目からウロコの子育てレシピ14 口答えをする子をどのように育てるか

こんにちは。隔週火曜日担当のLyustyleです。

今回は口答えについてです。

子育てをしていて結構つらいのが、子どもの口答えが始まったときですよね。

「口答えをするな!」と力で押さえ込むのがいいのか。成長にとって大切な時期だから、と容認するのがいいのか。

口答え自体は悪いわけではなく、子どもが知恵を伸ばそうとしている行動であると言えます。それはわかってはいるけど、いざ自分の子どもから「憎たらしい顔」をして口答えされると、それは気持ちとしては穏やかではありませんよね。

押さえ込むと子どもが伸びないような気がするし、容認するとなめられそうだし。いったいどうしたらいいのでしょう。

fun

子どもが口答えをするとき

口答えの悩みは,口答えをする理由とそれに対する対処が多岐にわたることです。

だから,一口で「口答えにはこうしたらいいよ」と簡単にいうことができません。

年齢により口答えの理由も変わりますし,わがまま,ためし,挑戦,反抗などその理由はさまざまです。

まず,それらについてまとめておきましょう。

すでにわかっているのに・・・ うるさい

「勉強しなさい」「片づけなさい」そんなことはわかっている。

もう少ししたらやろうと思ってたんだ。わかってるのに。

うるさいなあ。

自分でやりたいのに

子どもが何かやろうとしているとき,そのままやったら失敗することが予見できるので,つい先回りしてアドバイスするときがありますね。

「ここはこうしたほうがいいよ」って。

でも,子どもは自分でやろうと思っているのです。成長へ向けて一歩踏み出そうとしているのです。それを先回りして言われたら,もうやる気がなくなってしまいます。

だから,「うるさい」「あっちいってて!」という口答えをするんですね。

反発したい「やだね」

とにかく親に反発したい。親の言うとおりにすることは自分の沽券(こけん)にかかわる,とでもいわんばかりに親の言うことに何でも逆らいます。

親を乗り越えたい。親と対等に渡り合って自分の力を試したい。そのような力が子どもを成長させることは分かっているのですが,ついこの前までなんでもいうことを聞いてくれたかわいいこの子が憎々しげに自分を見て敵か何かのように悪態をついてきたら,腹が立つのを通り越して悲しくなってしまいます。

なげやり。どうでもいい。

「べつに」「知らんし」など,無気力な状況。無力感を感じているようです。

成長に関する悩みや,なんどやってもうまくいかないということへの自信の喪失などが背景にあるかもしれません。

自分の力では如何ともしがたいことがある,ということを感じ始めているのでしょう。

「もういいよ!」せっかくがんばったのに・・・

「95点取ったよ!」「なんで100点じゃないんだ」

「だって,むずかしくてみんな90点もとれなかったんだよ・・」「ちゃんと勉強してたら100点とれただろ!」

「もういいよ。100点なんかとれなくたって・・」「なんだ!もっとがんばれ!」

「やだよ!」

こういうこと,ありませんか。子どもの頑張りを理解せずにハードルを勝手に高くしているようなことが。

以上にあげたように,口答えと言っても理由も様々なら現れ方もさまざまですね。

これらに対して,一般的には次のようなことで対処したらいいでしょう。

親として,しっかり向き合い,口答えの理由を見取る

まずは,ここです。見た目はみんな同じに見える口答えですが,「やろうとおもってたのに」「もう十分わかってるのに」「どうでもいいや・・・がんばってもだめだし」「親のいうことなんか・・・」「本当は聞いてほしいのに・・」など様々な理由があるわけです。

かーっとなりますが,一呼吸。

なんで,この子はこんな口答えするのかな,とまず向き合うことが最初に必要なことです。

・・・とは言っても,なかなか怒りのコントロールというのは難しいこと。

つい「オヤノイウコトガキケナイノカ”!」「ナンダ!オヤニムカッテソノタイドハ!」って怒ってしまうこともあるでしょう。

いいのです。それで。

そこからスタートしましょう。

そして,この記事にかいたように,寝顔でもみながらリフレーミングしてみてください。

目からウロコの子育てレシピ6 叱ってばかりの私~リフレーミングで、スイッチのきりかえを
すると,今日の口答えがいったいどんな理由からきているのかもわかるというものです。

理由がある程度わかってきたら,返し方もわかってきます。

争いにのらない 同じ土俵に乗らない

まともに受けて立つと腹が立ち,力で抑え込んだり,時にはたたいてしまったりなど,あまりいい結果にはつながりません。

また,子どもがアドラーのいうところの「権力争い」を仕掛けてきているときにそれにのってしまうのは好ましくありません。

そこで,「争いの土俵にあがらない」ということをしてみましょう。

何か言って挑発してきても「そうは問屋がおろしませんよ。相手はしません」と心で宣言しましょう。

軽くうけながすことができればなおいいですね。

ここで大事なのは,子どもの挑発の前に引き下がるのではない,と思うことです。引き下がったと思うとなんだか癪にさわります。ですから,あくまでも土俵に上がらないのだ,というメンタルを持ちましょう。

