学生生活が終わる前に!色々手を出してみよう

ぱうぜセンセのコメントボックス
「センセ、お久しぶりです!」
新しくなった書籍部で大人買いをしていたら、声を掛けられた。あ、昨年の授業で前のほうの座席に座ってた…
「昇です。昨年はどうもありがとうございました」
「ノボルくんか、元気そうだね。結局進路はどうなった?」
就活するって言ってたからなあ…
「こないだやっと決まったんですよ!希望してた業界なんで、よかったです」
おお、それは良かった。このまま就職祝いのケーキでもごちそうしよう。
「何か聞きたいこととかある?単位は大丈夫?」
「あとは自由選択科目を1コマ残しただけなんです…それで…」

「残り半年の大学生活、お勧めの過ごし方とかありますか?」

まさに社会に出る一歩手前のノボルくん。そうだな、「大学でしかできないこと」をお勧めしてみるかな。


(前回のお話はこちら)「勉強が出来る」=「頭が良い」?スゴい人達に囲まれたときに考えたこと

教養科目も専門科目もあるんだよ

「せっかくだし、今まで取れなかったような科目を取ってみたらいいんじゃないかな」
「それに関してはもうバッチリです。この時間割、見てもらえますか」
どれどれ…えっ、ラテン語?
「英語のリーディングの課題にときどきよくわかんない文章が出てきて、語学の先生に聞いたら『それはラテン語のことわざだよ』っていうんです。もう大学出ちゃうとこういうの学ぶ機会もなさそうだから、とってみようかなと」
それは殊勝な心がけだね。そうそう、もし社会人向けのカルチャースクールとかに行ったとしても、ラテン語を学ぶ機会は少ないだろうね。
「専門科目も、せっかくだから将来に関係ありそうなもので取ってない科目に顔を出してみようかと思って」
そうか、法学系の履修をしてると企業経営論とかはあまり取ってないかもね。
「…っていう感じでいろいろやってはみているんですが、まだ時間はありそうで。バイトばっかりっていうのもつまらないし」
贅沢な悩みだね。
「そうか、それじゃ授業以外での大学生の『特権』を確認してみよう」

学割、大学生優遇を使い倒してみる

「もっともわかりやすい特権は、…やっぱ学割だよね」
社会人になると途端に文化関係出費が増えるのは、学割が無くなるからだもんね。
「映画とか美術館だけじゃなくて、最近は結構いろんなイベントに『学割』がありますね」
「大学によっては、学割どころか『常設展無料』っていうタイアップを美術館・博物館と行っているところもあるから、確認してごらん」
母校の近くにある美術館エリアはほとんどその対象だったんだよね…もっと行っておけばよかった。
「あとは、さっきまで居たところも…」
「そうか、生協の書籍割引がありますね」
「いまのうちに、ちょっとお高いけど人生で少しずつ読み進めるような本を思い切って買ってしまうというのも面白いんじゃないかな」

大学図書館は特別な場所

「そうだ、本といえば、うちの大学図書館がリニューアルしたけど、行ってみたかな?」
「…テスト勉強のときにこもったりしましたけど、工事もうるさかったし…最近は行ってないですね」
「大学図書館って、机を使ったり、本棚の本を借りる以外にも色々できるの、知ってるかな?」
「あとは、取り寄せとかもできますよね。ゼミのレポートでやりました」
まあ、ある程度は使っているみたいだね。よしよし。
「…そうだな、たとえ話をしよう。君は入社3年目、ようやく仕事も一回りして企画立案を任されるようになった。新しいビジネスモデルとの関係で、ちょっとマイナーな法律の最近の改正動向とか、そのきっかけになった重大事件の判例を調べることになった。…さて、調べ方、思いつくかな?」
「法令データ検索システムとか、裁判所ウェブサイトの判例検索を使えばどうですか」
まあ、一応の答えだね。どちらも政府や裁判所が無償で誰にでも使えるように整備したデータベースだ。
「でも、『マイナーな法律の3つ前の改正のときの条文』とか、『あまり有名じゃ無いけど重要な那覇地裁の判決』とか、『その判決を解説した論文の情報』は、いま君があげてくれたデータベースでは見つからないだろうねえ」
「えええ、どうしたらいいんでしょう」
「そのために有料のデータベースとかがあるんだけど…すごく高い。1ヶ月数万円はザラだね」
「それじゃあ調べられないじゃないですか」
「でもね、大学図書館からなら検索できるんだよ、そのデータベース」
最近は大学の中のネットワークからならアクセスできる、という形になっていることが多いね。

調べ方のストックをためておく

「大学は『調べもののプロ』がいるところだから、いろんな調べ方へのアクセスがあるんだ。もちろん、社会人になってからの調べものスキルっていうのはそれはそれであるんだろうけど、『研究者たちが調べるときのスキル』っていうストックを、ためこんでみるのはどうかな」
「でも、大学卒業しちゃうと使えないんでしょう?」
「大きい公立図書館とかには同じような使い方ができることもあるかもしれない。大学によっては、地域住民にある程度開放しているところもある。しかし、『こういう調べ方もありそう』と思いつくことができなければ、知っているデータベースだけを検索するだけで諦めてしまいかねない」
「それは怖いですね…」
「もっというと、実際にやってみないと、その調べ方でどれくらい時間が掛かるか、どういう検索結果が期待できるかもわからないよね」
「そっか…どうしようかな」
「まあ、就活の間にいろいろ聞いたことで、掘り下げてみたいことがあれば、ミニレポートのつもりで調べてみたらどうかな」
「そういえば、業界の○○法は最近大改正があって現場が非常に忙しくなったってきいたんですけど、ついて行けなくて」
「まさにそういうのそういうの。調べてみたら、あとでコメントしてあげるよ」
「わー、ぱうぜセンセのゼミみたいですね。わかりました、やってみます」
「もう単位は出せないから(苦笑)、気楽にやってみてね」

◇ぱうぜセンセのメモ◇

授業とけっこう関係のある業界に決まったんだ、おめでとう。
あとちょっとしかないけども、有意義な締めくくりにしてほしいなあ。

編集後記

ほぼ実話です。教員冥利につきますね。
調べものについては以前の回も参考にしてください。
ネットでの検索のコツは?「情報地図」作りからはじめよう
提出先のことも考えて調べましょう

ネット検索に一工夫!「書いたつもり」で掛け算しよう
成果物を想定して逆算で検索してみると上手くいきます

ぜひ皆さん、「バーチャルコメントボックス」に質問をお寄せください。Twitterで @kfpause宛てにツイートしていただいても結構ですし、 #ashitano をつけて投稿していただければ適宜拾いますので、どしどしお寄せください。

ぱうぜ

2013年春から大学教員になった駆け出しの研究者。専門は行政法。
個人ブログとして対話をテーマとした「カフェパウゼをあなたと」を運営中。
http://kaffeepause-mit-ihnen.hatenablog.jp/

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