「テンプレート」の定義とその具体例(司法書士が教えるタスクシュート式テンプレート仕事術)

TaskChute2流れるような一日を」の坂根(@sakane0958)です。
この連載では司法書士のタスク管理実践例を紹介していきます。

第1回 司法書士の仕事を材料に、タスク管理の実践例を連載します。

第2回 私の仕事になぜTaskChuteが必要か?(司法書士が教えるタスクシュート式テンプレート仕事術)

連載第3回の今回は、「テンプレート」の定義と、私が実際に使っているテンプレートの具体例を説明してみましょう。

ひとまとまりのタスク群=テンプレート

一連の連載で私が「テンプレート」と呼んでいるもののイメージを説明しておきます。世間一般のテンプレートという用語の定義とは少し異なるかもしれません。

イメージとしては「書かれている手順のとおりに処理していけば、8割方間違いの無い物ができる」という手順書であり、チェックリストです。 
あまり大規模なものではなくて、10~60分くらいの作業ボリュームのものが多い。

それらを組み合わせて一日の仕事の流れをデザインする感じです。

「テンプレート」はjMatsuzaki氏の「サブルーチン」に非常に近い

自分のこのテンプレートに近い言葉はなんだろうかと考えていて、サブルーチンという言葉も浮かんだので、検索してみたところ自分のイメージに非常に近い記事がありました。
アシタノレシピ執筆陣の一人であるjMatsuzaki氏(@jmatsuzaki)の記事です。

プログラマーならよくやる仕事はサブルーチン化しておく~プログラマー思考の仕事術~ | jMatsuzaki
サブルーチンとは部品化すること 「サブルーチン」とは、プログラムの複数の処理を意味のある単位で1つにまとめて部品化したものです。「メソッド」と呼ばれることもあります。 …
"サブルーチンとは部品化すること 「サブルーチン」とは、プログラムの複数の処理を意味のある単位で1つにまとめて部品化したものです。「メソッド」と呼ばれることもあります。"

ちなみに、jMatsuzaki氏はEvernoteのチェックリストを使っていますが、私はTaskChute上で手順書兼チェックリストになったものを使うことが多いです。
手順書兼チェックリストとはどんなものか、具体例を見てもらうのが手っ取り早いですね。

具体例:オンライン乙号

OtsugoTemplate

  1. 完了した登記の確認のためのメールチェック
  2. □乙号請求必要なものを作成、送信
  3. 納付
  4. 立替金記入、プリントアウトに請求先記入
  5. 経理に回す

一連の作業内容の簡単な説明

作業の目的としては、法務局で謄本を取ること。
取る謄本をオンラインで請求し、インターネットバンキングで納付、納付した後の控えを経理に提出する、というのが一連の作業。

個々のタスクの説明

1.完了した登記の確認のためのメールチェック

テンプレート無しで素直にこの作業をすると、直感的には「メールチェック」は出てきません。
しかし、このオンライン乙号はまとめて実行した方が効率的なので、後から「あ、これも終わってるから取っておいて」と言われると、かなりのガッカリ感が発生します。

なので、本線の作業に入る前にメールチェックをして事前に完了している登記の有無を確認し、追加で請求対象にすべきものがあるかどうかを確認します。

タスク実行前のヒントでお膳立てを整える

画像の右端にちょろっとリンクが見えていますが、TaskChuteの機能として、「タスク実行前のヒント」欄にリンクを貼り付けておくと、タスク開始時にそのリンクが実行されます。
設定しておけば、メールチェックのタスク開始時にThunderbird(メールソフト)が立ち上がる、という寸法。
考えることが減るので、スピーディーにタスクを片づけていくことができます。

2.□乙号請求必要なものを作成、送信

自分で作成、送信することもありますが、先に事務員さんが済ませてから回ってくることもあります。
つまり、やらなくても良い場合があるタスク。
そういうタスクには、印を付けることにしています。

□は自分への目印:チェックして不要なら削除

□付きのタスクは、実行が不要な場合があるタスクです。
ただ、実行する場合もあって、その時には実作業が発生することもあります。
単純にテンプレートから削除すると、忘れてしまうかもしれないので、多くの場合削除するわけにはいかない。

□が役に立つ場面

一つは、一日の見通しを立てていて、一日のタスクが溢れている時。
最初に全体からこの□付きのタスクをチェックしていって、削除できるものを探します。
□付きであっても、10数分の割当があるタスクもあり、削れる候補がパッとみて探せると便利です。

もう一つの場面は、タスク実行時。
□付きだったら、頭がタスク実行モードに入る前にサクッと削除することができます。
最初に「削除できるか?」を確認できることで、やる気を無駄に浪費しなくて済むということです。

3.納付

インターネットバンキングで、手数料を電子納付します。
うちの事務所では、身内の者が銀行関係の処理をすることになっているので、事務員さんに任せられない部分です。

4.立替金記入、プリントアウトに請求先記入

「納付」が終わった時点で、自分にとっての重要箇所は終わってしまっているので、うっかりこのお金の処理を忘れてしまうことがあります。
TaskChute上で次のタスクとしてこれが目に入ると、うっかり者の私も忘れることはありません。
このテンプレートが必要な理由の一つでもある、重要な一行。

5.経理に回す

ここまでのタスクは、全部自分のデスクで完結するのですが、経理に回すためには席を立たねばなりません。
今までとちょっとフェーズが変わるタスクなんです。

作業自体は一分かからずに完了できるようなタスクですが、省略せずに一項目とっているのは、そういう趣旨です。
これがあることで、自分の中のリズムも取りやすい面もあり。
それに、これに一項目とることによって、後回しにしても漏らすことがありませんし、「席を立たねばならない他のタスクとまとめて実行しよう」という判断に繋がることもあります。

テンプレート化のメリット

このように、「オンライン乙号する」というタスクの中身を細分化してテンプレート化することによって、漏れなくスピーディーに一連の作業を進めることができるようになります。
部分部分に分かれていることにより、進捗の把握も明快です。
例えば納付の後にお客様からの電話に出たとしても、その後に立替金記入を忘れることはありません。

また、流れが明確なので「次なにやるんだっけ?」もありませんし、これさえやれば漏れは無いので「何か忘れてないっけ?」もありません。
スーパー作業者になった気持ちで、目の前のタスクをバッタバッタと切り倒すことができるようになります。
連載第1回で触れたグラディウスの世界ですね。

編集後記

こういうテンプレートの組み合わせで、一日の仕事の流れを柔軟に組み立てるわけです。

一日の仕事の中にも、毎日やるリピートタスク、一定期間ごとに繰り返すリピートタスク、不定期に発生するタスクなど様々なものが入ってきます。
様々なタスクを受け入れて捌くためのTaskChuteの運用方法に、次回は触れたいと考えています。

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