「ずっとやりたかったこと」をかたちにする3階建て目標管理システム&3月24日「夢見るリアリスト」講座in静岡のお知らせ

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photo credit: Hani Amir via photopin cc

私の愛しいアップルパイへ

最後のライブは今でもよく覚えています。

新宿の地下1Fにあるライブハウスで、屋内は真っ黒で縦長でした。観客は少数でしたが、いつになくステージというものを意識していました。

終わった時には汗だくで、不思議と悲しさや寂しさはありませんでした。ただただ残ったのは悔しさでした。いずれ必ずこの場に戻ってくると心に誓ったものです。

直後にバンドを解散しましたが、私は未練たらしくも解散とは言わずに活動休止だと言ったのでした。

≪行動に移せる仕組みにこだわる≫

4年前、バンドを解散した理由は単純でした。出口の見えないトンネルを歩いている感覚が拭えなかったからです。成果は極めて不明瞭で「こんなことをやって何になるんだろう?」という不安が常につきまとっていました。前に進んでいるのか、後ろに進んでいるのか分からなくなったのです。

結局、私はその活動を愛していたが故に歩みを止めてしまったことになります。当時の私にとってバンドでの音楽活動は唯一の生きがいだったと確信していたにも関わらずです。

やりたいが故に不安は増大し、歩みが止まる。本末転倒なことはわかってしました。ですから、1年半前にもう一度「システム屋」から「音楽家」へ向かう最後の悪あがきを始めようと決心をしたとき、少しずつでも確実に目的地に向かって行動に移せる仕組み作りにまず手をつけたのです。

それが今日ご紹介する「ずっとやりたかったこと」をかたちにする3階建て目標管理システムというわけです。前提は「世界は行動に報いる」です。

デザインと人―25 interviews (MARBLE BOOKS)という本の中にある、栃折 久美子さんの発言が心に残っています。

たとえ絶望的な状況であっても、もしも何かが変わってゆくとしたら、一人の人間があきらめずに続けていくことからしか始まらない

これはデザイン業界というものに対しての発言ですが、私は個人レベルでも同じことが言えると考えています。

たとえ絶望的な状況であっても、もしも何かを変えようとしたら、あなたが何かをあきらめずに続けていくことからしか始まらない

≪3階建て目標管理システム≫

私が毎日使っている目標管理システムを上から順に解説していきます。上から降りていくというのが大切です。フロアマップは以下の通りです。

■3F.ミッション・ステートメント
■2F.ミッション・プランニング
■1F.タイム・マネジメント
(■B1F.チェックリスト・トリガリスト)

B1Fは目標管理というには細かい話になるのでおまけです。

■3F.ミッション・ステートメント

一番上に君臨するのは「ミッション・ステートメント」です。この用語は私の好きな本である「7つの習慣」からとったもので、夢を文章化したものを表します。

ここにあなた個人が人生を賭して到達したい最終的なビジョンを詰め込むのです。少しずつ着実に行動を積み重ねていくための、方向性を決めることがまずもって重要です。

そして、きちんと文章化しておくというのがポイントです。頭の中にある考えってのは、いくらの中身みたいに曖昧ですから。

文章化しておけば環境や心境の変化にいち早く気づくことができますし、何より思い悩んだときに戻ってこれる場所になります。

書き方は自由ですが、私は以下のようなExcelファイルを自らのミッション・ステートメントとして作成しております。

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私のこだわりポイントは以下の2つです。

1.自らが責任を負っている重要な立場・役割・分野などで分割する
2.立場・役割・分野ごとに「What」「Why」「How」を明確にする

■2F.ミッション・プランニング

1階下に降りると、次は「ミッション・プランニング」となります。これはその名の通り3Fで決めたミッションをプランニング(計画)する場所になります。将来への見通しを立て、いつまでに何をやるかをコミットするのです。

そしてもう1つ重要なポイントがあります。この目標管理システムの目的である「行動に移せる仕組み作り」を実現するために重要なことです。それは「ミッションに到達するために今日やるべきことを決める」ことです。それがこの階のゴールになります。

上記のポイントを踏まえた具体的な計画方法ですが、私は以下のような三段階の計画書を作成しています。

1.長期計画(年代別の計画)
2.中期計画(5ヶ年の計画)
3.短期計画(月次・週次計画)

このように、未来から現在に向けて少しずつミッションを具体的な行動に落とし込んでいくことで、今日やるべきことを導き出していきます。また、計画書を三段階に分け、遠くの計画は荒くし直近の計画は詳細にすることで、状況変化に柔軟に対応できる計画書になります。

