11月といえば自分の好きなブログを告白する月なので、全力で好きなブログについてあれこれ書きたいと思います

「わかる」の敵は「わかった気になる」だと思っています。「わからない」ではなく、「わかった気になる」であると。
「わかった気」になれば、そこで思考が停止してしまいます。さらに考えようとしなくなってしまいます。「わかった気」になっているわけですから。ほんとうの理解は先にあったとしても、「わかった気」になってしまうとそこへと到達できなくなってしまうことになります。
「わからない」のであれば、また考えようとします。わかろうとすることができます。
わかった気になると、わかるために考えることがストップしてしまう。だから、「わかる」の敵は「わかった気になる」だと思うのです。


いきなりなんの話をしているのか、と思われるかもしれません。「自分の好きなブログ」の話です。そう、今は11月です。アシタノレシピの今月のテーマが「読んでてワクワクするとっておきブログを紹介」なのです。


数学の話をします。
好きなブログについて話すためには、まずはぼくの好きなものについてちょろっと話しておいたほうがいい、と思ったからです。
数学を学んでいると、わからないことがたびたび出てきます。証明を読んでも、理解できない。考えてもわからない。手を動かし、式を書きながらまた読む。わからない。再度読む。自分なりの表現をしてみる。何かがつかめた、ような気がする。そんなことがよくあります。
それを繰り返すことで、あるときストンと腑に落ちる瞬間がおとずれます。
その瞬間をあじわうために、わからなくても考え続けることが、数学を楽しむための一つの秘訣ではないか、と思います。

さらに好きなものについての話を続けます。
本を読むことが好きで、以前はよく小説を読んでいました。
今はめっきり読まなくなってしまいましたが(読み始めると夢中になりすぎるので、セーブしています)、以前は次から次に別の本に手を伸ばし、読みあさっていました。特に「ミステリ」と呼ばれるジャンルの小説を一番好んで読んでいました。
ミステリの醍醐味は、小説内での伏線が回収され、結末に至るところ。作中に散らばったパズルのピースたちが、最後はすべてぴったりとはまる。そのスッキリ感がたまらなく好きなのだろうと思います。


ここまできてやっと、好きなブログについて話すための準備が整いました。

ぜひともみなさんに知っていただきたい、ぼくのもっとも好きなブログです。

23-seconds blogの文章は独特の言い回しと論理の展開で、少し意味がとりづらいことがあります。注意深く読み進めないと、わからなくなるときがあります。話の筋を見失うときがあります。文章を一読しただけでは、「わかるような、わからないような。。。」って感じによくなります。
親切ではない、と感じるかもしれません。もっとわかりやすく言ってよ、と。いや、でも、このブログの良さはまさにそこなのだろうと思います。
「わかった気にさせる」ことのないブログなのだ、と感じるからです。
普段読むもののほとんどは、多かれ少なかれ「わかった気」にさせる意図が含まれている、と思います。わかりやすく伝えようとするがゆえのこともあれば、読み手を言いくるめる意図をもっているときもあるかもしれません。誰かに向けて文章を書くと、たいていは、わかってもらうためにあれこれ説明し、読みあたりのいい言葉が並んでしまいがちになるがゆえに。
23-seconds blogには、それがないのです。どのエントリにおいても、「わかった気」になることが少ない、稀有な文章ばかりなのです。
自然と、書かれていることを理解しようと考えることになります。決して押し付けがましくはないものの、「立ち止まって考える」よう誘うような文章です。
この味を知ると、おそらくは心を掴んで離さなくなることと思います。

23-seconds blogが更新されるたび、必ず2回は読み返します。たいていは少し期間をあけて。
1回目でストンと理解できることもあれば、2回目で「あぁ、そういうことか」と膝を打つこともあります。あるいは、2回読んでもスッと入ってこないこともあります。
数学と同じです。読む。わかったようなわからないような。再度読む。自分なりに要点をまとめる。わかってきた気がする。また読む。を繰り返すうち、あるときストンと腑に落ちる瞬間がおとずれます。
その瞬間をあじわうために、理解するために考えてみることが、23-seconds blogを楽しむ一つの秘訣ではないか、と思います。

また、23-seconds blogのエントリは、たいていが最後まで読まなければ全容を理解することができないようになっています。
論を追い、必死に食らいつきながら読み進めることで、最後ストンと腑に落ちる。膝を打つ。それが、快感でならないブログなのです。
文章というのは、読み進める中で「あぁなるほど」とか、「そういうことかー確かに」とか、「わかるわかる」とかいう感情を持つもんです。でも、それが、あまりない。
まったくないわけじゃありません。けれども、全体を読み終えて、はじめてスッと視界が開けるようにできています。最後の一文まで目が離せないように。
よく話の練られた「ミステリ」のようです。エントリ内での伏線が回収され、書き手の主張へと行きつくのです。
スッと開けた時は、快感以外の何物でもありません。


ひとつのブログについて、こんなにもあれこれ書くと、「どんだけ好きやねん」って思われるかもしれません。そうなんです。そんだけ好きなんです。
11月といえば自分の好きなブログを告白する月なので、恥ずかしがらずに、好きな気持ちを打ち明けたつもりです。
少しでも興味を持っていただけたのであれば、「23-seconds blog」を一度のぞいてみてほしいな、と思います。23-seconds blogの右下には、「My favorite articles」として5つのエントリが載っています。タイトルを眺め、興味を持ったひとつでも試しに読んでもらえれば、と思います。
ぼくのおすすめは、「身を削らない石」です。
ほんとうに好きなブログなので、ぜひみなさんも一度読んでみてほしいな、と思います。

では、お読みいただきありがとうございました。

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