「計画の不整合あるある」はやく言いたい。漏れがち、時間減りがち、分身しがち

みなさんこんにちは、うさぼう(@usabo_tweet)です。

今日はプロジェクト計画の要であるスケジュール作成のコツを、度々発生しがちな「計画の不整合あるある」とその対策と併せて紹介します。(あぁ、早く言いたい!)

以前記事「外資系コンサルタントが実践するプロジェクト管理10のコツ!! 」で紹介した10のコツの3つ目にあたります。

  1. なぜプロジェクトをやるか (統合)
  2. なにをつくるか (スコープ)
  3. どうやってつくるか (タイム) ←コレです
  4. いくらかかるか (コスト)
  5. できているか (品質)
  6. だれがやるか (人的資源)
  7. どうやってはなすか (コミュニケーション)
  8. もしものときどうするか (リスク)
  9. どこから手に入れるか (調達)
  10. それぞれのおもわく (ステークホルダー)

3つ目のコツ「どうやってつくるのか書き出す」

まずは、3つ目のコツをおさらいしておきましょう。

2つ目のコツ「なにをつくるか」で書き出した明細の一つ一つを作るためのタスクを書き出します。

何をインプットに何をつくるのか、かかる時間はどれくらいか、必要な人(スキル)や道具は何かを書き出します。

そのうえで、つくる順番にタスクを並べてスケジュールを組み立てます。

ここで重要なのは、かかる時間の見積もりです。どんなにいつ終わるかが気になったり、早く終える必要があったとしても、個々のタスクを実行するのに必要な時間や人(スキル)、道具を明確にしないと後で後悔することが多いです。

PMBOKの計画プロセス

プロジェクトマネジメント知識体系ガイドであるPMBOKでは、計画プロセスの中にタイム・マネジメントというものがあります。そこでは以下の5つがプロセスとして定義されています。

  • アクティビティ定義
  • アクティビティ順序設定
  • アクティビティ資源見積り
  • アクティビティ所要期間見積り
  • スケジュール作成

アクティビティ定義ではプロジェクトを完了させるのに必要なタスクを洗い出します。アクティビティ順序設定で、洗い出したタスクの実施順を決めます。アクティビティ資源見積りは、タスク実行に必要な材料、人員、機器などを洗い出します。

アクティビティ所要期間見積りでは、タスクを完了させるのに必要な時間を見積もります。スケジュール作成では、順序、資源、所要期間を考慮しながらスケジュールを作成します。

計画の不整合あるある

できあがった計画に沿って進めていると、以下のような問題が発生することがよくあります。いわゆる「計画の不整合あるある」ですね。

  • タスクが漏れている
  • タスクに十分な時間が割り当たっていない
  • 分身しないと実現できない

タスクが漏れている

誰も好きでタスクを漏らす人はいません。しかし計画する人が全てを把握しているわけでもなければ、十分な時間がない中で計画せざるをえないこともあります。漏らした責任は計画に関わった全員にあるでしょう。見つけた人も、鬼の首取ったように言うのではなく、さらりと計画に反映できるとよいですね。

タスクに使える時間が減っている

タスクに割り当てる時間を増やしたい人と減らしたい人がいます。増やしたい人はタスクの実施者や実施者をまとめるチームリーダーです。逆に減らしたい人は、お金を払うスポンサーや納期を意識するプロジェクトマネージャです。価格交渉や予算枠との整合を経た段階で、個々のタスクに時間が割り当たっているか検証したいですね。

分身しないと実現できない

十分に時間が割り当たっていないことの極端な例ですが、同じ日に別の場所で予定が入っていたりすることがあります。で、同じ担当者がアサインされている。他の人じゃできないの?という疑問が湧いてきますが、他の人でできるほど簡単に解決しないことが多い気がします。

不整合あるあるを解決する方法

プロジェクトの種類によって解決する方法は変わってきます。PMBOK的には5つのプロセスをバランスよく実行することが解決策になりそうですが、あえて一つに絞るなら工数を確保できてるかに目を配り続けることを推します。あえて工数と言葉を変えたのは理由があります。

アサインできる資源(人)の生産性によって所要期間は変わります。頭数だけ揃えても意味がないし、いくら生産性の高い優秀な人を抱えていても数が不足していては期間を縮めることはできません。生産性には人のやる気も関わってきます。

工数の妥当性は過去の実績から類推するしかありません。係数を使ったり、最頻値・楽観値・悲観値の加重平均したりは手法の違いであって、過去の実績を組み合わせて妥当と思える工数をはじき出すしか手はないのです。

終わりに

次に計画する時のためにこそ、今の実績記録が大事になってきます。とはいえ記録もいつでも完璧にとれるわけではないので、今ある記録を最大限活かしながらその時点のベストな計画を立てることにはなります。記憶に頼るよりは部分的にでも記録に頼りながら組み立てることを強くお勧めします。

ではまた2週間後にお会いできれば幸いです。

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