中・長期計画によって確固たる方向性を定義しつつ、ちょっとした状況変化なら短期計画を修正するだけで吸収できるわけです。

具体的な計画書のフォーマットですが、3つとも以下のような独自フォーマットのExcelファイルを用いて作成しております。一例として私の長期計画を抜粋しましょう。

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上記は長期計画ですが、中期計画も短期計画もフォーマットは同じです。ミッションごとに期間で列を分割し、それぞれ目標を箇条書きしていきます。

短期計画の週次計画書では、月曜日・火曜日・水曜日、、、と日ごとに列が分割され、今日やるべきことが決まるというわけです。

■1F.タイム・マネジメント

1Fは「タイム・マネジメント」で、その名の通り時間管理ですが、特徴的なのはそのゴール設定です。

冒頭で述べた通り、この目標管理システムの根幹には「行動に移せる仕組み作り」という一貫したポリシーがあります。このポリシーに基づいた時間管理のゴールとは、ミッションに貢献する時間を1分でも1秒でも増やすことです。

目的の場所に時間通りに辿りつくためのものでもなく、仕事をより多くより早くやるためのものでもなく、ミッションに貢献する時間を1分でも1秒でも増やすことです。

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いくら目標が明確でも、緻密な計画が立てられていても、それらを実行するだけの時間が十分になければ、目標に向かっ歩みを進めることはできないからです。逆に言えば、そのような時間を増やすことができれば、少しずつでも着実に成果を積み重ねられるはずなのです。

具体的なやり方ですが、以下4つのSTEPをルーチンワークとして繰り回すことでこれらを実現します。

STEP1.時系列で行動記録をとる
STEP2.時間の使い方を分析する
STEP3.日次レポートを作る
STEP4.時間の使い方を変えるアクションをとる

STEP1~2でミッションに貢献する時間がどれだけとれたかを明確にします。STEP3では生活の中から問題点を洗い出し、STEP4でミッションに貢献する時間を1分でも1秒でも増やすために今できることを決めるのです。

これらを毎日コツコツ実行していけば、無理なく時間を増やしていくことができます。

(■B1F.チェックリスト・トリガリスト)

最後にB1Fです。これは目標管理というには細かすぎて、タスク管理に近い話しになるのでおまけです。

1Fの時間管理を洗練させるには、1つ1つの仕事を洗練させる必要があるでしょう。そのために特に効果的なのが、何回も実行する仕事の質を上げることです。具体的にはあらゆる仕事において可能な限り以下2つを推進することです。

1.実行手順をチェックリスト化し、機械的に処理できるようにする
2.検討事項をトリガリスト化し、考えるべきことに集中する

上記2点を推進していくことで、仕事が少しずつプロセス化され整理されていきます。そうすれば、最初は思考を張り巡らして神経質に進めていた仕事も、いずれ機械的に処理できるようになっていきます。

機械的に処理できる仕事が増えれば、仕事を効率化しながら質を上げることができ、より複雑で創造的な別の仕事に手をつけられるようになるでしょう。

私はこのチェックリストとトリガリストをEvernoteというツールを使って管理しています。それぞれ一例をお見せしましょう。

以下は私が毎朝一日の予定をたてるときに使っているチェックリストです。

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これを上から順に実行していくことで、考慮漏れもなく無駄なことを考えることもなく一日の予定が決まっていきます。

また、以下は私が新曲を作るときに、全体構想を固めるために使っているトリガリストです。

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トリガリストがあれば何に頭を使わなければいけないかを明確にできます。焦点を絞っておくことで仕事の核となる部分を一気に固められるのです。また、その仕事に着手するハードルも低くなるため、仕事を先送りすることが減り、結果的にミッションに貢献する時間を増やすことにもなります。

≪人生を変えるな、作り上げろ!≫

今日は私が日々活用している目標管理システムの全体像をざっくりと紹介しました。この場では細部にわたって解説できないのが残念です。

ただ、実は上記で紹介した目標管理の手法をさらに具体的に解説する場として、順次セミナーを開催しております。2013年1月には東京で第一回を開催し、大盛況のうちに終わりました。

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そして次回はなんと、アシタノレシピの同志であるはまさんの力を借りて、3月24日(日)に静岡で開催できることとなりました。

ご都合の会う方は是非ご来場ください。詳細とお申込みについては以下サイトをご覧ください。

3月24日 「夢見るリアリスト」講座 in 静岡(静岡県)

「人生を変える」なんてのは、ひどく消極的で面白みに欠けます。本当に面白いのは、人生を自分の好き勝手に作り上げることです。

貪欲なる者の参加をお待ちしております :^D

貴下の従順なる下僕 松崎より

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