情報が集まる場所を知る ~忙しいビジネスパーソンのための「軍師の心得(その2)」~

前回の「軍師の心得(その1)」では、戦国時代の軍師である「黒田官兵衛 くろだ かんべえ(黒田孝高)」を中心に、「蜂須賀正勝 はちすか まさかつ(蜂須賀小六)」、「竹中半兵衛 たけなか はんべえ(竹中重治)」に関する逸話を紹介しました。今回は、その黒田勘兵衛が実行していた意外な「情報収集の方法」について紹介します。

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1.戦国時代において重要な情報を迅速に入手するには

現代社会では、日本各地で起きた事件、政治、経済などのニュースは、日本のどこにいてもテレビやインターネットですぐに知ることができます。しかし、当然ながら戦国時代にはそのような便利な機械や道具は存在しません。そのため、例えば織田信長(おだ のぶなが)が「桶狭間の戦い」で今川義元(いまがわ よしもと)を討ったという事実や、甲斐の英雄である武田信玄(たけだ しんげん)が亡くなったというような重要な情報をいかに入手するか。

加えて、前回の記事で紹介した「今後、誰が天下を取るのか?」という領主「小寺政職(こでら まさもと)」からの質問に対して、家来である「黒田官兵衛」が的確に回答をするためには、どのような情報が必要か。

先に結論をお伝えすると、「日本全国の武将の動静を詳しく知る人物がいる場所へ出向く」というのが回答になりますが、鉄道も車もない時代、「黒田勘兵衛」は周りの武将が知らないような情報を一体どのようにして迅速に入手したのでしょうか。

これからその謎を解いていきたいと思います。

2.現代社会で重要な情報を把握(収集)するには

ここで一度、現代社会にお話を戻しましょう。

例えば現代社会の会社組織(企業)に存在する、テレビやインターネットでは流れないような非公開の社内情報について、内部の部署や役職の壁を超えて知ることができる機会があるとすれば。或いはそのような情報が交換される機会があるとすればそれはどこか。

これは一つの例に過ぎませんが情報を持った人が集まる場所としては、お昼に利用する社内食堂や休憩時に使う喫煙ルーム。また社外では、異なる企業のビジネスパーソン同士が会話をするレストラン、居酒屋、料亭などが情報交換の場所です。

では戦国時代にもそういう場所があったかというと、居酒屋に似た酒場はあったかもしれませんが、現代のようなレストラン、料亭などは存在しません。社内食堂もしかりです。しかし、それに代わる場所がありました。その場所とは、日本各地を旅する商人などが泊まる「宿泊施設」です。

黒田勘兵衛が育った姫路の地域では、そのような宿泊施設の一つとして、黒田勘兵衛の父親が建てたと言われる「百間長屋(ひゃくまながや)」が有名です。黒田勘兵衛はこの宿泊施設に時々出かけては旅人と雑談を行い、その時に日本全国の情勢についても情報を仕入れていました。

ちなみに江戸時代の「宿場町(しゅくばまち)」も、同じように情報が集まる場所です。

3.自分なりの情報収集の方法を模索しよう!

翻って現代のビジネスパーソンに置き換えてみると、当然ながら情報収集の方法を持ち正確な情報を把握していれば、様々な場面で自分や会社の将来をより明るく照らすことができます。

そのための方法として、例えば鮮度の高い情報を収集するために始業前の時間に部署の異なる人と一緒にコーヒーを飲む、複数の会社に出入りしている取引先と良い関係を築くといった方法が挙げられます。

そして既にご存知の通り、一方的に情報をもらうだけでなく、何らか別の情報でお返しをする、或いは代わりに何かでもてなすなど、相手にも有用性を感じてもらえるような関係を目指すことが、双方にとって長期的な利益に繋がることは言うまでもありません。

ぜひ自分なりの情報収集の方法を見つけ、より良い将来の予測に繋げてください。

■オススメのトピック・書籍

ビジネスパーソンにとって重要な情報の一つに、今後の労働環境の変化があります。今回は、2013年年の年末から話題になっている下記書籍を紹介します。

書籍 「アグリゲーター  知られざる職種 5年後に主役になる働き方」
(要約されたWeb記事へのリンクです) http://www.bookvinegar.jp/book/12504/

この書籍は空想論ではなく現実に起きている変化に基づき「未来の働き方」を提言しており非常に意欲的な内容です。他の多くの書籍と異なり、「個人の視点」と「企業の視点」との両者を織り交ぜて書かれているため、より大局的な観点から未来の働き方を考えたい場合に役立ちます。

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