株って何だろう

こんにちは。萩貴史です。

今回は、「知っているようで知らない株のお話」と題してお送りします。

この記事を、今のタイミングで書こうと思った理由は、一部で話題になっている「VALU」の登場です。

「株式のように自分の価値を売り出せる」…なんて触れ込みが書かれていました。

が、僕としてはけっこう違和感があります。

VALUについては、ちょっとググれば、問題点や疑問点がいろいろ出てきますので、この記事では触れません。

ただ、VALUのようなサービスが「株のように」と言われるのは、単純に「株式がどんなものなのか、きちんと習わないから」かもなぁ、なんて感じたりしています。

「株」に出会わずに一日を送るのは不可能

一日生活していれば、「株式」って言葉に出会わない日はありませんよね。

  • そもそも勤めている会社が「株式会社」だったり
  • 企業に何かを依頼すれば、かなりの確率で「株式会社」だったり
  • テレビのニュースを見れば、毎日「平均株価」を教えてくれたり

けど、「そもそも株ってなに?」っていうのは、あんまり教わる機会がないような気がします。

こんなに身近で、社会の仕組みの一部を作っているのに、知られていなかったり誤解されていたり(「株ってギャンブルでしょ?」)するのは、とても残念です。

株ってそもそもなんだ?

株を理解するのに、一番身近な「株式会社」から始めましょう。

事業をスタートしようとしたら、いろんな初期投資がかかります。

何百万、何千万ってお金が必要になる。

けれど、それを全部「創業者」が用意しないといけないとなると、もともとお金持ちの人しか会社を作れないことになってしまいます。

じゃあ、銀行から借りる?

けれど、海の物とも山の物ともつかない事業には、そんなに貸してくれません。

貸してくれたとしても少額だったり、金利が高かったりして、資金繰りだけで創業者が疲れ切ってしまいます。

そこで、こう考えるわけです。

「いろんな人にお金を少しずつ出してもらって、資金を用意しよう」と。

それで、こんなふうに呼びかけるわけです。

「こんな事業を考えています。もし共感してくれたり、利益が出そうだと期待してくれるのなら、出資してもらえませんか?」

そして、

出資してくれた人に、その証拠として「株式」を発行するわけです。

もし事業が上手くいって利益が出たら、会社は、出資してくれた株主たちに報いるために配当を出したりします。

ここまでをまとめましょう。

  • 会社は、事業資金を集めるために、株を発行する
  • 会社の株を買うのは、その会社に「出資」すること(=その会社の所有権の一部を買うこと)
  • 会社は、出資してくれた株主に「配当」や「株主優待」などで報いる

これが株式のキホンです。

株式の売買?

では、株を売買するってどういうことでしょうか?

Tさんは、A株式会社の株を買って、100株持っています。

1株あたり1,000円だったので、1,000円×100株で10万円です。

そこに、Uさんがやってきて「A株式会社の株を、1株1,200円で売ってくれないか」といいます。

どうやら、Uさんは「これからA株式会社の業績は好調だろうから、今のうちに持ち株を増やしておいたほうがトクだ」と思っているようです。

ここで、話を持ちかけられたTさんは「売る」「売らない」を選ぶことができます。

A株式会社がこれからも好調だと見込むなら、売らずに株を持ち続けてもいいでしょう。

あるいは「先行きはわからないし、今1,200で売れるのなら利益が出るし」と考えるなら、株を売って換金してもいい。

これをずーっと巨大な規模でやっているのが「東京証券取引所」とかですね。

「東証」っていうほうが馴染みがありますね。

こうした巨大な証券取引所があるおかげで、誰でも株式を買えるし、売ることができます。

世界中の誰もが参加できるので、買いたい人も売りたい人も、常に一定以上の人数がいる。

実は、これがとっても大事なことなんですよね。

株式の売買も、他のものの売買とまったく同じです。

「買いたい人」ばっかりでは、誰も買えません。

逆に「売りたい人」ばっかりでは、誰も売れません。

買いたい人も、売りたい人も、両方とも一定数以上いるから「売った、買った」が成り立つんです。

逆に、人数が少ないと何が起こるでしょう?

  • 売りたいときに売れなかったり
  • 売れたとしても思い通りの値段で売れない

ということになります。

株にかぎらずですが、マーケットに参加者がたくさんいるってことがどれほど大事かは、強調したいポイントの一つです。

まとめ

株のキホンのキでした。

株式ってすごく身近なのに、あんまり仕組みが語られない気がするので本当にキホンのところだけを書いてみました。

あ、ちなみにVALUのことを否定してるわけではないですよ。

面白い試みだと思ってはいますが「株式のように」っていう触れ込みは違和感があるし、「投資として取り組むのは遠慮したいなぁ」というのが僕の正直な感想です。

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