ブログで読書を進化させる基本にして奥義=本を読み終わった後で、ブログに書く

2017年02月07日 No Comments by

こんにちは。「単純作業に心を込めて」彩郎です。

この連載のテーマは、「普通の個人が、ブログのある毎日を送り続ける、ということ」です。

前回から、普通の個人がブログのある毎日を送り続けることの、わかりやすくて効果的な応用として、「ブログで読書は進化する」ということを考えています。

さて、先日(2017-01-29)、私も大好きな作家の平野啓一郎さんが、こんなことをつぶやかれていました。

まさにこれです。

「本を読み終わった後、その話を誰かにするつもりで頭の中でまとめてみる」

もう一歩踏み込んで、

「本を読み終わった後、その本に関連することをブログに書く(あるいは書こうとする)」

これこそが、ブログによって読書を進化させることの、基本にして奥義です。

【今回のレシピ】

今回、私が提案するレシピは、シンプルです。

「本を読み終えた後、(その本の中に何かしら自分にとって大切なものが含まれていると感じられたなら、)その本についてのまとまった文章を自分のブログに公開することを目標に、文章を書き始めてみましょう。文章を書き上げることができたら、自分のブログにその文章を公開してみましょう。」

分解すると、

  • 本を読み終えた後、その本の中に何かしら自分にとって大切なものが含まれていると感じられたなら、
  • その本についてのまとまった文章を自分のブログに公開することを目標に、文章を書き始めてみる。
  • 文章を書き上げることができたら、自分のブログにその文章を公開してみる。

となります。

それぞれ見ていきましょう。

(1) 対象とする本を選択する

行動を起こす対象の本は、その本の中に何かしら自分にとって大切なものが含まれていると感じられた本、です。

まず、読んだ本すべてについて、この提案を実行する必要はありません。今回の提案を実行するには、手間と時間がかかります。読んだ本すべてを対象にするのはとても大変です。

そこで、対象を選択する基準が必要となります。私の基準は、その本の中に何かしら自分にとって大切なものが含まれていると感じられるか、です。その本から受け取った情報を起点にして、自分なりに何かを考えていきたいと感じられるか、ともいえます。

この基準は、主観的です。万人にとって客観的に優れた本であるかはそれほど重要ではなく、あくまでも今の自分にとっての、主観的な意味合いを考えます(もっとも、多くの場合、両者はある程度重なると思います)。

(2) 文章を書き上げようとする

私が提案する具体的な行動は、文章を書くことです。それも、最終的にはブログというパブリックな場に公開することを目標として、文章を書き上げようとします。

ポイントが3つあります。

ひとつめは、頭の中で考えるだけでなく、実際に文章を書く、ということです。文章の完成イメージが頭の中にできていなくても、ともかく、手を動かして、実際に書き始めます。

ふたつめは、思いつくままに文章を書くのではなく、まとまりのある文章を書き上げようとすることです。自分だけのためのメモやフリーライティングのような文章ではなく、自分のブログに公開することを前提とした文章を書き上げようとします。

みっつめは、文章の形式や内容は自由に考えたらよい、ということです。読み終えた本について書く文章というと、書評や内容まとめなどがぱっと思いつきます。もちろん、これらの文章を書いてもよいのですが、これらの枠に収まらない文章でもかまいません。

(3) 自分のブログに公開する

文章を書き上げることができたら、自分のブログに、その文章を公開します。

公開する場所は、自分のブログがよいと思います。インターネットを経由して全世界に公開された、自分のブログです。

自分のブログがよいのは、自由だからです。本について書いた文章を公開する場所としては、ほかに、書評サイトやAmazonのレビュー欄などもあります。でも、これらの場所は、公開できる文章の幅が限られています。書評サイトに公開する文章は書評である事が求められますし、レビュー欄に公開する文章はレビューであることが求められるのです。

でも、読み終えた本について書く文章は、書評やレビューのこともありますが、書評やレビューではないこともあります。だから、書評サイトやAmazonレビュー欄ではなく、どんな文章でも受け入れてくれる自由な場所である自分のブログに公開する方がよいわけです。

自分のブログに公開するのは、書き上げることができた文章です。書き上げることができた文章だけを公開することになりますので、常に、「書き始めたまま未完成の文章」>「公開した文章」という関係になります。(もっといえば、「書き始めたまま未完成の文章」>>>>「公開した文章」くらいの関係です。)

でも、それでよいのです。

書き始めた文章の全部を公開する必要はありません。書き始めたければ、書き上げるところまで到達せず、途中で行き倒れたなら、そのまま書くのを辞めてしまって、全然問題ありません。自分のブログなのですから、〆切もなければ、ノルマもないのですから。

【具体例】

これまでに私が公開したブログ記事を具体例に、このレシピをもうすこし説明します。

■ 伊坂幸太郎『終末のフール』の中の、私が好きな言葉たち【一部ネタバレあり】

伊坂幸太郎『終末のフール』の中の、私が好きな言葉たち【一部ネタバレあり】

この記事は、伊坂幸太郎の『終末のフール』の中から、好きな言葉をピックアップした文章です。

好きな言葉を並べ、コメントを加える、というだけのシンプルな記事ですが、この文章を書き上げる過程で、なぜ自分が、「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」とか「生きられる限り、みっともなくてもいいから生き続けるのが、我が家の方針だ」といったセリフを魅力的に感じたのか、掘り下げることができました。

