テンプレートを組み合わせて柔軟に「一日」を構成する(司法書士が教えるタスクシュート式テンプレート仕事術)

TaskChute2流れるような一日を」の坂根(@sakane0958)です。
この連載では司法書士のタスク管理実践例を紹介していきます。

第1回 司法書士の仕事を材料に、タスク管理の実践例を連載します。

第2回 私の仕事になぜTaskChuteが必要か?(司法書士が教えるタスクシュート式テンプレート仕事術)

第3回「テンプレート」の定義とその具体例(司法書士が教えるタスクシュート式テンプレート仕事術)

連載第4回の今回は、テンプレートをどのように組み合わせて一日を構成しているのか、紹介してみましょう。

リピートタスク

TaskChuteの柔軟なリピート設定

TaskChuteでは、「毎日」とか「平日」とか「X日おき」とか「毎月Y日」とか「毎週月曜日」とか、さまざまなリピート設定が可能です。
リピート設定を一度済ませたタスクについては、タスク完了後に自動的に次のタスクが作成されるので、朝、TaskChuteを起動してやると、 そこにはほとんど手を加えなくても「テンプレート」が出来上がっていると言うわけです。
まぁ、これは他のタスク管理ツールでも同様と思いますので、そう声高に言うことでもありませんね。

TaskChuteはランチャーにもなる

皆さん、「TaskChuteはタスク管理ツールである」と思っているでしょう。
でも、実はTaskChuteには「タスク管理機能付きランチャー」とでも言うべき側面があります。
これはTaskChuteの大きな魅力の一つでもあります。

TaskChuteの中の機能としては「タスク実行前のヒント」という気弱そうな雰囲気の漂う機能なんですが、名前に騙されてはいけなくて、TaskChuteで快適タスク管理生活を送ろうと思ったら、必ずマスターしておいた方が良い機能です。
何ができるかというと、そのタスクの開始時刻を打鍵すると同時に、ファーストアクションを実行することができます。

例えば、この欄にWebページのアドレスを入力しておけば、そのWebページがブラウザで開く、
Evernoteのノートリンクを貼っておけばノートが開く、
Batファイル(Windows上で複数のコマンドをまとめて実行するための簡単なプログラム)が起動するようにしておけば、一つに限らず複数の処理を実行させることもできる。

タスク実行の「お膳立て」機能と言い換えることもできますね。

このお膳立てについては、ローカルのExcel上で動くツールであるTaskChuteに敵うツールは無いと思っています。
ブラウザから使うタイプのタスク管理ツールは、どうしてもここが貧弱というか、思うような柔軟なことをさせることができません。
URLを開く、ノートリンクからノートを開くくらいがせいぜい。

TaskChuteでは直接Windowsのフォルダを開かせることもできるし、Wordファイルを開くことも、Batファイルを実行することもできます。
後で詳述するように、TaskChuteにBatファイルを組み合わせると、かなり強力なことができます。鬼に金棒。

「タスク実行前のヒント」で私が使っているBatファイルを紹介しましょう

Evernoteの特定のノートブックを開く

外出先から帰ってきた後に、今日は外出先でどこに寄って何をした、という記録をEvernoteに残しています。
「●業務日誌」というノートブック。
普通にEvernoteを起動すると、直前に使っていたノートブックが開きますよね。
それがたまたま業務日誌ノートブックであることはほとんどなく残念なのですが、Batファイルを用意すれば、「●業務日誌」ノートブックが開いた状態でEvernoteを開くことができます。
参考までにBatファイルの中身も紹介しておきますが、伝えたかったのは「やり方によってはこういうこともできるよ」ってことです。

EvernoteShowGyoumunisshiNotebook.bat


REM -----最小化して起動するためのおまじない----- 
@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof

start "" "C:\Program Files (x86)\Evernote\Evernote\ENScript.exe" showNotes /q notebook:●業務日誌

EXIT
TaskChuteCloudとGoogleMapを開く

仕事の外回りのタスク管理、時間管理にTaskChuteCloudを使っています。
PCで外出先の計画を立て、スマホで記録を取る、これができるTaskChuteCloudは外出仕事のタスク管理ツールとして最適なツールだと思います。

司法書士の仕事は、時刻を指定して人と会うことが結構ある仕事なのですが、「その人と会う前に寄りたい場所がある」場合に結構悩ましい思いをします。
というのも、直行するなら何時頃に出ればいいのか考えるのはたやすいですが、その道中に寄り道を一箇所、二箇所検討すると、途端に時間予測は面倒臭さがレベルアップします。
そうすると、多目多目に見積もって出発時刻を早くし過ぎてしまったり、逆にギリギリになってしまったり。

TaskChuteCloudを使うことで、この問題にはかなりうまく対応できるようになりました。
道中よる場所があったとしても無駄に早く出ることもなくなったし、アポイントに遅れそうになって無駄に焦ったりクルマを飛ばしたりすることもなくなりました。

