよくなります。

これも、学力学習状況調査におけるクロス集計であきらかになっています。ぜひ取り組まれるといいと思います。

まとめ

家庭での学習の習慣を身につけさせることで学習の定着度が上がります。

宿題を確実にすることから始めます。保護者もしくは近親者が見てあげることで、習慣の定着度はあがります。

共働きなどで両親不在の時には、帰ってから見てあげます。定着させることが大事。認めてあげるように。

学習時間は担任と相談。

音読はぜひやらせてほしい。言葉を出すことで脳を鍛える。学習の定着になる。言葉が増える。国語以外の本にも挑戦。

高学年になったらぜひ予習を。

以上です。また二週間後にお会いしましょう。

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