書評などの形式に拘らずに自由に書く、ということの一例として、紹介します。

■ 「しまう」と「響く」

小説について書いた文章をもうひとつ紹介します。

「しまう」と「響く」」は、恩田陸さんによる『光の帝国』という連作短編集を起点とする記事です。同書の中の「大きな引き出し」という短編から考えたことを書きました。

しかし、この記事が光を当てているのは、『光の帝国』という1冊の本全体ではなく、その中の「大きな引き出し」というひとつの短編全体でもありません。この短編の中に登場する、「しまう・響く」という概念だけに焦点をあてて、ひとつの文章を書きました。

『光の帝国』という物語全体を客観的に評論するなら、この「しまう・響く」という概念は、おそらくそこまで重要ではありません。でも、私は、この「しまう・響く」という概念を、とても面白く感じました。だから、「しまう・響く」のことをこうして書いて、さらには、Evernoteとつなげたり、勉強とつなげたりもしてみたわけです。

■ “その瞬間”が有るか、無いか(ハイキュー!第89話「理由」のネタバレあり)

今度は漫画です。『ハイキュー!!』の、主人公ではない月島くんに絡むエピソードを起点にして、書きました。

分量でいえば、『ハイキュー!!』の紹介はせいぜい半分で、残り半分は、「その瞬間」というキーワードから考えた諸々に費やしています。まあ、私の自分語りであり、『ハイキュー!!』とは関係がありませんが、自分としては、この文章を書きながら、すとんと腑に落ちた感覚を味わったことを覚えています。

この腑に落ちた感覚は、『ハイキュー!!』を読んで「この瞬間」という言葉をいいなと思った後、この感覚をまとまった文章として書き上げようとしたからこそ、得ることができました。

漫画を読んだときでも、何か自分にとって大切なものの存在を感じたなら、文章を書き始めてみるとよいかと思います。

■ 『コンテナ物語』の「コンテナ」から、「入れ物」による規格化・単位化が価値を実現するための条件を考える

今度は、『コンテナ物語』を読んだあとに書いた、「『コンテナ物語』の「コンテナ」から、「入れ物」による規格化・単位化が価値を実現するための条件を考える」です。

この記事を書いた2015年10月、私はWorkFlowyにどっぷりとはまり、毎日を『WorkFlowy入門』の執筆とHandyFlowy&MemoFlowyの開発につぎ込んでいました。頭の中の7割くらいがWorkFlowyでしたので、『コンテナ物語』を読んだときも、WorkFlowyとのつながりばかりが思い浮かびました。

そんな思いつきのひとつが「コンテナ」と「トピック」を関連付ける発想です。この発想をひとつの文章として書き上げた結果、この記事が誕生しました。

■ 読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)

読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)」は、自分としてはど真ん中ストレートに書いたつもりの記事です。『数学文章作法 基礎編』に感動したので、文章の書き方のヒントを求めるすべての人におすすめすべく、全力で書きました。

■ 『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』についての3つの記事

『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』についても、多くの人に知ってほしい、という動機で書きました。

他方で、この本について私が紹介したいことの全部を、ひとつの記事に盛り込むことは難しそうでした。

そこで、3つの記事に分けました。

さらに、3つめの「Reading2.0の入り口に立って」については、『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』のほかに、『本は死なない』も絡めました。

このように、本を読んだ後で書く文章は、対象となる本の冊数と書き上げる文章の個数を対応させる必要はありません。

  • 1冊の本をひとつの文章で書く必要はなく、1冊の本について複数の文章を書いてもよいですし、
  • ひとつの文章が扱う対象の本を1冊に限る必要はなく、複数冊の本を対象にしてひとつの文章を書くのもあり

です。

【おわりに】

今回のレシピは、

  • 本を読み終えた後、その本の中に何かしら自分にとって大切なものが含まれていると感じられたなら、
  • その本についてのまとまった文章を自分のブログに公開することを目標に、文章を書き始めてみる。
  • 文章を書き上げることができたら、自分のブログにその文章を公開してみる。

です。

それほど目新しくもなく、あっと驚く凄みもなく、シンプルで簡単な提案です。でも、実際にやってみれば、あなたのブログは、あなたの読書を、確かに進化させます。

そんな基本にして奥義ともいうべきレシピを、気楽に、自由に、お試しください。

そうはいっても、ひとつの文章を書き上げて公開するのは、なかなか面倒です。一般に、アウトプットはインプットよりも多くの資源を必要としますので、本を読んだあとでいざ文章を書き始めても、なかなか書き上げるところまでたどり着かないかもしれません。書き始めることに意義があるとはいえ、ひとつも書き上げることができなければ、書き始めることを続けることも困難です。

そこで、次回は、本を読んだあとの文章を書き上げるために役立つコツを紹介します。ポイントは、自分のブログの自由さを活用すること。本に関連する文章を書く過程で、どれだけのびのびと遊べるかが勝負を分けます。

それでは、また2週間後に会いましょう。

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About the author

共働き家庭のワーキングパパ。子育てと読書とブログに没頭しつつ、持続可能な毎日を送り続けることを大切にしています。 2012年3月、ブログ「単純作業に心を込めて」を始めました。WorkFlowyを中心に、毎日に彩りを加える方法を試行錯誤してる経過を報告しています。 2016年1月、『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』という本を書きました。WorkFlowyと個人の知的生産がテーマです。 BLOG:単純作業に心を込めて Twitter:@irodraw
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