余談にそれましたが、そもそもTaskChuteCloudとGoogleMapの話でした。
田舎の外回りで一番多くを占めるのは「移動時間」です。
移動時間の概算を知るためにGoogleMapをよく使うので、TaskChuteCloudと一緒に開きます。

taskchuteCloudGoogleMap.bat


REM -----最小化して起動するためのおまじない----- 
@if not "%~0"=="%~dp0.\%~nx0" start /min cmd /c,"%~dp0.\%~nx0" %* & goto :eof

start "" "C:\Program Files (x86)\Google\Chrome\Application\chrome.exe" https://taskchute.cloud/"

start "" "C:\Program Files (x86)\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --new-window https://www.google.co.jp/maps?hl=ja&tab=wl"

EXIT

この2つ以外にも、Batファイルを介すことを覚えると、いろいろTaskChuteから実行できることの幅が拡がります。
規定のブラウザ以外でToodledoを開くとか、Evernoteの同期とか。

ちょっと手間はかかりますが、一つ一つのリピートタスクのお膳立てを整備していくと、TaskChuteはさらに手に馴染む道具に進化していきます。
こういう仕組みがあるので、TaskChuteのリピートタスクへの投資はかけた手間を裏切りません。

不定期に発生するタスク(不定期リピートタスク)

明日も明後日もあるかもしれないし、そうではなく一週間後かもしれない。自分では発生タイミングが読めないタスク。
こればっかりは、TaskChuteのリピート設定で対応ができません。
こういうものを無理矢理リピート設定しようとすると、却って煩わしいです。

ではどうするかというと、そういう種類のテンプレートをまとめておく場所を設けて預けておき、必要な時にそこからバシャッとTaskChuteに持ってきます。
これには専用のツールを使っていて、ツールを作って下さったマロ。さん(@maro_draft)との間では「タスク武器庫」と呼んでいます。

TaskChuteによく使うひとまとまりのタスクを入力するタスクテンプレート武器庫|マロ。|note

”こちらのツールは、毎日ではないけれどよく使うひとまとまりのタスクのテンプレートです。 ひとまとまりの工程につき、Project、Mode、作業内容、見積H単、見積M単などをボタン一つで転記することができます。 また逆にTaskChute2から選択したタスクをボタン一つでテンプレート化することもできます。 よく使いそうなプロジェクトをまとめてテンプレート化しておいて使う時になったらファイルを呼び出して転記するという感じに使います。”


対XX用の兵器一式が収まってる棚」もしくはアタッシュケースみたいなイメージですね。
そこに必要なものは全て揃っていて、正しく使えばまず負けない、そういう一式。
ぺぺぺっと操作するとそれがTaskChuteに降りてきて、上から順に片づけていけばひとまとまりの仕事が漏れなく終わる。
もちろん、このテンプレートには「タスク実行前のヒント」が仕込んであって、流れるようにタスクをこなせるようになっています。

単発のタスク

一日を構成するタスクの中には、リピートしない単発タスクも結構な数あります。
単発タスクそのものはテンプレートの話とあまり関連しませんが、関連する部分としては、「前も似たようなタスク群を登録したような気がする」と感じた時には、何らかのテンプレートに落とし込むこともあります。
テンプレートに落としておくと、次に作業手順を検討しなくて済みますし、漏れのチェックもし易くなるので楽ですね。

武器庫に収めるほどのものでもない場合には、Evernoteのチェックリストにすることが多いです。
深く考えずにテンプレート化できるし、検索し易いのが良いです。

一日の大半を構成するのはリピートタスク群

7割くらいはリピートタスクで先に埋まっていて、残りの3割を前日からの積み残しと割り込みに充てるわけです。
リピートタスクは労少なく実行できるように整えてあるので、リピートタスク部分については毎日の手入れに手間はかかりません。
リピートタスクを制するものはタスク管理を制する。

TaskChuteはすべり台

TaskChuteにおいては、リピートタスクに「タスク実行前のヒント」を絡めてお膳立てツールにしてしまえば、あとは上から順にタスクに着手していくと、自然な流れでタスクが流れていきます。
そもそもTaskChuteの「Chute」には、すべり台のように一気に滑り降りるイメージが込められているそうです。
ただ、私のTaskChuteはすべり台というよりは、ピタゴラ装置みたいなものになりつつあります。

ただ、私のピタゴラ装置では、球がそこへ来るまでにパーツの固まり(テンプレート)をガチャッと嵌め変えて、ルート変更が行われたりしています。
割り込みが多いので動的なんですね。
臨機応変にパーツの固まりを付けたり外したりしながら、最後まで球を転がしきると、どうにか一日が終わる。

はまラボのはまさん(@Surf_Fish)が、「時間管理とはパズルゲームのようなものです。」という名言を残していますが、時間管理は「自分という駒に、残り時間で何をさせたら一番収まりが良いか?」を考えるパズルだと私も思います。

編集後記

目標とする月イチ更新にはほど遠いペースですが、どうにか第4回を公開することができました。
年が明けて環境も少し変わったので、これから今までの分を取り戻すくらい書けたらいいな、と思っています。

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