「予定」と「作業」の情報から「時間」を可視化するーアシタノ・ハックス第3回

こんにちは、BECKです!

この記事が投稿されたタイミングでいえば「メリークリスマス!」というのが正解かも知れませんが、きっとクリスマスシーズンを過ぎてから本記事を読まれる方もいると思うので控えめに言っておきましょう。メリークリスマス!

 前回は予定や作業を管理することは面倒なことではなく、次の2点のメリットがあることを取り上げました。

  • 「認知リソース」をより多く作業に割り当てることができる
  • 「時間リソース」を把握できるようになり、より正確なジャッジが可能となる

今回は具体的に「時間リソース」を把握するために「予定(スケジュール)」「作業(タスク)」を併せて「時間」の可視化を行う方法について取り上げて行きたいと思います。

厳密に言えば「時間」そのものは管理出来ない

「時間」はそもそも見えない物である

Time
Time / alancleaver_2000

タイムマネジメントというと、言葉の響き的に時間を管理している様に思われるかも知れませんが、実際の所「時間」は目には見えないため、「時間」その物を管理することはできません

私たちはあくまで「予定」「作業」という実行に当たっては時間を必要とする2つの概念を管理することによって間接的に「時間」を管理しているということです。今一ピンと来ないかもしれませんので、もう少し「予定」と「タスク」の時間的な特性を見ていきましょう。

予定と作業の違い

予定(スケジュール)作業(タスク)は似て非ざる物です。

予定は、開始時刻や終了時刻が決まっている、即ちいつはじめるか、いつ終わるかが明確な事柄です。誰かとのコミットメントを伴う場合が多く、開始時間までに必要な準備が為された状態でその場所にいる必要があります。予定を管理することを今後「スケジュール管理」と呼びます。

作業は、いつやるかは決まっていないが、それを実行するためにはある程度時間が必要となる事柄です。作業の終わりを決定づける要員は時間というよりも作業進捗(例えば、資料の完成度)です。作業を管理することを今後「タスク管理」と呼びます。

・・と、言われてもわからないと思うので、ある青年の意思決定による時間の動きを例示してみたいと思います。

ベック:ヤバイ、そろそろ終電だからかえらないと!!

フジナガ:ベックパイセン(先輩の意)、帰らなくていいじゃん!

トット:べっくん夜通し飲んだらいいと思う。

ベック:明日朝から原稿書くし、11:00から奥さんと買い物行くし・・

トット:べっくんなら大丈夫!俺最後までつきあうし。

フジナガ:親睦深めるとかわりと大事だと思うんです、マジで。

ベック:・・・・・それじゃぁ。

というやりとりを経て、ベック君の次の日の行動には次の様な変更が生じました。

まずもって、こういう状況なのにオールするなよ・・というツッコミはあると思いますし、オールをしたら死亡フラグが立つことを認識するための「スケジュール管理」と「タスク管理」であることも間違いないのですが・・・・

それはさておき

オールをしてしまったベック君は始発で家に帰るわけですが、寝ないわけにはいかないですし、家庭の平和のためには11時からの奥さんとの買い物の予定は何が何でも死守する必要があります。つまり、可能な限り買い物の時間まで寝るために、その間のやるはずだった予定「飯」は消滅(飯抜きに)し、原稿執筆は先送りする形で対応せざるを得ないわけです。

上記例の通り、コミットメントを含む予定は基本的には動きませんが、作業は「先送り」の形で動かす余地があると言うことがわかります。

また、上記例であれば作業を先送りするという形で対応しているのですが、こういった場面で「本気を出して5時間かかる作業を3時間で終わらせます」という対応を取ろうとする人をよく見かけます。

確かに、作業時間それ自体には縛りはないので、進捗が早く進めばその分だけ前倒して完了できることも作業の特性なので、この論もわからなくはありません。

しかし、最初から余裕をみてバッファを十二分に積んでいてそれを切り崩すというのなら良いのですが、根拠がない状態で本気や気合いで時間短縮が図れると考えるのは、殆ど見積もりの体を為していない絵空事だと言っても過言ではないでしょう。

「予定」と「作業」の情報から「時間」を可視化する

予定と作業を1つのタイムラインに書き出す

Project 365 #288: 151009 Making Plans
Project 365 #288: 151009 Making Plans / comedy_nose

多くの場合、スケジュール管理とタスク管理は別々に行われていると思うのですが、この2つの情報を1つのタイムラインに載せることで「時間」の可視化を行う事ができます。

私の場合、予定はGoogleカレンダータスクはToodledoというクラウドツールで別々に管理しているのですが、会社ではこれらのツールの使用制限が掛かっていることもあり、手帳にその日の予定と作業を書き出す形で運用を行っています。

ざっと図に表すとこんな感じですね。

このパターンは特殊かも知れませんが、スケジュール管理とタスク管理の情報を1日単位で切り出して、1つのタイムライン上で統合するという運用を何らかの形で実現することで、自分が今後どの様に「時間」を使っていくのかを明確に知ることができます

各ツールにおける工夫

GoogleカレンダーやToodledo、そして手帳の細かな使い方は今後記事にしていきますので、ここではまずGoogleカレンダーとToodledoにおける「時間」を把握しやすくするポイントを紹介したいと思います。

Googleカレンダー

Googleカレンダーでは「予定」以外にも「作業」の情報を組み込んでいます。「作業」カレンダーについてはざっくり「ここはデスクワークの時間」とか「ここは執筆の時間」といった具合で分けておくことで、Googleカレンダーを見ればその日のいつにどの程度の作業時間が確保できるかわかるようになっています

「作業」カレンダーがあると月間のビューで「予定」の確認がしづらくなるので、「予定」だけを確認したい場合は「作業」カレンダーを非表示設定に変更します。

Toodledo

Toodledoではタスク毎に実行する時間帯を設定しています。下図で言うと、灰色の区切りが時間帯毎の区切りになります。区切りは3時間毎で、一つの区切りの中にあるタスクの見積もり時間合計が3時間を超えないようにしています

Googleカレンダーでは「作業」カレンダーで以て、作業に割り当て可能な時間を管理していますし、Toodledoでも時間帯毎にタスクを管理していますのでこの2つを見比べるだけで概ね「何時、何をやるべきなのか?」とか「本当に空いている時間はどこなのか?」といったことが分かるようになります。

最後に

今回のポイントは以下の通りです。

  • 「予定」や「作業」の管理を行う事で間接的に「時間」の管理を行う
  • 「予定」はいつやるか、どれぐらい時間が掛かるかが明確で、コミットメントを伴う場合は動かすことが難しい
  • 「作業」はいつやるか、どれぐらい時間が掛かるかが不明確で、「先送り」という形で移動しやすい
  • 「予定」と「作業」を1つのタイムラインに書き出すことで「時間」が可視化される
  • スケジュール管理とタスク管理のツールに工夫をして両方を見比べれば、概ね時間の使い方が把握できるようになる

次回は今回のテーマを継続して、もう少しツール(Googleカレンダー、Toodledo、手帳)に寄った話をしたいと思います。では、また来週!

参考図書

スケジュールとタスクを一つにまとめるという点において、佐々木さんがToodledoで実践されているTaskchute方式は実に理にかなっていると思われる。

今回書いた記事の内容に近しいことは拙著で「行動計画」という名前で取り上げています。

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