その繰り返しをしているうちに,子どもから何らかのアクションをしてくるものです。

「よそはよそ。うちはうちよ」というのも同じ土俵に上がらないということに当てはまるでしょう。

「ブロークンレコード・テクニック」といって,「お風呂入りなさい。」「やだよー。」「お風呂入りなさい。」「もう少しテレビ見てから!」「お風呂入りなさい」「もう・・うるさいなあ」「お風呂入りなさい」「わかったよ!もう・」のように,こわれたレコードのように冷静に同じことを繰り返し,わがままは認めないという姿勢を示すテクニックもあります。理由や年齢によっては効果があるでしょう。ただし,この方法は相手もブロークンレコード・テクニックを使って来たらやめることが必要と言われています。

「お風呂入りなさい」「やだよ」「お風呂入りなさい」「やだよ」「お風呂入りなさい」「やだよ」・・ここでやめ。

腹をたてずに大人の度量でしっかり向き合う

「確かにそうだね。」と言い分をみとめてあげるのも大事です。

「かたづけなさい!」「そんなこといったって,お母さんだってちらかしてるじゃん!」

ここで「親に向かってなんだ!!」と抑え込むこともできるでしょうが,いい結果を生まないことはわかっています。

それなら,逆に「確かにそうだねえ。お母さんもちらかしたままだ。片づけよ。ねえ。いっしょに片づけない?」と,度量を示します。

子どもだって振り上げたこぶしのおろしどころをさぐっているのですから,認めてくれた上でのことなら,ま,いっか,と片づけ始める,というようなことはよくあることです。

最後は,壁になりうる大人に 衝突をおそれない

そうはいっても,長じてくると,やはり戦わなければならたい場面も出てきます。

小さいころの反抗期とは違って,小学校高学年になってくると,場合によっては反社会的な行動につながるような行動をする場合もあります。

そういう時は,もはや口答えというレベルではなく,勝負です。子どもの耐えに立ちはだかって壁になってはじき返すことが必要です。

その壁にぶち当たって,子どもは自分の力を知り,また成長していくのです。親が壁になり,しっかり戦った子どもは,たとえその時には飛び出して行っても将来必ず戻ってきます。壁になってくれたことへの感謝の気持ちをもって戻ってきます。

口答えを逆から考えてみると・・・

よく考えてみると,子どもが口答えができるというのは,平和なことなのかもしれません。

子どもにとって,親との信頼関係があるから親に甘えて口答えをすることができるのです。

あってはならないことですが,虐待やそれに類するような行為によって子どもを押さえつけているような親の場合,子どもは口答えするでしょうか。屈服した,従属したおずおずと暮らす子どもの姿が見えるようです。心が痛みます。

それから考えたら,我が子が口答えするのは,この子に安らぎがあるからだ,甘えようとしてくれてるんだと考えることもできるのではないでしょうか。

・・・と 憎々しげに口答えをしてくる子供の前で思うことはとてもできない相談ですよね。

でも,子どもの寝顔を見ながら,そう思ってみてください。

がらっと気持ちがかわりますよ。

逆に言えば,口答えしない「よい子」の場合,親としての自分の子どもへのかかわりかたを見つめなおす必要があるかもしれません。

してはいけないこと

最後に,子どもの口答えに対し,「してはいけない!」と筆者が思っていることを述べておきたいと思います。

それは「言い返せなくなるまでやりこめる」ということです。

子供の,成長しよう,自立しようとする尊厳はずたずたになってしまい,勇気がくじかれてしまいます。

せいぜい「なんだ!その口のきき方は~!!」くらいまででとどめてください。

まだ引き返せますから。

まとめ

わたしは,子どもの時からこれでもかというくらい親に口答えをしてきました。

父がかなり厳しい人で「有形力の行使」をよくしてきました。部屋に逃げ込んでドアを閉めた途端,ドアを打ち破ってはいってきて,あっけにとられているうちに「有形力の行使」をされたこともあります。

それでもめげずに口答えをし続けました。

口答えをしている最中は,親のことは大嫌いでした。上にあげた口答えの理由もすべてをひととおり経験しました。

それでも親のことは大好きでした。

そして,当然ながら,今,感謝の心でまだまだ元気な親に接しています。

口答えをする子どもも,大人になったら感謝して帰ってくるのです。

それでは,また2週間後にお会いしましょう。

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